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コラム

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2017年12月号


今月の特集は
『戦争と外交と日本人の気分』
『文庫で読めない名作』

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
気になった書籍はネットストアでご注文も可能です。
(※品切れ・絶版の書籍が掲載されている場合もございます。)

すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。





今月の特集(一部抜粋)



『戦争と外交と日本人の気分』

 なんだかスゴい勢いで世の中が動いてますね。誰がどう動かしてるのかよくわからないところは、正直、気持ち悪いんですが、とにかく先の総選挙では与党・自民党が大勝し、憲法改正の発議がかなり現実味を帯びてきました。先月、トランプ米大統領が初来日して、安倍首相と日米同盟の深化を高らかに謳いあげたことは記憶に新しいところ。とりわけ重要な話題となった北朝鮮と核兵器をめぐる強い言葉・厳しい態度は、日本のみならず周辺各国にも大きなインパクトを与えたことでしょう。
 いつ終わるともない「長い戦後」を生きてきた私など、日々の暮らしは何一つ変わらないのに、気がついたら突然「戦前」に立たされていたような、居心地の悪さを感じます。ほんの数年前まで、近隣国が発射したミサイルが、数十分で東京に降ってくる可能性なんて考えもしませんでしたし、それと同じくらい、憲法改正が具体的な政治課題にあがってくるとも思ってませんでした。勿論プロフェッショナルの中には見通していた人はいるのでしょうが、大方の皆さんは私同様「いつの間にこんなことになってしまったんだ」と思っていらっしゃるのでは?
 仕事柄、学生さんや読者の方から、「日本の政治外交を考える際に何から読み始めたら良いでしょう」と聞かれることが少なくありません。そんなとき、入門の一冊にお勧めしているのが山本七平さんの『「空気」の研究』(文春文庫:五〇 〇円)です。「空気の研究」「水=通常性の研究」「日本的根本主義について」の三部から成る本書が採りあげるのは、まさに「空気読めよ!」と言うときの空気で、場や世論を支配し一定の方向に導き、個人としてそれに抗うことが非常に難しい雰囲気や大きな流れを指しています。山本さんは、付和雷同しがちで同調圧力に弱い日本人のメンタリティの源を探るうち「空気」に行き当たり、独特の日本人・日本社会論を展開したわけですが、中国の共産党大会やトランプ氏の選挙キャンペーンなどを見ていると、じつはこれ、規模の差こそあれ、どこでも似たようなことは起きていて、結構、普遍的な話に思えてきます。それを頭に入れておくと、多くの事柄が意外とすんなり読めてきて、世界や歴史を見る上での補助線になってくれます。
 たとえばタックマンの『八月の砲声』(ちくま学芸文庫:上下巻とも一五〇〇円)を読むと、「これも空気だなぁ」と思わざるを得ない場面に何度もぶつかります。誰も戦争など望んでいないにも関わらず、ドイツ、フランス、ロシア、オーストリアなどプレーヤーたちがそれぞれの「お家の事情」から打った手が、事態を悪い方へ悪い方へころがしてしまい、あの凄惨極まりない第一次世界大戦を招来してしまう様を見ると、なんだか人間が可哀想になってくる、って結局自分のことでもあるんですけどね。
 第一次世界大戦については開戦一〇〇周年となる二〇一四年前後に素晴らしく研究が進んだので、そちらの成果をご覧いただくとして、その終戦から第二次大戦の開戦まで約二十年に及んだ戦間期、どのような「空気」がヨーロッパの国際政治を動かしたのか見る上で絶対に外すことが出来ないのが、E・H・カーの『危機の二十年』(岩波文庫:一三二〇円)です。戦争が終わると、その反省から創設された国際連盟を中心に、理想主義が勃興し、それは軍事力こそが国際政治における最終的・究極的なパワーだとするリアリズムの考え方と相剋を来します。モデルは一九三〇年代ながら、権力の本質、政治と経済の関係、国際法や条約など、国際政治の基本的論点が見事に押さえられていて、現代社会を分析する際にも欠かせない視座を得ることが出来ます。

2017/12/11 掲載

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