読割 50
電子書籍
散り椿
著者 著者:葉室 麟
かつて一刀流道場四天王の一人と謳われた瓜生新兵衛が帰郷。おりしも扇野藩では藩主代替りを巡り側用人と家老の対立が先鋭化。新兵衛の帰郷は藩内の秘密を白日のもとに晒そうとしてい...
散り椿
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散り椿 (角川文庫)
商品説明
かつて一刀流道場四天王の一人と謳われた瓜生新兵衛が帰郷。おりしも扇野藩では藩主代替りを巡り側用人と家老の対立が先鋭化。新兵衛の帰郷は藩内の秘密を白日のもとに晒そうとしていた――傑作長編時代小説!
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紙の本
妻への思いと男の友情のために命懸けで戦う男の武士道
2019/01/02 08:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:李孔明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
岡田准一主演の映画の原作本ということで読んだ。同じ道場で腕を磨いた四天王と呼ばれた4人の若者たちがそれぞれ数奇な運命にもてあそばれる。その中で藩の側用人として頭角を現した榊原采女の許婚であった女性を妻とした榊原の親友の瓜生新兵衛。しかし、正義感から藩の不正を糾弾したために逆に藩から追われた新兵衛が放浪先で病死した妻との約束を果たすために故郷に舞い戻る。家老たちの陰謀に対して妻への思いと友情のために命懸けで戦う男の姿に真の武士道を見る思いだった。散り椿の前での決闘シーンは感動するとともに本当の妻の思いに気付く新兵衛が友情のために立ち上がる姿に清々しい印象が残る時代小説だった。
電子書籍
美しい
2023/08/17 14:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表現が心に響きます。情景が目に浮かび、斬り合う場面は迫力満点です。人を想う気持ちが豊かに描かれ、静な中にも登場人物の強さが際立ちます。
紙の本
武士の矜持と潔さ
2023/02/20 09:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ランディ・B/M - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分さえ良ければいいという石田玄蕃のような人間ばかりが出世する実社会の体験から、新兵衛など四天王と呼ばれた武士たちの武士としての矜持と潔さに胸をうたれる思いと、出世を焦っていた主人公藤吾が本当の武士として成長していく姿に感動した。今の世にこのような胸がすく体験は望みようもないのだろうか。
紙の本
散る椿、残る椿。
2019/03/17 14:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリー小説のように思いました。
かつての事件の首謀者を解いていくのもミステリーですし、最後まで解けきれなかったミステリーは、篠の本心だったかもしれません。
新兵衛が思う篠の心と采女が思う篠の心、どちらが篠の本心により近かったかは、謎のままです。
権力争いで多くの者が命を落とし、傷つき、没落していった…小説とはいえ、これらの小説を読むと無常観にしばし浸らされます。
物語最後の散る椿は新兵衛、そして残る椿は藤吾たち。
歩む道は別々になりましたが、どこかで幸せに生きていてくれるよう、時空を超えて祈りたいです。
紙の本
人の思い遣りと気高さ
2019/01/13 11:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドロドロとした欲の覇権争いは世と常ながら、それをそれとして受け入れながらも己の信念を心に固く持ち続ける四天王。そういったことから距離を置いて清々しく生きるし主人公。いつしか主人公に心惹かれる人。非常に読み応えがあり、時間が経つのも忘れて一気に読んでしまった。最後の一ページで、帰藩後の経緯を踏まえて周囲に気を配ることで自分の身を処する主人公の潔さと心残りさがよいんとして残る作品。また、しばらくして再読したい。
紙の本
武士の矜持
2015/06/14 09:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:乾 辰巳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
藩の派閥争いの中で生き、そして死んでいった、かつて四天王と呼ばれた道場仲間たち。
葉室さんが繰り返し描かれる武士としての生き方が余すところなく描かれています。
人として生きる現代人とは違う武士の矜持。やや理想化されているきらいがあり、
ストーリーもちょっと都合がいいかなとも思いますが、それでも采女の最期など心を打たれました。
また古今集から引かれた短歌がストーリーとよく合っていて、ここも読みどころです。
電子書籍
現代にも通じる
2022/05/06 11:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
権力争いに明け暮れる藩内と、現代の会社組織や政治を重ねてしまいます。いつの時代にも新兵衛のような、孤高で不器用な人はいるのでしょう。
紙の本
散り椿
2017/08/29 17:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
扇野藩六万五千石の御家騒動で、かつて同じ剣術道場で四天王と言われた、四人の友情や藩政への関わり、主人公である瓜生新兵衛が妻・篠と死に別れて帰藩し御家騒動に巻き込まれつつ、過去の真相が明らかになって行く、篠が遺言で夫にかつて在所の庭で見た散り椿を、代わりに見てと言ってた真意など、武士の世のせつなさを感じました。
紙の本
凄まじい!
2016/11/28 14:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひのえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分個人よりも家が大切だった時代。どうにもならない自分よりも大きな組織。その中で自分として生きていこうとする強さがかっこいいです。