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Season 25 “広がるBLの世界☆新しい扉を開いてくれた作品”

この作品がきっかけで苦手だったおじさんBLを数多く読むように!(桃子)

『恋が落ちたら』作:上田アキ

BLには、様々なジャンルや属性があって、好き嫌いは人それぞれですよね。
私の場合は、おじさんBLが苦手でした。

おっさんの恋愛を読むぐらいなら、若い人のカッコ可愛いキュンキュンするお話を読みたいって思っていたんですよ。自分がおばさんだから、おじさんのイメージあんまり良くなかったので。

ところが!!
そんな私の概念を覆してくれた作品がありました。
それが、上田アキ先生の『恋が落ちたら』です。

これはやばい!!やばすぎる!!
この作品に登場するおじさん・菱本孝史(ひしもとたかふみ)が、色気がありすぎ&カッコよすぎなんですよ。しかも、可愛い部分まであってキュンキュンさせてくれる!!

まずは、ざっくりストーリーからご紹介しますね。

オカン系のゲイ・伊瀬佑樹(いせゆうき)が、彼氏とケンカしてフラレてしまいます。
そして、落ち込んでいた彼の頭に、なぜか洗濯したパンツが落ちてくるのですが、そのパンツを落としたのが菱本でした。

その後、伊勢がその場所を通りかかるたびに、木に引っかかっている洗濯物が増えており…
ある日、菱本と偶然再会した伊勢は、洗濯物を取るのを手伝うことにします。

さらに、散らかし放題だった菱本の部屋を片付ける展開になったうえ、菱本が「おじさんには興味ないでしょうか?」とアピールしたことで、ふたりの付き合いが始まります。

ノンケでバツイチのイケてるおじさんと、恋に臆病になってしまったオカン系ゲイのお話です。

私がこの作品を購入した理由は、おじさんの菱本ではなく、オカン系ゲイである伊勢のその後を知りたくなったからでした。立ち読みしただけでは菱本の良さはわかりませんし、もともと辛い想いをした主人公が溺愛されて幸せになるストーリーが大好物だったので。

ところが、いざ購入して読んでみると、すぐに菱本の素敵な部分が次々と描かれていくんです。
作中で伊勢が思っているのと同様に、さりげないカッコよさとか、スーツ姿が妙に素敵だとか、話すセリフがキザっぽいのに嫌味がないとか…

さらにストーリーが進むと、菱本の魅力はより目立ってきます。

特に、伊勢の気持ちを汲み取ってフォローするシーンは、めっちゃトキメキますね。
ふたりの関係が会社にバレたってどうってことないと言ってのけたりして、さすがって感じ。
当然ながら、恋に臆病になり終わりばかりを考えて逃げ腰だった伊勢は、菱本の言葉で前向きになっていきます。

しかし、カッコいいところばかりではありません。
菱本の弱い部分や必死な部分も、ちゃんと描かれています。
どれだけ伊勢のことが本気で好きなのかってことも…

それもまたジーンと心に響くんですよね。
ストーリーが進むほど、前半とは違った表情がたくさん見ることができるし、色気全開で最高!

一方、伊勢ですが…
彼もまたとっても良かった!!

主婦としては共感できる部分も多く、「わかる!わかる!」なんて思ってました。
家事って大変なのに、やってもらってる側は当たり前だと感謝してくれないことが多いし。

伊勢もオカン系ってぐらいですから、ついつい面倒を見てしまったり、相手のことを思って口うるさくなってしまった結果、フラレてばかり。
しかし、菱本はそんな彼の良さをちゃんと見ています。

真面目で優しくて情の深い伊勢だったからこそ、ビジネス思考だった菱本の心を大きく変化させたということでしょう。

一番最後に、ふたりのパンツを水洗いして笑っている伊勢を見て、菱本が思っているセリフがあるんだけど…この最後は、毎回読むたびにホロッとしちゃいます。
ぜひ、実際に読んで、あのセリフで感動してみてください。

そして、この作品には続巻も配信されています。
タイトルは、『恋が満ちたら』です。

同棲してラブラブなふたりだけど、だからこそ仕事が忙しすぎる菱本が無理してしまうお話。
この作品とはまったく違う菱本や伊勢の顔がいっぱい!
お互いを好きすぎてしょうがない…ということがたっぷり描かれています。

どちらの作品も、全然タイプの違う菱本・伊勢ふたりが、お互いの良さを理解して信頼し、相手をとっても大切にするお話です。読後感も最高!
大人同士の素敵なラブストーリーですね。

おじさんBLが苦手だった私も、この作品がきっかけで今では数多くのおじさんBL読んでいます。
カッコいいおじさんや可愛いおじさん作品を探すのも、楽しみになりました♪

この作品に出会えて良かった!!

▼作品詳細はこちら!

