フェア 開催終了 丸善 京都本店
開催日時:2021年11月19日(金)~2021年12月30日(木)
【注目の新刊】『同志少女よ、敵を撃て』発売中です!
逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)は、第二次世界大戦時のソ連を舞台に、突如日常を奪われ、一流の狙撃兵になることを決意し、最前線の極限状態にほうりこまれた女性狙撃手のセラフィマの怒りや悲しみ、慟哭、愛が描かれ、何より戦争のリアルをその恐ろしさと共に感じさせる圧巻の作品です。第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作であり、史上初の選考委員全員が満点をつけた、驚愕のデビュー作でもあります。刊行前から書店員の間でも絶賛の声があがっていた注目作品が、満を持して発売となりました。
著者の逢坂さんは本書執筆について、「戦争こそは人類の宿痾にして最悪の行為であり、史上最大の戦争であった独ソ戦を描くことは、分不相応にも、現実に存在した「地獄」を描写する試みに他なりません。」とし、「(中略)戦争の地獄を描くことによって、地獄の無い世界への希求を表出させたい、という思いが、本作執筆の根底にあります。」としています。
その言葉通り、読んでいるとただその物語に惹き付けられるだけではなく、第二次世界大戦中に、ドイツで、ソ連で、そして日本で何があったのかということをただの知識ではなく、真に迫って、知りたい知らねばならないと強く感じる作品でもあります。また、それは過去のことだけではなく、現在も起きている戦争、そしてこれからのことを今を生きる私たちに強く考えさせてくれます。
特設コーナーでは、同じく従軍した女性たちの感情に焦点をあてた作品である、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』や、本書の冒頭にも引用されている大木毅さんの『独ソ戦』なども揃えました。無料冊子の「作品の魅力がわかる徹底ガイド」もご用意しておりますので、少しでも興味を持たれた方はお手にとってご覧ください。年齢も性別も関係なく、読みだしたら止まらない、一人でも多くの方にぜひ読んでいただきたい作品です。
2021/11/24 掲載