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三橋 博巳さんのレビュー一覧

投稿者:三橋 博巳

3 件中 1 件~ 3 件を表示

近年注目されているデザイニングウッド。その分類と用例を示すとともにエッセイなども収録する

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 RC構造物が多い中,近年,木の良さが見直されている。耐震性を高めた木造建築。今までプラスチック等を用いていた各部材や部品が,木目調のものを使ったり,実際に木を利用する傾向が出てきた。そんな中,本書では,デザイニングウッドの分類,最近良く使用されている木質系材料や集成材,接着剤等に至るまで写真や図を交えて分かりやすく示している。また建築家による集成材による作品も多く紹介し,実際の用例を具体的に解説している。
 木の良さを広く一般の人に理解してもらうことを目的に,エッセイや論考も載せ,各人の思い入れが綴られている。さらに,写真ときれいな図版を多用し,見ていても楽しい本である。実務者を始め,構造系,デザイン系の学生に薦めたい。本書をきっかけに,環境にやさしい木材に対する理解が一層深まることが期待される。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本木の家に住むことを勉強する本

2001/03/08 15:15

木のぬくもりを求め,多くの関心を集めている木造建築。一般の人にも理解できるように書かれた実用書

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 RC(鉄筋コンクリート),SRC(鉄骨鉄筋コンクリート),S(鉄骨)造建築物が多いなか,近年,木造建築物が再認識されている。ただ,兵庫県南部地震のときに,木造密集地域が大打撃を受けた。これを教訓に木造建築物に対する研究が活発化した経緯がある。従来,免震を施そうとした場合,建物の重量が軽量であったため,あまり効果が期待できなかったが,現在では研究開発が進み免震をはじめとする,対震技術を適用できるようになり,木造建築物の安全性が高まっている。また,難燃材を用いるなどの耐火構造の家屋も多くなり,木造に対する需要が高まった。
 こうしたなか,本書が刊行された。専門書ではないが,木造建築に関するアラカルトを解説した実用書である。「建築の辞典」「構造計画ハンドブック」(ともに朝倉書店)など,木造建築に関する書籍はあるが,本書のように一般の人が抱く疑問点に答えているとはいい難い。また,「木の大百科」「木材の辞典」(ともに朝倉書店)といった書物もあるが,植物学的記述が多く,工学的な解説書ではない。実務者や研究者は本書とともに,ここで触れた4冊の専門書の併読が望まれるが,一般の人や学生は本書を手がかりに木造建築のよさを理解し,環境問題に目を向けることが必要である。
 本書では建築用木材の解説,ある家族の家づくり・森づくりの体験などを載せ,耐久性があり,地震などの災害に強い木造建築の考え方を示している。
 森林科学と木材の科学から解説し,実際の木造建物について,棟梁からの視点も取り入れながら,近年の家づくりの運動まで,幅広く木材の家についてビジュアルに構成している。付録に用語集などを掲載している良書である。木造建築のよさをあまねく伝え,講義などで活用していきたい。本書の刊行を機に,環境共生住宅に対する関心が一層高まることが期待される。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本東京の近代建築

2001/03/06 18:16

明治・大正・昭和と,連綿と受け継がれる近代遺産,東京の近代建築。建物ウォッチングの定番に

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 都市の再開発に伴い,歴史的に由緒ある建物が取り壊されている「日経アーキテクチュア」のような専門誌で特集を組み,関係者をはらはらさせる。日本建築学会などの専門家集団は,建物保存の要望を出す。このように,近代建築をめぐる議論が活発化し,まさに百花繚乱(りょうらん)状態である。
 旧丸ビル,青山アパートなど,近代建築は見るものを圧倒する。一方,新しい建築物がすべてとの至上主義があるのも事実。ただ,ここで立ち止まって考えたい。戦前の建物は地震に強く,景観面でも優れている。先人たちの偉業を軽視することは,我々のおごりではないのか。篠原修氏が,編集した「土木造形家百年の仕事」(新潮社)や本書を目にして痛感した。
 近代建築には,重みがある。古きよき時代にいざなう本書は,単に東京の近代建築を紹介するだけではなく,先人たちの息吹きを伝え,風土としてその地域に根付いている姿を映し出す。一種,「時の試練」に耐えてきた近代建築。建築学のなかには歴史系の研究者がいるが,この国を豊かにするかどうかは歴史系・意匠系の人たちにかかっている要素が大きい。
 そんな本書は,建物ウォッチャーだけではなく,広く,建築,土木系の関係者に薦めたい。モノクロ写真の深みが冴(さ)え渡る本書で取り上げた建物に秘められた無言の声。これを感じ取れる豊かな感性を取り戻し,この東京を見つめたい。建物の名称,所在地,交通アクセス,設計,築年といったデータに加え,深遠なる解説文が我々を未知なるノスタルジーの世界に導く。現代人はギスギスしがちであるが,建物と周囲の景観がマッチしている様子を肌身で感じ,潤いを取り戻したい。
 長寿命化建築,ライフサイクルの観点からも環境問題を考える上でも好書である。それぞれの構法や部材の特質を考慮した各種材料を使用することはもちろん,長寿命化に耐える建物の開発も望まれる。おりにふれて学生に伝えていきたい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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