紙の本
明治の空気が伝わるミステリー
2023/11/25 08:20
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治17年、鹿鳴館での社交や間もなく憲法発布という頃。伊藤博文邸の書生・杉山潤之助の遺した殺人事件に関する覚書を発見した著者が編纂したとの体裁。同じく書生の月輪とともに事件の真相を探るが、登場人物が軒並み怪しい人物ばかり。警視庁刑事や民権団体構成員まで登場し混沌とさせたところで、真犯人は意外な人物で全く考慮の外と作者にしてやられた。何よりも憲法制定時の社会の雰囲気があればこその物語で、維新の傑物ら及び御婦人までと登場人物も華やか。山縣有朋の登場する続編もあるそうなので、手にしてみようと思う。
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構成の妙が冴える歴史ミステリ
2018/04/01 19:39
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
なるほど!騙されました。構成の妙が冴える歴史ミステリーでした。所々に出てくる括弧書きの注釈がフィクションをノンフィクションらしく見せており、これもまた歴史の勉強になって、面白く読めました。次作も注目ですね(^。^)
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去年『黒龍荘の惨劇』が注目を浴び、不覚にも未読で歯痒い思いをしていたので、前作にあたる博文邸が文庫化したと聞きさっそく購入しました。
時代小説の書き手とあって、文章は読みやすくストーリーもテンポよく進むので飽きることはありません。
ですが、明治時代が舞台ではあるものの、事件が起きた段階ではオーソドックスな本格ミステリという印象は拭えませんでした。
しかし、解決編に至って本書が一筋縄ではいかない、憎々しい仕掛けが施された怪作であったことがわかります。ミステリが好きでないとこの仕掛けは思いつかないでしょう。
『黒龍荘』を読むのが楽しみになる良作でした。
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事件そのものが小粒なのと、歴史上の人物の造形が浅いところに物足りなさが残りますが、密室、推理合戦、手記形式を利用したミスディレクション、大どんでん返しなど、推理小説のネタが盛り沢山ですし、事件と時代背景を上手く絡めているところや、歴史小説なのにライトに読めるところなど好印象な点が多く、トータルで見ればなかなか良く出来た作品だと思います。
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つまらなかった、というわけではないのだけれど…
どんでん返しも、ちょっと「おおっ!」と思ったのだけれど…
殺人が起きて、犯人探しをする他にドラマ性が少ないというか、この時代だった必然性とか、(政治的背景は少しはあったけれど)生子(仮)や津田さんが登場したけれど、事件とどういう関係があったのだろうとか、どうしてこれを書かなければいけなかったのかという必然性を感じられるエピソードが無い。
…ような気がする。
面白い時代で、興味があっただけに残念。
期待しすぎたのかも。
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いろいろな歴史人物が出てきたのも面白かったですが、事件と絡む感じもなくちょっと物足りない感じでした。
事件はどんでん返しがあったりもしましまが、ちょっと期待したよりは…って感じでした。
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ミステリ風味の時代小説として軽く読めます。
ミステリとしては、警察側の行動に無理がありすぎだと感じました。
また、「実はソックリさんでした」のオンパレードですが、
前触れが特にないため、唐突な印象ばかりを受けました。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2013/11/post-5809.html
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うーん...物語の設定だったり、主人公の潤之助のキャラクターだったりというところは良かったのだが、正直ミステリーとしては弱い。
著者は本格ミステリーを書きたかったようだが、これは本格ミステリーとは呼べないだろう。
密室トリックなんてものはないし、名探偵役と思わせていた月輪が実は偽物、というのも興醒め。
むしろ大河内や岩村たちが警察関係者だった、という事実の方が面白かった。
次作、『黒龍荘の惨劇』は巷の評価通り良作であることを祈る。