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winter_muteさんのレビュー一覧

投稿者:winter_mute

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紙の本日清・日露戦争

2007/08/14 22:24

研究者固有の限界か?それとも...

13人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

手堅くまとめられた本だと思う。また、帝国議会・軍後方・近代文学・労働運動・帝国憲法の成立当初の動性がいかに連動していたかを簡明に書かれてあるし、日本固有の植民地の問題(内外格差)も扱っており興味深い。

ただし、いくつか疑問点がある。

1.日本の植民地開発によって、植民地の経済・文化面における水準が上昇したことについて肯定的な意見があるが、これは現在の研究水準では一笑に付されると書いてあるのだが、その根拠について詳しい出典がない。
2.日本側の功利主義的な考えで主導されたものでたとしても、日本が意図していなかったような植民地側での内発的発展を促進した例は無いのだろうか(実際、朝鮮台湾における民族資本の発達や度重なる弾圧にもかかわらず発禁→出版を繰り返す民族系新聞社の興隆という事象はどう捉えるのか)
3.石橋湛山の如きは朝鮮・台湾のような植民地に対する帝国の投資はその支出に比して利益があまりにも薄い、と、大正時代には既に認識していたわけだが、にもかかわらず朝鮮・台湾を保持しつづけたことを、功利主義のみで果たして説明できるのか。
4.日露戦争は起きずにすんだ戦争と総括しているが、紛争当事者が完全情報を持ちあわせるなどというナンセンスなフィクションを仮定しなければそのような総括は不可能ではないか(それを言うなら第一次世界大戦など絶対に起きるはずの無い戦争であろう、というか非対称情報についてのゲーム理論ってご存知ではないよね)

これらの疑問点にはほかの書籍にあたるしかないのだろうが、これが研究者の専門的限界なのかどうか、少し意地悪く思ったりするのは私だけだろうか?

あ、それと日露戦争が対大韓帝国侵略戦争であるとの認識は、盧武鉉大統領が2006/4/20の演説で竹島の領有権について述べた(韓国大統領が公式に日露戦と竹島と対大韓帝国侵略戦争を結びつけたのは初めてだそうだが)それと類似しているのだが、もちろんこれは偶然だと信じたい。

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紙の本国家の自縛

2005/10/14 14:55

面白くはあるが...

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「国家の罠」に続く佐藤優氏の二作目。前作では対ロシア外交や外務省不祥事に絡んだ検察との攻防が主題だったが、本作ではより広い話題について氏の考えを述べている。
 相変わらず日本を取り巻く外交状況やロシアについての分析に光るものがあり、ネオコンや日本の国家意識に関する氏の考察にもうならされる。
 しかし、ハイエク型経済とケインズ型経済(という区別にも疑問があるが)や「国体」ついて考察には少し首を傾げざるを得ない。
 そもそも、ハイエクはケインズの経済政策については「緊急避難」として部分的には評価していたし、経済に対する政治的な介入も、経済のフレーム維持のために必要と、としていたと記憶している。
 また、「国体」は押し付けられて成立・維持できるものではないという考えには賛成だが、伝統が消滅した後に復古される伝統そのものがフィクションではないだろうか。そして、このフィクションが他のフィクションに優越することは押し付け以外ではありえないのではないか。
 いろいろと考えさせられた本ではあるが、多少の予備知識がないと佐藤氏の考えに飲み込まれてしまう気がするので、本書よりは「国家の罠」を購入されることをお勧めする。

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