仏法僧さんのレビュー一覧

江戸怪談話の入り口に。

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収録された話は京極夏彦さんが現代語訳したことでも有名な奇談集『耳嚢』や新井白石や滝沢馬琴などの知識人の著作からの出典で、実に様々なパターンの怪談話がコンパクトにまとめられていて、読みやすい作りになっています。

白髪の美女、平将門の怨念が宿る羽織、神々の夜祈祷、二十三年の時を
経ての因果…　などなど。

興味深いのはそれぞれの話が作り話ではなく、「実話」として語られていることです。

当時生活していた人々が、どのようなことを感じ考えていたのか、何に喜び、何を恐れていたのか？が垣間見えて、なかなか面白い内容です。