保森千枝 さんのレビュー一覧
投稿者:保森千枝
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紙の本お米で新鮮イタリアン
2001/01/26 15:11
書評続き
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また、固くなってしまったご飯で作る超スピード・簡単リゾットなど、米を知り尽くしたプロならではの裏技を知ることが出来ます。冷やご飯をシーフードとドレッシングで和えた「海の幸の米サラダ」、冷やご飯にミートソースを混ぜてモッツアレラチーズを入れ丸め衣をつけて揚げた「米のコロッケ」など、手の込んだ料理が冷やご飯を使うことで手早くしかも美味しく作れるのは嬉しい限りです。その他スープにお米を入れたおじや風のものや残ったリゾットをカリカリに焼いたおやきなど目新しい料理も満載です。リゾットの中でも特に印象的だったのは、情熱的な赤色がエキゾチックな「ビーツのリゾット」。そのほか、イチゴの甘酸っぱい酸味と香り、そして淡いピンクがエレガントな「イチゴのリゾット」。香り高い「お抹茶のリゾット」。赤ワインベースにしたリゾットの上にウナギの蒲焼きを載せたうな丼仕立ての「ウナギのリゾット」など、和食材を使った創作料理が次々と披露され、リゾットの道は一つではないということを知って目から鱗という感じです。
締めのドルチェは北イタリアでは一般的なデザートを中心に紹介されています。牛乳で煮た米を使った「米のプディング」。甘いトルタ「マンマ・アダの米ケーキ」はヴェローナの伝統的なお菓子。甘く煮た米をベースにした「米のティラミスー」など、米のもちもち感となめらかな舌触りを生かしたドルチェの数々。
麺類好きの日本人にパスタ料理がすんなりと受け入れられたように、リゾットは米を主食とする日本人にはおじや感覚で人気のメニューです。本書ではリゾット以外に日本では出会ったことのない様々な米料理が紹介され、そのどれもが簡単で、その上「冷やご飯」や「ポロポロご飯」で本格的なイタリアンができるとなれば、すぐにでも作ってみたくなるはずです。著者のそれぞれの料理の解説やエッセイがエッセンスになっていて読みものとしても楽しい一冊です。
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