Tomoyoさんのレビュー一覧
投稿者:Tomoyo
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紙の本友よ
2010/12/21 18:55
一篇の詩がもたらすもの
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一編の詩、一つのことば、一筋の涙。
人の生はそれぞれ固有で、歴史上初めての事業である「生きる」を、各々が推し進めていることに気づいている人は一体どれくらいいるのだろう。人生を美学化するのなら、例えば一幅の絵画、一編の詩歌、一つの音楽が記憶に刻まれ情景や人々とともに思い出されるのだろう。
著者の心の支えとなり、かけがえのない思い出となった詩歌たちが、わたしたちの一番奥深く、もっとも汚れのない場所へと直接的に語りかけてくる。貝殻の付着物のように日々の些事が膠着しつつも、一つ一つの殻のなかには決して触れられぬ魂魄があると、そう信ずることのできる著作である。
一編でも、一つでも、一筋でもよいから、この手に掴むことができるのなら、深く静かな眠りが訪れるだろう。
紙の本生くる
2010/12/21 12:39
生くることへの熱情とまなざし
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
いまこの瞬間を生きていると感じる人はどれほどいるだろうか。
戦後から日本人が惑い喪ったものはあまりにも大きい。はるか昔から脈々と続く「言挙げせぬ國」日本。
かそけき情感、慮る気持ち、死をいとわず潔く生きることを本作は思い出させてくれる。
決して変わらぬものがあるのだという喜びで心の灯が燃え盛る。
いまわれわれが惑う現代という時代へのアンチテーゼであり、より積極的に生きる力を与える。
この著作自体が生きたエネルギー体であり、一人一人を感化してくれるのだ。
さて、あなたはこの「生の完全燃焼」をどう実践するか。
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