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カマチャンさんのレビュー一覧

投稿者:カマチャン

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紙の本「原発」革命

2008/12/14 11:24

「核兵器廃絶」 を言葉だけで終わらせない方法を具体的に示す本

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本の基本的論調は科学技術への信頼回復と平和志向です。

終章で、リリエンソール(水爆製造に反対して辞職したアメリカの核科学者)の主張を紹介しつつ、現在、科学技術への信頼が薄れつつある原因はウラン・プルトニウム系統の原子力に深入りしすぎたことにあり、科学技術への信頼回復には原子力に関する発想を転換しなければならないと述べつつ 「新しいより良い道を探し、再出発しよう」 との彼の言葉を引用しています。

「新しいより良い道」を原発の分野で求めた場合は「トリウム熔融塩炉原発」に行き着くと著者は述べています。
トリウムを使う原発からは核兵器が生まれないこと、液体燃料を使うので安全であること、小型化出来るので地球全体に普及することが出来ること、核兵器の材料であるプルトニウムを燃やして消滅出来ること、核廃棄物は極端に少なく出来ること、建造費が安いこと、トリウムは100年間くらいで使いつくして次のエネルギーは太陽等の自然エネルギーに変えるべきであると述べられていること等、素人が読んでも分かりやすくかつ著者の説得力が強いので読み進むうちに将来への展望が開けて行きます。

私はトリウムについては全く知らなかったので原子力発電とトリウムの関係について50年前までさかのぼって朝日新聞で調べたのですが著者が述べていることの歴史的裏付けを得ることが出来ました。1970年代にはプルトニウム路線を取るかトリウム路線を取るかについてアメリカで政治的に論争されていることを知って驚いています。日本はプルトニウム路線を取り“もんじゅ”の型の原発の完成を目指していますので核兵器の原料製造国の中で最も多くのプルトニウムを保有する国を目指していることも知りさらに驚いています。

国家間戦争での核兵器使用はここ63年間ありませんがテロリストが小型核兵器を使用するかもしれない時代となっている時に日本だけが大量のプルトニウムを保有する方向へと向かっていることに危機感を持つようにと促がされる本です。

「核兵器廃絶」は原子力発電所をウラン・プルトニウム型からトリウム型へと変えることによって実現できると述べられています。著者は科学者として原子力に長くかかわり40年にわたってトリウムの将来性を思索した結果をまとめてこの本を出し、また現在も現役として「平和な世界」実現のために核科学者として活動されています。

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