田中章義・きたやまようこさんのレビュー一覧
投稿者:田中章義・きたやまようこ
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紙の本ふるさとをはなれた種は
2004/07/20 15:10
著者メッセージ
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日本が、世界の人々から今、「難民鎖国」だといって非難されていることをどれほどの日本人が知っているだろう。ある人は、危険な祖国に強制送還され、別のある人は入国を拒否され、収容者が“刑務所”と呼ぶような「収容所」に連れて行かれてしまっている現実。
世界を訪問する旅の中で、私は家族と離れ離れにならざるを得ない人々がどんな表情で、どんな思いで生活をしているのかを知った。両親と、離れ離れに暮らすこどもたち。水や食糧がない中、家族や友人が亡くなっていくのを見送らざるを得ない人々——そうした人々が少しでも減り、一人でも、二人でも多くのこどもたちに無事、食糧や医療品、教科書などが届いてほしいと願う。
そんな思いで、私たちは難民のこどもたちに収益の一部を寄贈する絵本を制作した。
絵を描いてくださったきたやまようこさん、帯文を寄せてくださった緒方貞子さん、各言語に翻訳をしてくださった皆様、編集部の清田久美子さん、ブックデザインを担当してくださった石田徳芳さん、印税を活用してくださるUNHCR(国連高等難民弁務官事務所)&日本国連HCR協会の皆様etc・・多くのかたに支えられた本書は、今後、世界各地に届けられていくだろう。
「ふるさとをはなれた」“種”を、大空や大地が見守り、たくましく育てあげてくれているように、祖国を離れて暮らす人々も、この星の上で安心して平和に暮らせる日が、一日も早く迎えられてほしいと願う。田中章義
今回の物語の中で、種くんのパートナーのワニを『アリガトウ』くんと名付けました。どんなに国や文化が変わろうとも、言葉が異なろうとも、人が誰かに対して感謝する気持ちは同じです。どんな環境でも、誰に対してでも、素直に『ありがとう』の言葉を言いたい。『ありがとう』の言葉を聞きたい。これはお礼を強要しているのではなく、自然にありがとうが溢れる世界になれば、子どもも大人も安心できる世の中になるのでは、と思うのです。この絵本を読んでくださっ方々が、そう思ってくださる事で、大空に飛び立った種くん達が美しい花を咲かせる事が出来るのです。きたやまようこ
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