いしいさんのレビュー一覧
投稿者：いしい
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2005/07/12 09:24
当事者にしか語ることができない薬の飲みごごち
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本の企画は統合失調症当事者である著者の一人が他の当事者に「当事者の体験にもとづくクスリの本をつくりたいんです」（「あとがき」より）と呼びかけたことから始まった。著者の４人は全て統合失調症当事者である。そして、その４人の付き合いは、ほとんどインターネット上だけである。交わしたメールは２０００通（「あとがき」より）を越えた。誰かが原稿を書いて他の著者が評価し、別の著者が原稿を書いて他の著者が評価する。そのような遣り取りを続けて作られた本である。
さて、そのような経緯で出版されたこの本は非常に面白い。『「このクスリをのむと、どんな感じがするか」というのは当事者しか語ることができません』（「まえがき」より）とあるように、薬を飲んだ後の、そして飲んだ薬の違いによる自分の様子が述べられている（例えば48ページ）。興味深いのは薬の処方を患者である著者の方から主治医に提案していること（例えば46ページ）。医師は最初は全然相手にしてくれなかったようだが、著者は諦めず、何度も新薬の処方を願い出たようである。そして、統合失調症の仲間（著者の一人）の励ましを受けて、転院することも覚悟で医師に迫ったある日、やっと処方してもらえることになった（47ページ）。最初は医師が勧める新薬でなく自分が提案した新薬を処方してもらったようだが、薬を変えてすぐに調子が良くなったわけではない。しかし、最終的には最適と思われる処方に至ったようである。
私は統合失調症になったわけではないから症状の苦しみは実感できない。副作用の苦しみも実感できない。しかし、当事者は本当に苦しいのだろう。この本には発症した時の様子や薬を飲んで調子が悪くなった時の様子も述べられている。本当に苦しくて何とかしたいから、医師の処方する薬よりも楽になれる薬があるのなら、そちらを処方してもらいたいのだろう。そして医師に提案するのだろう。当事者は薬をずっと飲み続けなければいけない。「一時的に我慢すれば良い」というわけにはいかない。だから最適な薬を求める必要があるのだろう。著者らは自分にあった薬に巡り合ったようである。しかし、日本には医師の処方する薬で苦しみながら我慢している患者が多いのではないだろうか。医師にはその苦しみは伝わっていないかもしれない。医師の方も伝えてもらいたいだろう。伝えてもらわなければ正しい処方ができないだろうから。今の薬で苦しんでいる人は、ぜひ、医師と薬について話し合ってもらいたい。話し合って、自分にあった薬を見つけていただきたい。
さて、この本には統合失調症当事者の薬との付き合い方が述べられていて統合失調症当事者が参考にできる本だろう。しかし、発症するまでの様子も述べられているから、統合失調症の症状について知りたい人にも役立つかもしれない。全ての症状が述べられているわけではないが、「このような症状があるんだな」と思えるかもしれない。ぜひ、読んでいただきたい。ちなみに、本のカバーデザインを担当したのも著者の一人である。
2014/06/11 04:48
ページ数は少ないが傑作短編
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
小説を読む時間は無いが漫画ならということで買った。
交通事故を題材にした実際に起こっていそうなストーリー。
事故で人が死んだが、その事故の原因となった人に全く罪の意識が無い状態。規則や法律について問いかけているみたい。
ページ数が少なく感じたが、安かったし、内容が良かったので満足。
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