こうのしんさんのレビュー一覧
投稿者:こうのしん
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2007/08/06 23:56
衝撃の一冊
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この書物が、平成15年に書かれたというのにまず驚く。あまり知られていないように思えるのも驚く。世に出るのが遅すぎたんではないかと思う。平成18年のNHKアンコールスペシャル「日中戦争 なぜ戦争は拡大したのか」第61回文化庁祭テレビ部門大賞を見たとき、相変わらず旧日本兵が中国においての侵略と残虐行為を語っていた。彼らは自分たちの発言がいかに日本を窮地に追い込んでいるか、中国にいつの日か来るかもしれない日本侵攻の大義名分を与え、祖国のため戦死した死者をいかに苦しめているか、全く自覚がないように思える。報道する公共放送然りである。このようなマスメディアの戦後の報道は、東京裁判史観で常に動いていて、これら「日本悪しかれ」報道が「正義」と自負しているところがますますこの国を追いつめている。このような考え方を揺るぎないものとした一端は、やはり旧日本兵の証言であると確信する。この書物は戦後メディアが好んで流し続けた戦争中の日本軍の残虐非道証言が、昭和20年8月ソ連の侵入により満州にて捕らえた60万もの軍人、民間人から約1000人が選抜され「撫順戦犯管理所」らに収容され、中国により長きは10年もの間「思想改造」いわば「洗脳」され帰国した人たちの証言であるという驚くべき事実を世に問うものである。この書は戦後怒涛のごとく流された日本軍の残虐報道に「検証」という2文字が省かれていることを、日本人の将来の安全にとって非常に危険な段階にすでに入っていることを警告している。731部隊、強制連行、南京、ニューギニア、ベトナム等々での日本軍の行動、一切イデオロギーの入る余地のない丹念な検証がされているのである。
朝日新聞が報じた東部ニューギニア「母親が日本兵にレイプされ、食べられた云々・・」報道に対して、現地から生還の方の反論が胸をえぐる。「戦争の実態、戦争の悲劇も知らない者が、よくもこんな記事を書いたものだと憤慨に堪えない。現在自分が平和な日本で暮して居られるのは誰のお陰なのか。祖国のために散華した兵隊たちのお陰ではないか。・・地獄のニューギニアで散華した戦友達は、母のいる祖国に還りたくてもジャングルの土となって未だに帰れないのである。戦友の慟哭が聞こえて来る様な気がして筆が震えて書けない・・・」
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