書評子さんのレビュー一覧
投稿者:書評子
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2005/05/21 13:31
パブリシティは中小が大企業に伍して戦える情報発信手段
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中小企業にとってマスコミは生涯縁のないものだったのかもしれない、少なくとも本書が刊行される以前は。
多くの人がマスコミの取材はある日突然、向こうからやってくるものだと思っている。いくら画期的な商品やサービスを創り出していたとしても、たまたま記者が目にしたモノだけが、新聞や雑誌やテレビに取り上げられるのだと。
そうではない、と著者は言う。大半の記事や番組は、企業からの情報発信が最初の糸口となっているのだ。そして、パブリシティ(記事化)活動こそは、中小企業が大企業に伍して戦える情報発信手段なのである。「広告」では資本差のある大企業と互角に渡り合うことは不可能だが、「パブリシティ」は違う。資金がなくても、手法を知り、実践する熱意さえあればパブリシティは成功するのである。そしてその成功は直接ビジネスに直結する。
著者は一のことを十、十のことを百として伝えるような手引きはしない。少なくとも良いモノ(商品、サービス)を伝えるのであれば一のことを一として伝えるべき、というスタンスを崩さない。そこに著者の誠実さを感じるし、実際これまで、パブリシティ活動を行わないことで一のものが零として埋もれてきたことを考えれば、“一のことを一として伝えること”こそが重要なのだと理解できる。
この本が中小企業のパブリシティ活動に火を着け、ウン百ウン千の“プロジェクトX”が日々の紙面、番組を飾るようになったら素晴らしい。
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