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モンタイユーさんのレビュー一覧

投稿者:モンタイユー

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本ドラッケンフェルズ

2007/10/19 14:56

たまにはこういうファンタジーがあってもいいと思う

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この小説には、伝説の勇者や伝説に残るような魔法使いが登場したりはしない(少なくとも味方には)。
現実の世界をモチーフにした疑似中世風世界オールドワールドを舞台にした本作は、世界を同じくするテーブルトークRPGやミニチュアゲームであるウォーハンマーと同様に泥臭いファンタジーと言うことができる。
世界観がそうなっているということもあるが、主人公側にずば抜けて強力なキャラクターがいない、というのもその一因だろう。
ヒロインたるジュヌヴィエーヴは吸血鬼ということもあって人間を超えた力を有するが、最近日本で流行っている弱点の少ない吸血鬼ではなく、昔ながらの陽光は苦手で、心臓に杭を打ち込まれれば滅びるし、ニンニクも得意ではない。さらには銀も毒になるなど、実に弱点にあふれているのだ。
決して頭抜けた英雄ではない人物たちが、1万年以上を生きる伝説の悪の魔法使いドラッケンフェルズを倒す、というのが本作のプロローグである。
本編はドラッケンフェルズ討伐から25年後に始まる。
討伐時一行のリーダーながら少年に過ぎなかった大公の息子オズヴァルトは、ドラッケンフェルズ討伐の一連の旅を劇として完成させるよう役者にして劇作家のデトレフに依頼する。デトレフは、かつての旅の英雄たち(オズヴァルトにジュヌヴィエーヴのほかに、盗賊王や踊り子、傭兵やドワーフの戦士など癖のある人物ばかり)から様々な話を聞きながら、劇の準備をしていく。
この劇は25年前の決戦の地であるドラッケンフェルズ城で上演されることになるが、リハーサルもかねて早めに到着した一行を不思議で恐ろしいできごとが待ち受けている。それでも、無事に上演日を迎えることができたが、一番恐ろしいできごとはその日に起こるのだった――
英雄による悪の魔法使い討伐をプロローグに押し込め、その後のことを本編に持ってきたという手法は、素直におもしろいと思う。しかも、そのドラッケンフェルズ討伐が、ただの劇中劇では終わらず、徹頭徹尾作品の中で重要な位置を占めているから、余計に興味を引く。
また、ドラッケンフェルズ討伐から生還した英雄たちも含めた登場人物はほんのわずかな出番しかないキャラクターですらもその人生を想像させるように描写されており、ややくどい表現に辟易しない限り一気に読めるだろう。
生き残った英雄が必ずしも幸せになれるとは限らない、というのも世のはかなさを感じさせ、少なくとも筆者には不快ではなかった。

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