フェア 開催終了 丸善 京都本店
開催日時:2021年07月21日(水)~2021年08月30日(月)
第165回芥川賞・直木賞が決定致しました!
2021年上半期の芥川賞には、石沢麻依さんの『貝に続く場所にて』と李琴峰さんの『彼岸花が咲く島』、直木賞には、佐藤究さんの『テスカトリポカ』と澤田瞳子さんの『星落ちて、なお』のそれぞれ2作品が受賞となりました。
中でも当店が特にイチオシなのは、京都府京都市出身の澤田瞳子さんの『星落ちて、なお』(文藝春秋)です。澤田さんは、同志社大学の大学院で奈良時代の仏教の歴史を研究したあと、小説の執筆を始め、平成22年に『狐鷹の天』でデビューしました。その後も、歴史・時代小説を多く発表し、直木賞は今回、5回目の候補での受賞となりました。
受賞作の「星落ちて、なお」は、幕末から明治にかけて活躍した絵師=河鍋暁斎を父に持つ娘・とよの数奇な人生を描いた物語です。
不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れてしまい、河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっているのだった――。
偉大な父の影に弄されながら、絵師として自らの道を模索し続けた女性の一代記です。
当店では、B1文芸書コーナーと話題書コーナーにて、「芥川賞・直木賞」の特設コーナーをご用意しております。『星落ちて、なお』の他にも、京都が舞台となっている澤田さんの作品『若冲』や『火定(かじょう)』など、これまでの著作も集めておりますので、この機会にぜひご覧くださいませ。
2021/07/26 掲載