フェア 開催終了 丸善 京都本店
開催日時:2023年10月20日(金)~2023年11月30日(木)
【『同志少女よ、敵を撃て』に続く傑作!】『歌われなかった海賊へ』が発売となりました!
ソ連軍に実在した女性狙撃部隊をモデルに、少女たちの目線から第2次世界大戦の独ソ戦を描き、第19回本屋大賞を受賞した逢坂冬馬さんの小説『同志少女よ、敵を撃て』。前作から2年、待望の第2作目『歌われなかった海賊へ』(早川書房)がこのたび発売となりました!今作は、ナチ体制下のドイツで、「究極の悪」に反抗した少年少女を描いた物語です。(※前作の続編ではありません)発売を記念して、ただいま地下1階の話題書コーナーにて特設コーナーをご用意しております。差別や分断が渦巻く世界でどう生きるかを問う感動の歴史青春小説です。この機会にぜひご覧くださいませ!
『歌われなかった海賊へ』の舞台は1944年、ヒトラーによるナチ体制下のドイツ。密告により父を処刑され、居場所をなくしていた少年・ヴェルナーは、「エーデルヴァイス海賊団」を名乗るエルフリーデとレオンハルトと出会います。「エーデルヴァイス海賊団」とは、ナチ体制下唯一の青少年組織である「ヒトラー・ユーゲント」に反抗して、全国で自然発生的に生まれた少年少女たちのグループのこと。仲間となった彼らはやがて、市内に建設されたレールに不審を抱き、線路をたどり、その果てで「究極の悪」を目撃します。今作で著者の逢坂さんが描くのは、独裁体制を行う支配者たちと、その片方の極の政治的抵抗者たちのどちらでもない異色の「反抗者」たち。兵士でもない、特別な力を持つわけでもない言わば「普通の人々」です。それでも彼らは、大人が煽る愛国心や、強いる兵士としての理想、行う残忍な行為に対して目を背けずに、抱いた違和感をなくさず、自らの求める自由の元に生きようと、自分たちの考えを持って行動を起こします。どちらかが敵でどちらかが味方なのか?ナチスだけが悪だったのか?自分がもしその時代にそこで生きていたらどうしていただろうか?過去のこととしてではなく、差別や分断、それを排除しようとすることなど、今世界で起きていることにもつながる、さまざまなことを私たちに問いかけてくる心に迫る作品です。
特設コーナーでは、本書の監修をされたドイツ現代史研究者の田野大輔さんの共著者『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波書店)や、逢坂さんの実姉でロシア文学研究者・翻訳家の奈倉友里さんとの対談本『文学キョーダイ!!』(文藝春秋)もご用意しております。『文学キョーダイ!!』では、『同志少女よ、敵を撃て』執筆の裏側や作家という仕事について、戦争やこの世界について語られていますので、あわせてぜひご覧ください!
2023/10/31 掲載