人外×ホラー×青春ストーリー。ぜひこの新しい扉を開けていただきたい!(さえきん)

『光が死んだ夏』作:モクモクれん

いきなりですが、BLって『新しい扉』の無限ループですよね?w
私も読み始めは王道の学生BLを楽しんでいましたが、それが社会人BLに広がり、年下攻めやクズ・ビッチ、最近はバース系まで‥‥もはやオスが2体揃えば萌える仕様に(笑)

そんな年々広がるBLワールドの中から、今回は2022年のニューフェイス、モクモクれん先生の『光が死んだ夏』をご紹介させていただきます。ジャンルとしては「ホラー」「人外」になるかと思いますが、「アッ、もう生き物としての形がなくても萌えるんか……」と読者を新たなステージに誘ってくれる作品です( ◠‿◠ )

作品の舞台は田舎の集落。幼馴染DK よしきと光の放課後のシーンから物語が始まります。何気ない日常のやりとりが続きますが、よしきの心には光に対するある違和感が…。半年前に光が山で行方不明になり、その後無事に生還して以来感じていること―それは、「お前やっぱ光ちゃうやろ」。よしきの投げかけに対し、言葉を詰まらせる光。すると光の顔の半分が崩れ、触手とも体液とも違う異質な『ナニカ』が姿を現し―?!

発売即重版の話題作です!表紙からしてすでにちょっと怖いですよね。真っ青な空色に、笑顔だけどどこか影のある光、そして極めつけはこのタイトル!

タイトルのとおり光はすでに亡くなっていて、山から生還したと思われた光は、実は光とすり替わった『ナニカ』であることが判明します。ただし、そのことに気が付いているのはよしき一人。現時点でBL要素は薄めですが、光の形をした『ナニカ』がよしきに向ける目線、光の死を知りながらも『ナニカ』のそばに居続けようとするよしきの姿から、それぞれの想いの強さが伝わってきます…!

“光の体を乗っ取った”という事実だけ聞くと悪く思われがちですが、『ナニカ』が懸命に光を演じようとする姿、過去の記憶によるものなのか、特別な存在としてよしきを意識している姿がなんとも健気なんですよね。一方よしきは、そんな『ナニカ』とそれを受け入れてしまう自分自身がどこまでも空虚で不条理で…。日常のすぐ隣にある禁忌というか、不穏な空気がまとわりつく感じが見事に表現されていて、思わず引き込まれてしまう作品です。

ちなみに、人外ならではの体の描写もあり、一見不気味なシーンなのですが一周回ってエロさもあります!!(力説)

タイトルがもう全てを表してしまっているので、この先どんな展開になるのか、BL描写を含め期待大です!ただ、軽い気持ちで読み始めると、思いの外“ちゃんと”怖くてびっくりするかもしれません。試し読みで怖さを確認してから、夜ではなく昼に読まれることをオススメします(笑)

数少ない「人外」×「ホラー」×「青春ストーリー」。ついつい作品選びがマンネリ化してしまっている方に、ぜひこの新しい扉を開けていただきたいです!

▼作品詳細はこちら!

新しい世界の先にはさらなる楽しみがまっています!(まみco)

『レムナント―獣人オメガバース―』作:羽純ハナ

私がBLの扉を開いた時、それは楽しく深――い沼への入り口でした。そしてその沼にはさらに様々なジャンルの作品がありました。私も最初は現実世界に近いお話ばかり読んでいて、ファンタジー系のような現実離れしたBLには抵抗があったのです。さらには特定の設定はどうしても受け付けられないことがありました。そんな時、新しいジャンルへの扉を開いてくれた作品としてご紹介したいのが、
羽純ハナ先生の『レムナント―獣人オメガバース―』です!!

このお話はタイトルにもあるように獣人が住む世界のお話です。しかし獣人と一口に言っても、例えばいつもは獣の姿だけど人型にもなれると設定もあれば、基本人型でしっぽが生えてるよといった場合もあり、色々なタイプがあります。私は当初“顔が人型ではない”タイプのBLにはすごく抵抗がありました。特にラブラブなシーンがどうしても感情移入できなかったのです。しかしそんな私の心の扉を開けてくれたのがこちらの作品でした。

お話の舞台は、人間と獣人が共存し、男性も出産することができるオメガバースの世界です。オメガバースも様々な設定がありますが、この世界では獣人を産めるのは人間のΩ(オメガ)だけ。そのため、人間と獣人は関わりをもつ必要が出てきます。
主人公のダートは、両親を亡くし妹とともに教会に引き取られ暮らしていました。ダートも妹もオメガです。オメガの子は、18歳頃オメガ特有の症状である「発情期」を初めて迎えると、教会が決めた嫁ぎ先にいかねばならない決まりでした。そのためダートは妹と独立して暮らせるよう身を売って暮らしていました。しかしある時ダートは教会が発情期を迎えたオメガの子どもを闇ルートで売っていることに気づくのです。そのため一刻も早く妹と教会を出ていくため危ない仕事に手をだしてしまいます。その仕事をしているとき運悪く初めての発情期を迎えてしまったダート・・・そこに黒い狼の獣人が現れます。

