IMBさんのレビュー一覧
投稿者:IMB
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紙の本落差
2006/06/03 23:56
私利欲に満ちた醜い教育現場を強く問題提起。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
空港での待ち時間、暇があると僕は本屋に向かう。
そこで目に留まった分厚い文庫本。厚みが3センチ以上ありそうだ。
そんな理由で読んでみた文庫本である。
もともと僕は松本清張の他のメジャーな作品は読破していたが、これほど分厚いものは珍しい。
2005年、東大阪で体操服の贈収賄容疑が問題になったのはご存知だろうか?
この作品はその事件を理解するうえで大変役に立つ小説である。
教科書、という学生の身の回りのものに注目し、その売り込み競争における、醜い人間の姿を浮き彫りにしている。
教科書の販売員である登場人物は、その醜い実態を目の前にしながらも、生計を立てるためにその世界に没落する・・・。
大学の教授も私利欲のために・・・・・・!!
教育界での醜い実態がよく分かる。一般の方が読むにも十分面白い作品であり、また学生が読むと、「まさか、先生も?」なんていうようにも思えてくる、一風変わった作品である。
ただ、内容のわりに結末がパッとしないというのも僕の本音である。
紙の本渦 改版
2006/06/04 12:18
推理小説で暴かれる、悲惨な視聴率の実態
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
随分と前のことになるけれど、東京のあるテレビ局が視聴率の買収をしていて問題になったのはご存知だろうか? その視聴率の買収の前に僕が読んでいたのはこの『渦』という作品である。
この小説はある一通の謎の手紙によって始まる。その手紙とは、視聴率がとれずに上司に怒られ、自殺したプロデューサーの家族から送られてきたものである。
其れを元に一般人が調査をしてみるのだが・・・ というのが大まかな流れである。
松本清張の小説によく見られるのだが、警察や検察でなく、一般人が自力で調査する という変わった趣向がとても面白い。
視聴率、視聴率と騒いでいる人が多い中、「視聴率が何だ!!」と思える、とても価値の或る作品であるように思う。
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