うえるカメ豊彦さんのレビュー一覧
投稿者:うえるカメ豊彦
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本わからないことは希望なのだ 新たな文化を切り拓く15人との対話
2010/02/23 14:27
今の日本と希望の両方が見える
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本は、15人の魅力的な人と日本語教師(春原氏)の対談本。
対談というのは、鼎談や会話と違って、一本の筋が見えやすい。
それだけに単調になりやすい面もあるが、15人との対談になると、
15本の線が、いろんなところで、絡み合い、面になって織られていく。
その結節点は「春原憲一郎」という、この自称ナマケモノの先生であり、
いつの間にか、この人の魅力的な生き方や伝記を読んでいる気にもなる。
おそらく、この先生は、
「目の前には日本語を学ぼうとしている学習者がいる
のじゃなくて、あなたと同じ『ひと』がいるんだよ」
とか言いながら、日本語教師を育てたりしているのではなかろうか。
そして、外国も日本も境目をつけず、途上国の立場と日本の地方を
重ねてみたりしながら、自分と他者との境もいたずらに設けずに、
他人事を「ひと」ごととして、自分に重ねて感じているのだろう。
そして、こうした精神の「自由さ」をすべての対談相手の方々にも感じる。
丁寧で濃厚な「脚注」は勉強になるし、参考文献リストもありがたい。
この本から、更なる世界が開けてきそうな、そんな希望も
湧いてくる、隅から隅までズズズいーっと滋養に富んだ
「わたしの伯父さん」的な魅力のある本。信頼できる先輩!
あなたもきっと、自分の現場でも何かしたい!と思えますよ。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |