紙の本
長野まゆみ氏の作品4編を収めた貴重な作品集です!
2020/06/03 11:56
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、小説家の長野まゆみ氏の作品を4編を収録した書です。長野氏は女子美術大学でデザインを専攻されていたこともあって、自作の表紙などを描くイラストレーターでもあります。同書の表題作「天球儀文庫」は、二人の少年のちょっと不思議な日常、街の風景、天体、色彩、食べ物など、何気ないものが生き生きと描かれています。こうした描写が読者を惹きつけてやみません。宵里とアビの友情に加え、移りゆく季節の情景が素晴らしい連作です。
紙の本
幻想と少年と実感
2017/01/14 18:32
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投稿者:s.Izumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
長野まゆみさんの初期作品。2人の少年のストーリー。
まず、情景描写が美しい。建物は人々を誘い、空はものを語り、音楽は色彩を帯び、その世界は幻想的なのである。しかもその幻想は読者に寄り添い、体感として味わうことができる。
そして、2人の少年が、初々しく軽やかで、しかし確かな質感をもって過ごしていく。そのビー玉のようなきらめきやシャーベットのような歯触りが、愛おしく心地よい。
読了後は、幻をたゆたった浮遊感と、現実を歩もうとする期待感を、合わせて実感することができる。
1990年代前半に書かれた小説だが、その美しさとエネルギーは今も色褪せていなかった。
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長野まゆみ作品は、90年代のものが好きです。最近のは少年が出てこなくて寂しい;
アビが可愛いですよ・・・!構ってもらえなくて拗ねるとか・・最高☆
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ケンタウリ・プロキシマ。“星の名前”を教えてくれた宵里という名の少年は、
いつもアビを魅了してやまない。ソォダ水のはじける音、天使の枕、流星群
の観測…秋の新学期から、翌年の夏期休暇まで、二人が過ごした一年
足らずの日々を描く。幻の初期作品四冊が、今一冊になって甦る。
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アビと宵里の二人の少年の日常のやり取りという、作者が得意なパターン。
夜の映画会の雰囲気が素敵。
女とは違って、男の友情は表面はサバサバしていても実は熱いもの、というのを期待してしまうところがある。
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奇麗な本だなっと思いました
少年少女時代にしか見えないような
キラキラとした豊かな表現がものすごく素敵!
この本のおかげで鉱石に興味が湧きました
長野まゆみさん作品ではこの二人の主人公が特段好きだ。
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四季を巡る二人の少年の瞳に映るもの。
揺れる心と確固たる絆。
四冊のハードカバーを纏めたものがこの文庫。
ハードカバーの装丁はとても綺麗。
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個人的に好きな感情であふれていたと思う。焦燥感と好感がいりまじって
不安が生じるような。あと、嫉妬とかね。あの独特の「におい」もほのかにただよってるような
気もしたけど、私は別段意識せずに読めた。
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ケンタウリ・プロキシマ。
“星の名前”を教えてくれた宵里という名の少年は、
いつもアビを魅了してやまない。
ソォダ水のはじける音、天使の枕、流星群の観測…
秋の新学期から、翌年の夏期休暇まで、
二人が過ごした一年足らずの日々を描く。
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月の輪船、夜のプロキオン、銀星ロケット、ドロップ水塔の4作を収録。
どこか外国を思わせる建築物や行事。
不思議な出来事と、当たり前の日常と
小さなエピソードの連続だけど全ては貴重なこと。
季節の表現や小物遣いや言葉の選び方が絶妙。
言わなくていいこと。今言わなければいけないこと。
思わず口にしてしまったこと。
言いたくても言えないこと。
わかってるのに。わかってるけど・・・
そういうジレンマというか心のヒダの表現が巧みです。
少年の心の描写は、長野さんが一番だと思う。
最後はアビが宵里の背中を押します。
「すっかり忘れてしまって、またいつか
はじめて出遭えばいいぢゃないか」
いいなぁ〜甘えてない男の友情。
女の子には無理だろうなぁ。
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二人少年ものの中で好きな作品の一つ。再読。
離れて別の道を歩み、違う経験をしても、必ずまたどこかで、もう一度初めて出逢って、知らん顔でまた友達になる、って云う宵里の考え方。アビも云うようにわたしも凄くすきです。
個人的には夜のプロキオンと銀星ロケットがすき。特に後者は、喧嘩したときの気まずい感じとか、なんとなく仲直りするあの感じとかがあったっかくって良かった。
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長野まゆみの原点って感じの話でした。
少年の行きつけのお店とかお気に入り文房具とか流星観測とか長野色満点。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-3.html
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何十年分もの思い出が詰まったアルバムような、でも、遠足や修学旅行などの写真屋さんから買うたった数枚の写真のような。そんな感じがする作品。銀星ロケットからドロップ水塔までの展開と終結が何とも切なく爽やかだと思う。また、この作品は何度も読んだが、初めて読んだ時からこの一節に魅かれている。“いつかはじめて逢う日のために”。長くはないけれど、濃密な時間を過ごした二人の少年の別れは、必ずしも湿っぽいわけではない。会うことも手紙を交わすこともなく数年が過ぎ再会が果たされても、「久しぶり」ではなく「はじめまして」と挨拶する。劇的な再会よりも嬉しく楽しいのではないかと思う。“こんどはじめて逢うとき”二人はどんな話から始めるのか想像が膨らむ。
もしかしたらこれはこの少年たちだけではなく、ふとした瞬間にこの作品を開いて読み返した時の自分の心境に近しいものがあるのかもしれない。
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内容(「BOOK」データベースより)
ケンタウリ・プロキシマ。
“星の名前”を教えてくれた宵里という名の少年は、
いつもアビを魅了してやまない。
ソォダ水のはじける音、天使の枕、流星群の観測…
秋の新学期から、翌年の夏期休暇まで、
二人が過ごした一年足らずの日々を描く。
幻の初期作品四冊が、今一冊になって甦る。
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初期の4冊も持っていますがこの話は大好きなので購入しました。
この頃の長野まゆみが好きです。
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アビと宵里の二人の少年の短編集。爽やかな友情。最後の別れが寂しいけど、前向きな気持ちにさせてくれる。
「すっかり忘れてしまって、またいつかはじめて出逢えばいゝぢゃないか。」
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懐かしさに思わず手にとってしまった一冊。
20代のはじめぐらいまでは彼女の本が好きですごくよく読んでいたので・・・。
やっぱり初期の世界観が私は一番ぐっと来ます。