保守派中学教師さんのレビュー一覧
投稿者:保守派中学教師
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本「教育改革」はなぜ失敗するのか 現場からの問題提起と真の改革プラン
2007/08/16 18:43
現場の教師が教育改革を唱えた著作の中では秀逸
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
江戸時代の寺子屋を高く評価するなど、深い歴史観と現代社会認識に裏打ちされた教育改革プランを、現場の教師らしくわかりやすく丁寧に書いた労作である。
教師の著作と言えば、ともすれば「こういう風に学校は荒れている」などドキュメンタリー的なものに陥りがちだ。しかし本書は、外国の教育改革の例も紹介しながら、より我が国の教育改革に適したものを模索するという姿勢が秀逸である。
ただ一つ。著者は「バウチャー制度」を導入すれば、保護者や子どもは学校選択の機会が与えられ、競争原理が働く。そうすれば能力のある教師が生き生きと活躍できる上、日本の学校教育が高い水準で均一化できると考えているようだが、やや無理があるように思う。学校選択の自由によって、息絶え絶えの地域の教育力が完全に崩壊してしまうと私は考えるが、そこについての明確な説得力は多くないと思える。
日本人のモラルの低下を考えれば「道徳教育特区」を提唱する著者の主張には、全面的に賛成する。
とにかく、教育に興味がある人には、是非一度読んでいただきたいと思う。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |