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ディープな沼にLet's ダイブ!

夏野寛子トークイベント2021 イベントレポート

海外向け配信サイト「Futekiya」から見た日本のイベントとは!詳細イベントレポート第3弾

6月27日に、on BLUE10周年を記念して人気BL漫画家・夏野寛子先生のオンライントークイベントが実施されました!本イベントはon BLUE作家陣が約1年間かけてトークイベントを行う10周年記念企画「オンライントークイベントツアー」の第3弾で、トークショーは前回・前々回同様ZOOM上で行われました。

今回の司会は夏野先生の担当編集者・鹿さんで、トークショー開始と共に夏野先生(の代理の『25時、赤坂で』コラボカフェ限定アクリルスタンド)が画面に映し出されました!夏野先生のトークショー開催はこれで2年連続となり、「よければ実況用ハッシュタグの #夏野トーク2021 をお使いください!」と最初に案内が行われました。

もはや恒例となった投票コーナーの練習問題は「昨年の夏野先生のトークイベントも聞いてくださった方もいらっしゃいますか?」というもので、結果は「意外といらっしゃる」という事でした!当日の配信に加えてアーカイブや年末の再放送も行われたため、多くの夏野先生ファンが去年のトークイベントを視聴できていたようです。

まず近況について聞かれた夏野先生は「あまり変わらないですが、今コミックスの作業が色々終わったようなタイミングです。on BLUEの特集号も発売されまして、原稿〆切ギリギリのタイミングで鶏肉の低温調理に失敗して急性胃腸炎になるという大変恥ずかしい体調不良を発揮していたんですけど復活しました。鶏むね肉の低温調理は美味しいけど危ないです…!」とおっしゃっていました。鹿さん曰く、先生は『25時、赤坂で』3巻のために60ページの最終回に加え、小冊子・本文修正・カバーイラストなども執筆されたとか…!「完全に働かせすぎた」と鹿さんも認めるほどの原稿修羅場っぷりだったようですが、先生は「番外編は「描けてよかったな」と思ったものを小さいまとまりで出せる良い機会なので出せて嬉しかったです」と和やかに語っていました。

夏野先生についてのQ&A

今回のトークイベントにもファンからの質問が沢山送られてきており、夏野先生・鹿さん共に「夏野先生ファンは質問力が高い」と嬉しそうにされていました!

1問目は「夏野先生のお名前を拝見すると、夏の青い空と入道雲を連想して素敵だなあといつも思うのですが「夏野寛子」というペンネームの由来は何かありますでしょうか?」というものでした。先生の答えは「かっこいい由来はないんですけど、商業で漫画を書き始める前のハンドルネームに『夏』が入っていたので、それをそのまま使って『夏野』。下の名前はありきたりな名前にしたくて『寛子』。姓名判断のウェブサイトに『夏野』と打ち込んだら『寛子』という名前が画数的に良いよ…と言われたので『寛子』にしました」というものでした。『寛子』の『寛』の漢字が中性的なイメージなのも気に入っているそうです!

「夏野先生は季節の中で夏が一番お好きなのでしょうか?今までの作品では夏を舞台にした、清涼感のあるものが多かったので…」という質問に対しては「夏は好きですね!元々どの季節も好きですが、物語の中での夏がわりと好きで。あと私は寒さに激弱なのに暑さは平気なので、夏は結構快適に過ごせています。」と話されていました!

『25時、赤坂で』キャラの造形について

ここからは夏野先生の代表作『25時、赤坂で』についての質問が中心になってきました!
最初に出てきた2問は「羽山麻水と白崎由岐くんの名前の由来が知り たいです!漢字の意味と響きを重視してるのでしょうか?」「キャラクターを考える時、性格や設定はどの程度まで細かく考えているのでしょうか?」というものでした。

先生は「いつも名前の音を考えてから、自分の中でうまくハマる漢字を当てている」との事で、羽山さん・白崎くんに関しても同様だったそうです。なお山瀬一真に関しては「山瀬」という苗字以外にも「山崎」「山本」なども検討していたみたいです…!

佐久間くんの名前に関しては「友人の佐久間さんという方に「私の名前を漫画に出して!」と言われたので採用した」とのことで、彼の下の名前は当初決まっていなかったもののon BLUEで特集を組まれた際「フルネームを出して」と催促されたためサクッと「はじめ」に決めた…という経緯があったそうです。そのためドラマCD1巻の脚本にも下の名前が乗っておらず、声優陣も「下の名前がない…!」という反応をしていたとか…!なお、夏野先生がその顛末を友人の佐久間さんに報告したところ「なんで私の下の名前をもじらなかったの!?」と怒られたそうです(笑)

設定の作り込みはキャラによって異なっているため、『25時、赤坂で』の主要人物について先生からそれぞれ説明がありました!
羽山さんの設定については「あまり細かく決めた自覚はありませんが、性格や立ち居振る舞いはわりと最初から決まっていました」との事で、ちょっとマイペースでひょうひょうとしているイメージは最初からあったそうです。冒頭に彼が急に後ろから顔をぐっと近づけて喋ってくるシーンが良い例ですね!

白崎くんの設定は「データ的な細かさはあまりないものの、性格・立ち居振る舞い・表情は割と決まっている」イメージだったそうです。彼は「そんなことを本人に言わなくても…」と思うようなことを言ってしまうタイプで、上記の「は?羽山さん演技仕事しないんですか?ありえねぇ どうかしてますね」というセリフは最初から決まっていたとか!

佐久間くんのキャラ造形は「マイペースな人達の間に入ってたくさん喋ってくれる気さくな人」というイメージで行われたとの事です。「羽山と白崎の交際には全く気づいていない」と先生ご自身から注釈がありました(笑)

山瀬一真さんは夏野先生が「私はどんな当て馬が萌えるんだろう」と考えた結果生まれたキャラで、「生意気で物言いがストレートな人にしたかった」との事でした。そのような一面は白崎くんにもあるものの、白崎は天然なのに対して山瀬は「これは言っちゃいけないことだ」と理解した上でしゃべるタイプだとか!

『25時、赤坂で』作中でのあれこれについて

その後、『25時、赤坂で』作中の様々なシーンについて深堀りする質問が何件か続きました!

「3巻で麻水さんが由岐くんを三原さんのバーに連れて行くシーンがありましたが、いつも1巻を読み返したくなります…!あの伏線は最初から考えていたのでしょうか?」という質問への先生の答えは、「1巻で考えていた内容だったものの、書ききれないままだったので3巻で回収しました。1巻とつじつまが合っているかどうか確認しながら作画を行いました。3巻は三原さんを書いているのが一番楽しかったです。」というものでした!麻水さんにとって三原さんのバーは「来やすい場所」で、「自分のセクシャリティのこともあるし良い息抜きになっている」とのことです。

次の質問は「『昼のゆめ』『青い海の向こう』の劇中劇を見てみたいです!ストーリーは全話、全編 あるのでしょうか??いつか先生の漫画で読みたいです!」というものでした。夏野先生は両方のストーリーについてぼんやり考えており、「『昼のゆめ』は恋愛ものなのは決めているが起承転結は未定。先に設定を決めすぎてしまうと本編の台詞との齟齬が起きてしまうので、『昼のゆめ』はぼんやりと考えている中で台詞を埋めている感じだった」とのことでした。劇中劇の登場人物・リョウジと拓海は「脚本家の九重さんが書いている人物」という体で考えたので、自分で漫画の人物として書いてもそこまで萌えないのではないか…と思っているそうです…!

『青い海の向こう』はあらすじが決まっており、話のディテールも『昼のゆめ』よりは考えていたものの、最終的に羽山さんと白崎くんの話と上手く重なって面白くなる台詞が出るように…と逆算して作っているので細かくは決まっていないとの事です。なお『青い海の向こう』で山瀬さんに羽が生えたのは鹿さんの鶴の一声で、動物の羽を参考に描いたら舞台の人が背負う羽にしてはリアルになってしまったので「やりすぎたな」と思ったとか…

この質問に対する締めくくりとして、鹿さんが「劇中作についての夢は心のなかで羽ばたかせてください」とおっしゃっていました。これは実質「劇中作に関して好きに妄想していいよ」という公式からのお墨付きですね!(笑)

その次は「3巻の麻水さんの熱愛報道は由岐君の耳には入ったのでしょうか?三原さんの話に比べたら動揺は少ない気がしますが由岐君の反応が気になります。また、もし由岐くんの熱愛疑惑が出たら麻水さんは嫉妬しますか?どちらが嫉妬深いのか気になります~!!」という質問が読み上げられました。前半に対する夏野先生の答えは「羽山さんの熱愛報道は一部の羽山さんのファンが不安がっているくらいの規模感で書いていたし、この時の白崎くんは自分の舞台でいっぱいいっぱいだったので気づいていなかったと思います。また羽山さんには女性との噂が出ていましたが、白崎くんは羽山さんがゲイだとわかっているので女性との噂はあまり気にしなさそうです」というものでした。

後半の嫉妬のくだりに関しては「羽山のほうが色々気付くから嫉妬しがち。白崎は目の前に証拠を持ってこられないと気付かない」というコメントがあり、「白崎くんは羽山さんに対して「自分が相手にされている実感がわかない」という感じなので他の人のところに行っても「まぁそうかもな」と思ってしまうかもしれません。意外と自己評価が低そうです」という注釈もありました…!

次に出てきた「3巻で愛が重すぎるが故に白崎君に「舞台終わるまで絶対会わない!」宣言された羽山さんですが、最終的に白崎君からイチャイチャお許し令が出たのはいつ頃なのでしょうか?お土産にお茶を持っていった日は「麻水さんからはまだダメ」って言われてますが、お触り解禁されたタイミングを知りたいです~!!また、メールや電話などの連絡はしていましたか?」という質問については皆様気になっていたところかと思います…!先生いわく「お触りお許し令は「麻水さんからはまだだめ」の後けっこうすぐに出た」とのことで、連絡自体は意外と普通にしていたはず…だそうです。ただ「会ってくれる気配はないな…言い出そうかな…」という羽山さんの水面下の葛藤はあったでしょうし、一方白崎くんも「自分から言いだしちゃったからな…」と悶々としていたとか!futekiyaスタッフの私もこれを聞いて「この二人かわいいな…」と頭を抱えてしまいました(笑)

投票コーナー前最後の質問は「2人は夏デートでどこに行くと思いますか……?インドアなイメージがあるのでお出かけするならどこなのかなと気になります!」というものでした。
「芸能人だしお忍びなので、まるまる貸し切れる避暑地みたいなところに足を運ぶのではないでしょうか。海辺なり緑の多いところなり、土地がめちゃくちゃあるところでのんびりしていそうです。山奥の温泉などにも足を運ぶかもしれませんね!」という夏野先生からのご回答と共に、「羽山さんは意外と夏に強いですが、寒さにはめっぽう弱そうです。で、白崎に「寒い」とくっつこうとして「暑い」と文句を言われていそうな男です」という羽山さんの可愛いこぼれ話も聞かせていただけました!

投票コーナー&『25時、赤坂で』Q&A後編

ここで、みんな大好き投票コーナーが設けられました!
視聴者への質問は「久しぶりに重なったオフ日!麻水さんと由岐くんは もっぱらおうちデートが多いと思うのですが、おうちではどのようにして過ごしていそう、と思われますか?」で、選択肢は
1 料理
2 映画やドラマを観る
3 お互いが出ているバラエティを観る
4 ゲーム
5 ベッドで過ごす …の5択でした。

羽山さんと白崎くんは既に店舗特典の小冊子で1の「料理」はしていましたが、投票結果としてはベッドで過ごしてほしい人が多めで、意外と「2 映画やドラマを観る」にも票が入っていたそうです。「映画やドラマを見るシーンは漫画でも入れたかったんですが今まで隙間がなくて描けませんでした。今後漫画に登場させたいです」と先生もコメントしていました!

ここからの流れで、羽山さん&白崎くんの日常についていくつか質問が続き、キャラたちの毎日について様々なエピソードを聞くことができました。
以前アニメイトの特典小冊子で「寝相がアグレッシブ」と羽山さんに明言され、以降羽山さんにがっちりホールドされて寝るようになった白崎くんの現在の寝相については「最初のうちは時折ベッドから落ちたりしたかもしれませんが、最近は慣れておりこうに寝ているんじゃないでしょうか。恋人ができて癖が治っていくのっていいですよね!」という先生からのコメントがありました。

また「白崎くんが麻水さんの部屋に 来た時はお茶を出したり、ご飯作ったりとおもてなしをしていますが、白崎くんはどうなの でしょう。麻水さんが部屋に来た時、何か白崎くんなりのおもてなしがあったりするのでしょうか?」というチャーミングな質問については「白崎なりのおもてなしは何かあると思います。白崎くんはわりと人が家に来ることがあまりなくて、おもてなしの発想も元々なかったかもしれませんが、羽山さんの家に行くとお茶が出てきたりして学習したので冷蔵庫の飲み物を選ばせるくらいのことはできると思います」という回答がありました!

そもそも羽山さんが白崎くんの家に行くことがあまりないだろうし、羽山さんがごはんを買ってくることもあるだろうが、羽山さんが「何か作ってよ」とごねた場合は頑張って焼きそばなど作ってくれるかもしれない…という情報も出てきました。白崎くんの料理の腕は「フライパンいっこでできるものくらいなら作れる」感じで、羽山さんが作る料理で白崎くんが一番好きなのは「ポークピカタ」だそうです!羽山はピカタは生姜焼きくらいの感覚で作っているものの、白崎くんは「食べたこと無い!!!」と感動している…というイメージだとか。

また、ここで夏野先生は「先生は麻水さん派白崎くん派どちらでしょうか?」という質問に「佐久間くん派です!」と答えてくださいました。白崎くんと羽山さんに対してはそれぞれ思いはあるものの、「佐久間くんが一番物語に干渉してこなくて責任がないから一番書いていて楽しい。読者さんの目にどこまでとまっているかは不明だが、佐久間くんを描く時はテンションが上っている」のだとか…!

「羽山麻水さんのイメージには、ノルウェー版SKAMのヘンリクの要素が入っているとのこと ですが、白崎由岐くんのイメージモデルはいますか?」という質問に対しては、「ヘンリク本人をイメージしたというよりは、SKAMは雑踏の中からこっちを見ている人とふと目が合う…みたいなシーンがたくさんあって素敵だったので、そのイメージを羽山に反映させています。白崎も具体的なイメージはありません。白崎を描く時はモブサイコ100のモブくんの要素を思い出すようにしています。何か問うたら突拍子な答えが帰ってくるような、暖簾に腕押し感を入れたいんです」という答えがありました。

また「もし『25時、赤坂で』が実写化するなら、由岐くんと麻水さん、誰がイメージに近いですか?」という質問に対しては、羽山さんは最近見ていたドラマで素敵だったので岡田将生さん。白崎くんはあまりイメージが沸いていないが友人から佐藤勝利さんと高杉真宙さんの名前を挙げてもらったことがあるとのことでした。いつか実現されることを願うばかりですね!

ここで投票コーナーの第2弾が開催され、羽山さん・白崎くん・佐久間くん・山瀬さんの中で誰が一番お酒に強そうに見えるかの投票が行われました。

結果は
1位:山瀬さん
2位:佐久間くん
3位:羽山さん
4位:白崎くん
といった順で、16話の最後でふにゃふにゃになっていた白崎くんに関してはやはりイメージ通りだなぁ…という印象でした(笑)

夏野先生曰く「山瀬さんは酒を好んで飲みませんが、自分が美味しいと思う範囲でちまちま飲みます。飲もうと思えば飲めます」とのことで、先生・鹿さん共にお酒を全然飲まないため飲む人の感覚がわからないそうです。そのため『25時、赤坂で』の作中では先生たちが客観的に見ている飲み会の世界が描かれているのだとか!

「先生が扉絵を描く時は、各巻ごとにコンセプトを考えたりして描かれているのでしょうか?それとも扉絵はその時の気分とノリで描いてらっしゃるのでしょうか。」という質問への先生の答えは「3巻のおうちシリーズは見ての通りで、2巻も『二人ずつ、雑誌の撮影のようなイメージで』と決めて描きました。1巻と冬知らずは特に考えていなかったものの、受けと攻めが順番にきたり最終話は二人がいる絵にしようと考えたりはしました」というものでした。なお4巻については「全然考えていないかもしれない」のだとか…。今後の先生の扉絵に乞うご期待、ですね!

最後に、「3巻で一番気に入っている台詞」について聞かれた先生は「好きな台詞かどうかは微妙ですが、「思いついてよかった」と思う台詞は白崎くんの「情けなくて言えない」というものです。」とのことでした。絶妙な弱さが出ているものの読んでいてしんどさを感じませんし、他人がいる場だからこそ抑えめなのがいい塩梅ですよね!

ライブドローイング&先生の作業環境についてのあれこれ

ここで一度10分ほど休憩が入ったあと、夏野先生によるライブドローイングが開催されました!この時のチャット欄には「ほうじ茶入れてきました」「アイスとってきました」「今ごはん食べてきました」などの報告があがっており、和気あいあいとした雰囲気が漂っていました。

夏野先生は描きながらしゃべれるタイプなので、作画についての質問にちらほらと答えながらの進行になりました。どんな絵ができあがるのか鹿さんも全く知らない状態からのスタートで、見守っている私達もドキドキでした!

作画関係の最初の質問は「デジタルで描いているのですが、私もアナログ原稿に挑戦しようと思っています。夏野先生が原稿に使う画材を教えて下さい!」というものでした。夏野先生は丸ペン・Gペン・インクを使って作画を行っており、パイロットの製図用インクを大瓶から100円ショップのコンタクトケースに移し替えて使っているそうです。丸ペンはゼブラ製、筆ペンは「筆ごこち」を推しているのだとか!ミリペンについては迷走中で、画材屋で見かけたものをなんとなく買っているとのことです。

夏野先生は小さい頃から絵を描くのが好きで、幼稚園の頃は『魔法騎士レイアース』の塗り絵などをしていたそうです。絵の勉強をきちんと始めたのは美術大学進学前の高校2年生くらいの頃で、絵画関係の予備校に通っていたのだとか!

原稿の作画作業はアナログ・デジタル半々くらいで、ペン入れはほとんどアナログで描き、取り込んで必要に応じてデジタルで修正しているそうです。ラフ・最後の仕上げはデジタル中心なものの、デジタルでやっていると線が決まらずなかなか終わらないのが悩みだそうです。アタリを描いた時点で印刷してアナログでやったほうが早いのではないか…などと考えながらやっているのだとか!カラー原稿は大体薄い色を塗り重ねるようにして塗っていて、水彩で絵を描くとなかなか後戻りができないため、描き終えたらまず一晩寝かせて翌日チェックするのがルーチンだそうです。なお原稿作業中は「描きたくないところは飛ばして描きがち」で、「どうせ後から自分で描かないといけないのに背景が必要な絵や全身絵が必要なコマは後回しにしている」そうです…(笑)

また、夏野先生のしんどい時の乗り越え方やリラックス方法についてもライブドローイング中にお聞かせいただけました。先生はちょっとしんどいくらいの時は料理をちゃんとするように務めたり、部屋を綺麗にしたりして、暮らしをちゃんと立て直すところから平穏を取り戻そうとするそうです。お手軽なリラックス方法としては「いい匂いは人間にいい影響を与える」とわかってきたので、ハンドクリーム・お風呂/お茶などでリラックスする習慣をつけているのだとか。ただ「本当にしんどい時は友人に話を聞いてもらうのが一番」との事です!

「ひるのゆめ」のインスタアカウントから羽山さんと白崎くんが生配信をしている絵で、白崎くんの「よくわからないけどやってみるか」みたいな顔が印象的です。「1巻の白崎はエゴサの概念すらわからなかった男なので、羽山がいないと配信すら覚束ないかもしれない」という先生のコメントも興味深かったです!

『アバウト ア ラブソング』について

Q&Aの第3部では、夏野先生がfrom Redで電子連載している『アバウト ア ラブソング」という作品についての裏話もお聞かせいただけました!バンドマンの星名×バイト先の高校生・瀬戸くんが織りなす年の差ラブストーリーで、二人のもどかしい恋模様がなんとも甘酸っぱい作品です。

星名さんとバンドメンバー(京ちゃん&豊さん)の出会いや結成秘話について聞かれた夏野先生は、「京ちゃんと星名は高校の同級生でバンドを組んでいたものの、京ちゃんは真面目なところがあるので星名の度重なる遅刻に怒って解散。ただ卒業後もそれぞれバンドを続け、先に豊さんと出会った京ちゃんが他のバンドで上手く行っていなかった星名を「癪だけど誘うか」と勧誘した…というのが現段階での設定です」と語ってくださいました。ドラムの豊さんだけ少し年上だろうと思って描いているそうです!

また、星名さんのようなちょっと(?)残念な感じの男の人を主人公にしようと思ったのは「羽山のせい」との事です…!羽山さんもいい奴だとは思うものの「もっと情けなくて残念な攻めを描きたい」と思ったのがきっかけで星名さんというキャラが生まれたそうです。

イベント終盤、そして夏野先生のバースデー

トークイベント終盤では、夏野先生についての質問が再びいくつか飛び出てきました! 「前回のトークイベントでお好きな飲食物としてお茶を上げてらっしゃいましたが、他には何がお好きなんでしょうか?」という質問に対する先生の答えは「最近は突然水をメッチャ飲むようになりました。浄水ポットを手に入れたので、暑くなってからは水ばかり飲んでいます。好きな飲食物は唐揚げ・コーンスープ・生クリームですね。冷たい飲み物はあまり飲めないんですが、生クリームが好きなので調子がいい日にスタバに行くとフラペチーノを飲みたくなります」というものでした。

「今1つだけ何でも手が入るとしたら 夏野先生は何を望みますか?」という質問に対しては「健康な体か、つらくない死に方を選ぶ権利」という真面目な回答が出てきたものの、「己の健康は自分で頑張り、「岡田将生さんを羽山役での実写化」を願う感じでもいい」というコメントもありました!

次の質問は「夏野寛子先生の 誕生日を教えてください!」というものでしたが、なんと答えは「トークイベント開催当日」でした!ここで鹿さんが送ってくれたケーキが出てきて、チャット欄がパーティー状態になりました。
鹿さんいわく「「生放送中にケーキがサプライズで届いたらいいけど」と思ったものの、夏野先生が宅配をスルーしたら終わりなので…と事前に送る感じにした」そうです。これはただの偶然なのですが、丁度このタイミングで別の宅配便が夏野先生のところに届き、参加者一同とても驚きました…!

最後の質問は「3巻ラストの「甘やかしてこーぜ」、2巻 の「麻水さん断ち」等...何気ない単語や会話が萌えなのですが、一体どうやってこのような絶妙に可愛い会話を生 み出しているのでしょうか...!」というものでした。先生は人の会話を聞くのが好きなせいか、こういう会話は結構さらっと思いつき、思いついたので描いている…という感じだそうです。「麻水さん絶ち」「甘やかしてこーぜ」などは少しふざけた会話ですが、可愛いと思っていただけて何より…というコメントをいただきました!

鹿さんは「するっと出てくるというのは編集としてはちょっとびっくり。恋愛の甘い雰囲気の台詞を流れを壊さず入れられるのは夏野先生のセンスの賜物」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりだと私達も思います!

「トークイベントにご参加いただき、誕生日まで祝ってくださってありがとうございました!楽しかったです。去年もやったんですけど、今年もリアルタイムで読んでくださってる方と交流する機会をいただけて幸運だなと思っています。あと漫画をそもそも読んでくださってありがとうございます! 漫画を書くことでお返しするしか無いんですけど、楽しいものをかければと思うのでお付き合い頂けると幸いです。よろしくお願いいたします!」という先生の読者へのメッセージをもって、第2回・夏野寛子先生オンライントークイベントは幕を閉じました。
夏野先生、鹿さん、本当にありがとうございました!

©夏野寛子/祥伝社 on BLUE comics

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