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タラランさんのレビュー一覧

投稿者:タララン

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本いまどきの「常識」

2006/02/09 21:46

私が数年間感じてきた日本社会の嫌な空気・数々の違和感を的確に指摘してくれました

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ここ数年間、私が感じてきた日本社会の嫌な空気・数々の違和感をよくぞ指摘してくれた!!という感じです。非常に限られた対象にしか、同情・共感が及ばない人達、また、自分の痛み・悲しみなどには敏感なのに、他人のそれには全く想像が働かない、自己責任のおかしな使われ方の流行、(それゆえ、本当に責任を負わねばならないはずの当事者達の責任逃れの格好の道具とされてしまっている現状)少しでも政府を批判する者は、徹底的に激しく叩き、言論を封殺しようとする人達が出てくるようになった。(現に著者も現在、相当嫌な思いをされているようです。
それに、政府を批判するというのは、民主主義の国に与えられている当然の権利であり、また、必要な事のはずです。一切、政府の批判をするなというのであれば、独裁国家と同じですよ)これらの風潮、人達が多く出現するようになったのは、やはり、小泉内閣になってからのような気がします。
香山リカさんの著作は、当たり外れが激しく、また、この本の中の「オニババ化する女性達」という本についての意見など、いくつか疑問を感じる部分もあるのですが(私もこの本を読んだ事はありますが、別に働く独身女性達に、女性は結婚して子供を産まなければ絶対に幸せになれないと脅迫するような本ではないと思います。何も仕事での成功にこだわる必要ないんじゃないの? 誰でもキャリアウーマンとして成功できるわけでもないし、もう少し楽に生きてみない?と勧める本に思えましたが。それに別に結婚したくない女性達や、子供を産めない女性を傷つける意図もないと思います。受け取り方の問題ではないでしょうか? それは、中には傷ついてしまう、子供を産めない女性もいるかもしれませんが、人はどんなに気を使っても、人を傷つけてしまう事はあるのだから、ある程度のすれ違いがあるのは、しかたないんじゃないのかなと思うのですが。それに、よくこの本を読んでみれば、著者が別に全ての未婚女性に結婚や出産を強要するつもりもない事も、伝わるような気がするのですが。少し香山リカさんは、過敏に反応しすぎているような気がしました)、それでも、これはかなりの良作だと思います。中傷に負けずに、香山さんには世の中について、疑問や違和感を感じた事については、これからもどんどん発言していって欲しいものです。

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柚香菊のように目立たないけれど、精一杯生きた郷姫

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いつも、義常関連のドラマや小説では、静御前と比べて、無視されがちな郷姫ですが、この作品の中では、無欲で、純粋で、見栄を張ったりする事もせず、一途で、等身大の自分でいる素敵な女性に描かれていたと思います。また、静御前も、世慣れたあだで、それでいて、自立し、男に頼らない女性に描かれていて、扱いは悪くないですし、郷姫と静御前との関係も、とても良い感じに描かれていると思います。
静御前は、まるで姉のようで、郷御前はその妹のようなんですよね。
郷姫を、義経の大切な女性と、ひたすら温かく見守る静御前、
そして、彼女に憧れを寄せる郷姫。傍から見ると、不思議な三角関係という感じもしますが。
しかし、とかく歴史小説では、正室と側室というと、ドロドロの関係にしたがり、どちらかを悪く描くという手法を採りがちですが、この小説では、どちらも悪く描かれていないのですばらしいです。この著者には、こういう視点はずっと持ち続けていて欲しいですね。一作ぐらいは、そういう風に描いていても、それきりになってしまう作家が多いので。
また、郷姫を安易に美女に設定していない所も、
良いと思いました。また、彼女の初恋の相手の、畠山重忠がいいんですよ・・・ 自分の本当の想いを伝えようと、義経へ輿入れする途中の彼女を追って京へ来たりなど、行動力もありますし。
私は特に義経ファンではないせいか、彼より、重忠の方を好ましく思いました。この小説を読んだ後だと、義経の最愛の妻は郷姫だったのかも・・・という気分になりました。それから、歴史小説では良くも悪くも、強烈な女性の方がヒロインとして選ばれがちですが、郷姫のような地味な女性でも、ヒロインになってもいいんじゃないかなと思います。

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紙の本愛人

2005/12/28 10:11

何十年経っても忘れられない関係

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私は初めに映画を観て感動したので、この原作を読むようになりました。しかし、私の場合はそれで正解だったようです。
まさか原作が、このように抽象的で時間軸が捉えずらい作品だとは・・・それに、意外に中国人青年との交渉について描かれたページは少なく、フランス帰国後の事などについても描かれています。
私は、なぜ他人の体験にこんなに心惹かれるのだろうと、ずっと想っていましたが、最近ようやくわかったような気がします。
それは、とても少女と青年の絆が稀有なものに思えたからです。
たぶん二人が共に過ごした期間は二年くらいなのでしょうが、
でも、とても濃密で人種も年齢も立場の違いも越えた、二人にしかわからない関係で、何十年経ってもお互いに忘れられず、妻と共にパリを訪れた時に「あなたの声が聞きたかっただけでした」とデュラスに電話をかける「彼」、そしてそれに答えるデュラス、なんという絆なんだろう・・・と想ってしまいます。
たぶん、「彼」がデュラスに与えた影響は、とても大きなものではなかったのでしょうか? 「彼」が大作家デュラスの誕生に貢献したと言っても過言ではないのかもしれません。現に彼女はその後も「彼」との関係をモチーフにした「北の愛人」という作品を書いています。
私は、このような強い絆に憧れを感じるのですが、でもこのような絆は不幸なのかもしれません。特に、おそらく妻を娶ってからは良き夫として一生を終えたであろう彼の、おき火のように燻りつづけたであろう、デュラスへの想いを考えると・・・

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