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紙の本
数学嫌いなあなたを癒してくれる一冊
2009/01/04 11:45
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズの惹句は「なんで中学生のときにちゃんと学ばなかったんだろう…」だが、おそらく多くの人がその筆頭にあげるのが「数学」ではないだろうか。だから、大人のための新しい教科書シリーズ「おとなの楽習」の、堂々たる第一冊目。
反省と後悔と再挑戦の気持ちで読み始めたが、やはり「数学」の壁は頑強であった。
たぶん「数学」が好きな人にはどうってことのないことが書かれているのだろうが、冒頭から「単項式」とか「次数」とか、「数学」嫌いにはもう渦巻き状態である。
しかし、もう私はこどもではない。
解けなくても、理解不能でも、どんどん進むことができる。
「通分」「約分」の森を抜け、「素数」の風をよけ、「二次方程式」の谷を渡る。そして、巻末の「おわりに」という湖にいたる。
ここは穏やかな場所。もう数式はない。
著者の土井里香さん(今回も著者のことを調べた。学生時代に数学を勉強されているようだが、やはり詳しい略歴は出版社できちんとフォローしてもらいたいという注文は以前同シリーズの書評でも書いたとおり)もこう書いている。
「数学の解答は、あくまでも解答例です。命にかかわったり人を傷つけることにつながらなければ、正解にたどり着けなくても自分を責める必要はありません。そこに至るまでにどんなふうに考えたかということこそ、数学の本質なのです。正解は後からついてくるおまけです」(155頁)。
「おまけ」というのが実にいい。
「数学」嫌いな人でも、めげない一冊である。
「なんでおとなになってもちゃんと学べないんだろう…」という反省つきではあるが。
◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。
紙の本
数学を一冊で?
2008/06/06 01:47
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミドルなサラリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学数学を一冊でおさらいするという面白い企画の本だが、
やっぱり無理だった。そもそも学校の教科書三冊並べただけで
もそれなりの分量があるのに、一冊で、それも150ページ程度
で説明できるわけない。そこが減点ポイント。
しかし、内容を見てみるとなるほど、正負の計算、平方根、方
程式など中学で習う中でも基本的なものにしぼってあり、取っ
掛かりとしてはありじゃないかと思う。うちの子に読ませて理
解できるかどうかは分からないが、大人向けの解説(教科書に
はないようなオリジナルな解説)がところどころにあるのも面
白い。大人向けの教科書とはよく言ったもんだという気もする。
願わくば練習問題でもつけてくれれば使いやすくなる気もす
るが、紙面の幅・量からは期待す方が無理か。中学レベルのお
さらい・大人の問題集なんて出たらそれはそれで面白いのだが。
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