kumimaさんのレビュー一覧

この本の編集者より

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農山漁村で自然や文化、住民との交流を楽しむグリーン・ツーリズムは、もともとヨーロッパで生まれ、日本では一九九〇年代初めから普及してきました。
そして興味深いことに、ヨーロッパとは違う独自のタイプに発展し、それがアジア各国で同時に広まりつつあるそれと、とても似ているのです。その共通点とは、農村の内発的発展を目的にしていること、農業・農村体験を重視していること、農村が組織的に対応していることなどです。その背景には、いずれもモンスーン気候に対応した稲作農業であること、小規模経営であること、そして過疎・高齢化という共通の悩みを抱えていることがあります。
他の地域と比べると日本は制度や政策の面で一歩先んじています。一方、日本が失った懐かしい伝統的な農村文化がアジアの他の地域では今なお生きています。共通の悩みを抱えながらも、それぞれに特徴をもつ日本とアジアの諸地域が共に学び合うことで、農業・農村の新しい展望が開けるという信念のもと、本書は編まれました。