ダートの目の前に現れた獣人の名はジュダ。このジュダがお顔は完全に狼なのですが、羽純先生のパワーで怒ったり困ったり可愛かったりと人間のキャラと同じくらい感情移入できるキャラクターなのです。そのためずっと苦手な設定だったはずなのに気づいたらページを進める手がとまらない!新しい扉がひらいた瞬間でありました…。
ジュダは貴族ですが、貴族の中ではアウトローな存在です。色々めんどくさそうにしていますが、行動や感情に芯が通ったイケメンなんです。そしてダートも、最初はいきがってる少年だったのに段々と艶っぽくなって…。ネタバレしすぎそうなのでこのあたりでやめておきます。笑

こちらの作品は、キャラクターとストーリーがとても魅力的なためジャンル関係なく楽しむことができると思います。そして人間と獣人という異なる種族が交わらない限り新たな獣人が生まれないというのもお話がとても深まる設定だなぁと思います。人と人だって違うもの同士理解しあうのは大変なのに、人間と獣人が理解しあうのはきっとさらに大変なはずで、そこに種族を超えた愛が生まれた日には感動の嵐が吹き荒れます。

ちなみにこのお話は、『ペンデュラム―獣人オメガバース―』のスピンオフです。私は偶然レムナントから読みはじめましたが、どちらから読んでも楽しめるはずです♪
両方読むとキャラクターの世界が広まりもっと楽しめること間違いなしですよ!

『オメガバース』『獣人』にもし抵抗をお持ちの方がいらっしゃったらぜひ読んでみてください。ジュダのイケメン具合もダートのセクシーさもここには書ききれません!新しい世界の先にはさらなる楽しみがまっています♪

▼作品詳細はこちら!

おじ様同士のBLをもっと摂取したくなる!(森臣)

『じじいの恋』作:黒江S介

BL漫画は個性的な作品が多いジャンル。それゆえ、予想だにしなかった出会いを経て沼が広がる――なんてことも珍しくはありません。今回は私がBL漫画に新たな可能性を見出すきっかけとなった『じじいの恋』をご紹介します!

宇治家拓朗は10才のとき、いじめられていた自分を颯爽と助けてくれた浅霧源太に一目惚れしました。しかし、拓朗の猛アタックに源太は一切なびかず、高校卒業を迎え、それぞれ別の人生を歩み出しました。物語の舞台はそれから約60年後。再会を果たした2人は公園で頻繁に長話をする関係になります。拓朗の気持ちは十代の頃と一切変わらないまま、むしろ加速が止まらない!!源太につれない態度を取られてもお構いなしでガンガン愛を語ります。

『じじいの恋』は、タイトル通りシニア世代の2人を描いた恋物語です。若者とおじ様が付き合うBL漫画はたくさんありますが、七十代のおじ様同士が主役のラブコメって斬新じゃないですか?しかもアタックしている側の拓朗が家庭持ちで源太は独身。さらに拓朗の孫・征志郎も2人の関係を応援しています。拓朗は源太が好きすぎるあまり、キスはおろか手を握るのが精一杯な「親友どまり」なのも、源太を「源ちゃん」と呼んでいるのも可愛すぎてキュンキュンします!!

また、ギャグテイストでクスッと笑えるシーンが多いのも魅力の1つです。源太は小説家なのですが、その編集者を恋人だと勘違いした拓朗が空回りしたり、街中で見かけたカップルと同じことをやったら介護だと勘違いした通行人から心配されたりします。若い頃のエピソードが充実していて読み応えがあるのも嬉しいポイントですね。出会いから高校卒業までの青春の日々にもドキドキしますよ。源太から肝試しに誘われた拓朗が、かっこいいところを見せたかったのに真逆の結末になってしまったシーンが特に印象的でした。普段はキメ顔で口説いている拓朗とのギャップがチャーミングでめちゃくちゃ萌えましたね……。

シニア世代が面白おかしい、そして時々ほんのちょっぴり甘い?日常を過ごす『じじいの恋』。皺の描き込みが細かい、あるあるネタが含まれているなど、黒江S介先生のシニア世代に対する解像度の高さにあなたもきっと舌を巻くでしょう。これを読めば、おじ様同士のBLをもっと摂取したくなるはずです!!コミックスは2巻まで発売されていて現在も連載中なので、一緒に拓朗と源太のことを見守っていきましょう。

▼作品詳細はこちら!

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