紙の本
歴史上の人物にとっての歴史
2022/12/09 06:13
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投稿者:ないものねだり - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイモンは人間不信家。同盟の哲学者が存在する。イギリス・ルネサンスに分類される作家が扱う古代ギリシャ。
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シェークスピア悲劇の最後を飾る。
忘恩は罪だという話。
全体に不安定な構成。
エリス=ファーマーの「未完の戯曲」に同意する。シューベルトは未完成交響曲についてこう語ったそうそうだ。
「我が恋の終わらざるがごとく、この曲も終わらざるべし」
なお、ファーナムは、「深い傷のある」主人公と評する。傷があるからこそ、主人公たりえるという「逆説的な高貴さ」を持つという。
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初・真面目シェイクスピア。話の謎が多く残ります。本来はもっと長い作品なんだけど、随所随所で抜け落ちてしまっている感じ。
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気前のいいタイモンが財産をすり減らし、孤独に狂い死にする話。どん底に堕ちるところがリア王、追放されたのちに復讐するあたりがコリオレイナスの要素が垣間みえる。トロイラスとクレシダの要素もあるらしいが、あいにくトロイラスの記憶がほぼない。。。いずれにしてもハムレットなどと比べると作品としての完成度は低い。
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アマゾンでシェイクスピアの本を検索していた時に、聞いたことなかったので読んでみた本。シェイクスピアは運命の皮肉のような物語が多いが、これもそう。
ネタバレだか、財産をシコタマ持っているときは、周りの人に景気良く振る舞っている。その時は神よと崇められ鷹揚に接しているが、いざ散財して貧乏になりどの友人も助けてくれぬと知るや、鬼のように人を呪い世を捨て、暮していた街が滅ぶことを願うと言う話。
財産に限った話ではないが、人間浮き沈みにより周りに寄ってくる友人が増えたり減ったりもする。賞賛されている時にこそ、自分や周りを見る目が試されるが、登場人物で横柄だか率直な、全ての人を腐すアペマンタスが実はその目なのではないかと思う。
浮き沈みによる皮肉だけでなく、皮肉な視点で人を冷静にみている、アペマンタスの存在を登場させているところが面白い。人を腐すような視点もときには心の声として必要なのかもなあと思った。
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タイモンは両極端な人物である一方、現実を直視せず自分の世界に逃避する姿勢は物語全体を通して変化しない。前半は人々に大盤振る舞いをする慈善家のように見えるが、執事の財政報告に耳を貸さず、また施しをする相手を見極めようともしないのは一種の傲慢というか、心が世界に対して閉ざされているのではないか。後半では「中庸を知らない」と言われるが、彼には現実を直視する目も欠けていると思う。
現代版でSNSいいね中毒みたいなアレンジをしたら面白いかも。
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書店で見かけて衝動買い。シェークスピアによる「お金」をめぐる悲劇と言ったら良いか?他の有名作品と比べると、かなりアラの目立つ内容で何とも評価し難いところがある。やはり色々と研究者の間でも議論のある作品のようで、巻末の解説の内容も興味深いものだった。
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リア王のような主人公を創作したかったけど、タイモンにはリア王には備わっていた威厳が欠けていて馬鹿すぎるので放棄したのかな?
シェイクスピアの研究者の中にも、アテネのタイモンをリア王の最初のスケッチだとか、死産した双生児だとか読んだ人たちもいたみたい。
時代的な背景もあって、シェイクスピアの戯曲は基本的に女性を見下しているけれど、アテネのタイモンは一際ひどい。
何もかも失って、友達すらじつはいなかったことに気づいて、現実を見据えて現状を改善する能力は彼にはないので、とにかく女性に八つ当たりをしていたのか?とにかく馬鹿な男だ。