古処誠二さんのレビュー一覧
投稿者:古処誠二
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紙の本ルール
2002/04/08 18:38
著者コメント
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戦争中、しかも戦地が舞台の小説など、それだけで嫌悪感を抱かれるかも知れません。実際、「日本軍」という言葉に悪魔的な響きを感じる方もいると思います。わたし自身、少なからずそんな空気を吸って生きてきましたし、戦後の日本で生まれ育った人間ならば、これは、ある意味で当然と言えそうです。
それでも、日本軍将兵を主人公にした小説を書きたかったのは、これが思想や歴史解釈などとは無関係の話だからです。
わたしたちはルールがあるからこそ日々を暮らすことができます。いつの世もそれは変わらないでしょう。けれど、現在のルールを過去に当てはめることはできません。「ルール」という小説は、ある時代、ある場所で、ある状況に置かれた、ある人物の話です。これを読んでくださった方が、今さかんに繰り返されている歴史認識などを巡る「ケンカ」を滑稽に感じたならば、わたしは自分の描写力に少しは自信を持てると思います。これが、あくまで「個人」の物語だからです。
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