サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. pluralityさんのレビュー一覧

pluralityさんのレビュー一覧

投稿者:plurality

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本

紙の本カルメン 改版

2010/02/24 01:15

恋愛と死と

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「恋愛の死を想わせるのは進化論的根拠を持っているのかも知れない。蜘蛛や蜂は交尾を終ると、忽ち雄は雌のために刺し殺されてしまうのである。わたしは伊太利の旅役者の歌劇「カルメン」を演ずるのを見た時、どうもカルメンの一挙一動に蜂を感じてならなかった。」

 これは芥川竜之介の『侏儒の言葉』のうちにある、「恋愛と死と」からの引用である。芥川が見たのは歌劇であるが、本書はその原作であるメリメの小説だ。

 ビゼーの歌劇『カルメン』はメリメの小説『カルメン』以上に世に知られていると言ってもよいかもしれないが、メリメの『カルメン』は歌劇のそれとはまた異なった魅力がある。たとえば、メリメがアンダルシアについて語る第四章は、歌劇には取りあげられていない。またメリメの文体そのものがホセとカルメンの沈痛な激情によって貫かれており、私たちの胸を締めつけるのである。
 
 そうした小説『カルメン』固有の魅力が描き出す、恋愛と死。本書は、その両者の悲劇的な関わりあいについて深く考えさせてくれる古典である。


このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。