未来さんのレビュー一覧
投稿者:未来
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2007/07/01 17:46
真実を語り続けることの大切さを痛感する
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アメリカ下院外交委員会は、旧日本軍による「従軍慰安婦」問題で日本政府の公式な謝罪を求める決議を採択した。
自民・民主党など44人の「靖国」派議員が、ワシントン・ポストに、「従軍慰安婦」にたいする強制性を否定する全面広告を掲載したことが報道されていたが、事実さえも歪めようとするあきれた実態に憤りを感じる。
これらの議員は、「従軍慰安婦」問題だけでなく、「南京大虐殺」もなかったという主張を繰り返している。侵略戦争の誤りを認めず、正しい戦争だったとする「靖国」派の歴史認識にあきれ返ってしまう。
これでは「認識」の問題どころの話ではない。明らかな事実を認めようとしない理性なき者といわざるを得ない。このような人たちが、国会議員に何十人もいるというのだから驚きである。
本書には、元日本兵の証言がぎっしりと詰まっている。戦闘で人を殺してしまったという話ではない。無抵抗の人を殺した話、強姦したうえに口を封じるために殺害した話、「慰安所」の実態が生々しく語られている。
本名で語ることにどれほどの勇気があったことだろうと思わずにはいられない。無辜の住民を殺した話などなど、誰にも言いたくない思いもきっとあっただろう。
それでも、二度と同じ過ちを繰り返してはならない。人の命を粗末にする社会にも、人間にもなってはならない。だから真実を語り、二度と繰り返してはならないという叫びが聞こえてくる。
「人が人を大切に思えなくなってしまうのが戦争だ」
元兵士の話は語っている。
「慰安婦」を強制された人の心の痛みも苦しみもわかろうとしない人にどうして国民の命や生活を託すことができようか。
人の痛みも苦しみわからず、事実さえ捻じ曲げようとする人々に怒りを覚えずにはいられない!!
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