電子書籍
医学25話
2023/01/16 20:55
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
輸血、MRIなどなど、医学の歴史に関する様々なトピックスを簡潔にまとめています。読みやすく、良い本と思いました。
紙の本
体温計や血圧計、内視鏡やCT、MRI。ものづくりの話としても面白い。
2010/04/28 18:06
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題に見るように、25の医学の発見や発明の話がわかりやすく書かれた本です。書名も含め、タイトルのつけ方がとても上手いです。ちょっとオーバー気味ですが興味を引きつけます。そのタイトルもいれながら紹介していきましょう。
著者は診断を専門とする現役のお医者さん。そのためでしょう、診断に関する方法や機械の話は、特に具体的で面白いところが多いと思いました。例えば血圧測定も、ゴムの袋で腕を締め付けて血圧を測るとき、聴診器でどんな音の変化が聞こえるのかが擬音もまじえて詳しく説明してあります(「初めて測ったのは牧師ー血圧測定」)。そして最新の家庭にも普及した測定器は音ではなく血管の振動音を拾っているなど身近なところまで触れてあります。「歴史的発見、発明」で終わっていないのが嬉しいです。
沢山のこういった事例を読み進むと、実際に使われている方法や考え方に至るまでには幾つかの違う能力が必要なことがみえてきます。
最初に「どうやったらわかるだろうか」と考えた人の方法は、現在の我々がみれば乱暴だったりむちゃくちゃだったりと感じるものも多いです。真っ直ぐな固い管を飲み込ませて胃の中をみるのはできないとは言いませんが誰にでもできることではないでしょう(「大道芸がヒントー胃カメラ」)。心臓の中での実際の血液の状態を知るために、初めての人体実験に自分の身体を使った医者(「深夜の極秘人体実験ー心臓カテーテル検査」)も、成功したからよいものの、・・・。少しぐらい無茶でもやってみる、という熱意が必要、というところでしょうか。
その次に、アイデアを何をどう使って実用化するかは、また別の才能が必要ですね。意外なものを使った(「靴墨の缶で作った命の機械ー心臓ペースメーカー」)などの工夫や苦労も面白くて「ためになる」話です。
そして、新しい考えややり方を成功例を積み重ねて一般に認められるように、確立していく力も必要です。アイデアを思いつく人、形にする人、それを広める人。それが別々の個人であることでトラブルになることもある。規模が大きくなればなるほどこういう問題がでてくることも多くなるでしょう。そんな例も載っています(「ノーベル賞をめぐる大波乱-MRI」)。
医学に関係した歴史物語ではありますが、そういうものづくりの過程として読んでも面白いですね。「物理学を超えた町工場のオヤジさんー注射器」はまさにそんな話です。
本書の表題そのものは、ちょっと知っている人は「ペニシリンはほったらかされたシャーレのカビだったのでは?」と思うところ。詳しくはどうぞ読んでみてください。
DNAの構造研究でのロザリンド・フランクリンの話(「二重らせんのダーク・レディー DNA」)など、知っている人も多いような話もあります。でも、はじめて触れる人にはわかりやすくてよい文章なので、これからいろいろ知りたい人には丁度よいのではないでしょうか。
細かいけれど気になったところを一つ。「血圧測定」の章には初めて馬で測ったときの文章と絵があるのですが、文章には「後ろ足の動脈に真鍮の管を挿入し、その先に長いガラス管を接続(P31)」とあるのに図はウマの頚動脈に見えるのです。(このこと、書評を書く前に出版社に聞いてみようかと思ったのですが、HPを探してもそういう本の内容についての質問を書くところが見つかりませんでした。直接ここに書いてしまって、すみません。)どちらが正しいのでしょう?
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割と低年齢層にも読めそうな内容です。中学生なら十分楽しめるかな。自分が子どもの頃に子供向けの百科図鑑が大好きで、よく歴史上の大発見なども本で読んでいました。この本は堅苦しさを抜きに、医学上の発明・発見を意外なエピソードと共に紹介してくれる。大変分かりやすく書かれており、自己参照にも気を使って書かれています。大人が読むと逆にそれが鬱陶しくも思えるが、何度も振り返って読みたい人にはいいと思います。
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漫画『JIN-仁-』を同時期に読んでいたので、ペニシリンの発見にはドキドキ。著者も含め、学者の発想はためになる。面白い。
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タイトルがおバカっぽいので、軽い読み物だろうと思って買ってみたけど、かなり面白かった。
インフルエンザから人間を救うために、フェレットさんたちが頑張ってくれたこととか、知らなかったなぁ。。。
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ペニシリンは偶然の発見だった。
そう言いたいであろうタイトルに沿った医学の発展に貢献した発見の物語が25話載っている。
色々な発見の話があって、面白い。
この話の中でも日本は、西洋で発見された技術を使って、よりよいものを作るという姿が見られたりするのも面白いと感じた。
無痛の注射針を作った岡野さんの話も載っていて、目次でもしかしてと思ったことに合点がいくと同時に職人が作ったすばらしいものは色々な場所で知られるものだと思った。
いわゆる「セレンディピティ」を集めた本だが、出てくる人はみな癖が強い。
どこかで聞いたことあるって話もあったりして、より身近に感じた。
しかし、中には「他人のセックスを一万回観察」したり、「病気の原因を証明するために自ら病原菌を飲む」とか、キチガイじみた話もある。
すごい発見をする人は何かが壊れていることも多い、と感じる。
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[ 内容 ]
聴診器、レントゲン、輸血、ワクチン、麻酔…今では私たちが当たり前に恩恵を受ける医療技術の数々。
その進歩の陰には、不屈の医師たちの人間ドラマがあった。
時代の通説との葛藤、自らの命を賭した人体実験、思わぬ失敗が生んだ発見、研究者間の熾烈な競争など、25の物語を通して知る、医学史のおもしろ裏話。
医学の発展は三分の努力と七分の偶然から!?
瞠目のサイエンス進化論。
[ 目次 ]
第1部 診断編(何でも測らないと気がすまない男―体温測定;秘めた恋を脈で診断―脈拍測定;初めて測ったのは牧師―血圧測定;電話ごっこを見てひらめいた―聴診器;若旦那の趣味が昂じて―顕微鏡;細菌学の巨人の大失策―ツベルクリン反応;人類初体験の透視する見えない光―エックス線(X線) 深夜の極秘人体実験―心臓カテーテル検査 二重らせんのダーク・レディ―DNA 大道芸がヒント―胃カメラ(胃内視鏡) ビートルズが支えた最新技術―CT ノーベル賞をめぐる大波乱―MRI)
第2部 治療編(毒殺事件を呼ぶ先端治療―輸血;農婦に教わった予防法―種痘(ワクチンの誕生) 狂気を呼んだ四人の争い―全身麻酔 失われた処方を求めて―麻酔薬・通仙散 物理学を超えた町工場のオヤジさん―注射器 次々に産婦が死んでいく謎の病棟―消毒法 風邪ひきイタチに助けられ―インフルエンザ・ワクチン クシャミが生んだ大発見―ペニシリン(抗生物質) 亡き患者への想いを胸に―人工心肺 靴墨の缶で作った命の機械―心臓ペースメーカー 一万回のセックスを観察―セックス・カウンセリング 病原菌を飲んで自説を証明―胃潰瘍の治療(ピロリ菌の発見))
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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医学の発見や発明が書かれており興味深く読めた。
それより怖いのは人間の嫉妬。
せっかく有意義な発見や発明をしてもそれを認めようとはしたがらない業界。
胃潰瘍の原因になるピロリ菌の発見も最初はけちょんけちょんに馬鹿者呼ばわりされたらしい。
今は抗生剤の投与で1週間ぐらいで直るらしい。
これも初めて聞くので安心した。
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現在医療現場で必要不可欠な存在となっている、体温計、CTやMRI、麻酔、ペニシリン、心臓ペースメーカー等の医療器具・薬品の開発秘話が一般向けに分かりやすく書かれている。
それぞれの研究者が、己の信念や野心のため悪戦苦闘し、それまでの常識を覆して、新しい医療の礎を築くストーリーが面白い。身近な医療器具にも、先人達の大変な苦労があり、泥臭い人間ドラマが絡んでいるんだな。
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今までに発見、発明された医学に関するお話が書かれており、非常に面白く読める本。一般読者を対象としているので、医学、生物学を苦手とする人たちにとっても、専門知識を必要とせず、かなり読みやすい内容になっている。おすすめ。
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ペニシリン発見~開発秘話をタイトルとする、その他もろもろの医薬系大発見に纏わる小噺集。どれをとっても興味深く、現在当たり前になっている数々が、奇跡とも思える過程を経て誕生した逸話に触れて、感動しきり。いやいや楽しいタイムトラベルでした。
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1724 ファーレンハイト 当時寒剤をつかって得られた最も低温度を0度とし、自分の体温を96度とした。
1742 スウェーデン セルシウス 水の氷点を0度、沸点を100度とした
EMI electronic musical industries
ビートルズの売上が大きく、それがCTの研究開発を支えた
開発者 ハンスフィールド 単位に名を残す
控えめな性格で、名誉欲がなく、田中耕一氏と似ている
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医学の発見や歴史について楽しく学べる本。面白かった!偶然や実験などについても分かりやすく書いていて、医学初心者でもすいすい読める。良本だと思う。
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サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」「暗号解読」との衝撃的な出逢いから四年余り。その後、同作のような page turner との遭遇なし。
佳作をひとつ。
本好きのためのサイトを運営する成毛眞氏(元マイクロソフト日本の社長)の「面白い本」(岩波新書)の紹介。
『ペニシリンはクシャミが生んだ大発見』
シロウトにも楽しめる医療機器や治療法の開発史。
例えば、麻酔の発明では…
1740年に創立されたロンドン王立病院の手術室は最上階にあり、大きな鐘がぶら下がっていた。
その理由は?
最上階で外の明るさを取り込みやすいこと。
泣き叫ぶ患者の声が外に聞こえないこと。
鐘はオペレーションベルと呼ばれ、痛みに耐えかねて暴れる患者を押さえつけるためのスタッフを集めるために鳴らされた。
麻酔が実用化されるまでの手術光景。
軟性内視鏡が発明される以前の硬性内視鏡のエピソードもスゴイ。
だって曲がらないんですから。
リアル・ホラー短編集みたい。
惜しいのはショートストーリーの積み重ねであること。
新書だから仕方ないんですが。
サイモン・シンのように、多彩な人物、発見、発明、エピソードを歴史の時間軸上に並べて紹介しながら、相互の関係にも触れつつ、一大長編にまとめあげる…というような醍醐味はなし。
ま、しゃあないです。
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成毛眞さんが『面白い本』で紹介していたので買いました。副題にある通り面白エピソード満載で、それでいて単なる話のネタではなく発明・発見のあらましが分かるようになっています。医学には全くの門外漢なのでこんなことを言うのもなんですが、近代以降の超重大発見は大体取り上げているのではないでしょうか。良い本です。