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投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
二つお話があって、一つ目は息苦しく、二つ目は摩訶不思議。どちらも不条理系だとおもうが、それなりに面白く、話はよくわからないのだけど気になり、途中で止められなかった。
ちょっと気持ち悪い面白さ
2021/06/12 10:12
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投稿者:雲絶間姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作と「ペルソナ」の2作が納められていますが、「犬婿入り」に圧倒的に惹かれました。
気持ち悪いなーと初めは思うのですが、???と思いながら一気に読み進めました。精神の交感がないと恋愛はできないと普段考えていますが、身体が忘れられない結びつきは感情移入ができません。だからこそ虚構の世界、小説を読む楽しみなのかもしれません。
「ペルソナ」も良い作品です
2019/01/28 12:08
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「犬婿入り」で芥川賞を取ったあと、泉鏡花賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞ほか次々と文学賞を獲得している作者は、もう残っている賞はノーベル文学賞しかないのではないかと思ってしまう。ほかに「ペルソナ」という中編も収録されている。ペルソナというのは古典劇において役者が用いた仮面のことで、この作品では能面のことをさす。日ごろから「東洋人は表情がわかりずらい」と言われていた主人公が、もちろん全く無表情の能面を被ったまま街に繰り出すという衝撃のラスト。ドイツに在住されている作者の実体験も含まれているのかもしれない。おもしろく読めた
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投稿者:333 - この投稿者のレビュー一覧を見る
キタムラ塾で繰り広げられる、民話的な世界を融合した話。ふとしたことから、犬男の太郎さんと暮すことになった北村みつこ先生の話。芥川賞受賞作。
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以前多和田葉子は、この小説を「芥川賞狙いで書いたんですか?」とある批評家に尋ねられたことがある。確かに、デヴュー作に比べ、理に落ちた一編。でもその民話的なユーモアはまた別な魅力を漂わせているのは間違いない。
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8/2 啓さんオススメの本。海外に住む日本人というかマイノリティの人の心の移り変わりみたいなものがかなり観念的に描かれていたのかなあと思った。文章は嫌いじゃない。2作目の表題作も、文学的でおもしろかった。
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ペルソナの「〜だった」、犬婿入りの長い文章が気になる。犬婿入りが、他人の口を借りた「噂話」を真似たのだと思うと、ペルソナの「だった」はなんなんだろう?
ひとは仮面を被って生きている。しかしそれは他人へは仮面ではないのだ。本当の仮面とは?
固く包まれた民族差別やステレオイメージとともに、主人公が外国へいって母国語がうまく使えないという現代人が抱えている問題。
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*ブログ感想あり*
http://blog.livedoor.jp/marine0312/archives/51573574.html
ペルソナ、は非常にこのひとらしい話だなあと思いました。
海外での違和感、国籍によるアイデンティティとかそういうテーマが。
犬婿入り、は正直よくわからなかった。
芥川賞とってたと思うんですが。。。
多和田さんの言葉のつかいかたは好きですが
オチのよくわからない作品が多いなー。
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芥川賞らしいが・・・ う~~~~ん。
全て中途半端な肩透かしばっかの事柄を集めて集めて ハイ。どぞ。
行間とか~ 読んで読んで深~~く読んでね。 ってな感じの本です。
文章もなんだか、のどにひっかかるようなリズム感っていうか
相性の問題なんだろうけど、あたしはダメだぁ。
後半の文章は、ひっかかり感はなくなるけど
相変わらず、内容はないような・・・
プロの人たちからしたら、これは賞をあげてもいいぐらいの作品なんだろうけど
本を買うのはプロよりも素人のほうが多いわけで その購買者によって
生活は成り立つわけで・・・ ってことで、☆ひとーーーつ!
( ・_ゝ・) < 人を感動させる文章を書くのってすごいことなんだね
第108回芥川賞受賞
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『エクソフォニー』は読んだことがあったけれど、小説には手を出していなかったYoko Tawada氏。
『犬婿入り』では、表題作ではない「ペルソナ」の方が前に入っていたので一瞬迷ったが、結局初出順に、「ペルソナ」から読んでみた。
良かった!
私はやはり差別の問題に関心があるし(というのを、今回再認識しました)、ここでの表し方はとてもとてもしっくり来るもので、英訳があったら是非教材にしたい(インターネットで検索したけど見つからなかった T_T)。いっぱいdog-earしてしまいました。
表題作はちょっと実験しすぎというか・・・もちろん別に、どっかから簡単に見つけてきた頂きモノなんかじゃなく、どうしてもこう、一文がやけに長い形で綴っていくしか書きようがなかったのかもしれないけれど、私にはイマイチ乗れませんでした。小川洋子氏の「妊娠カレンダー」といい、芥川賞ってなんかこういう技巧的なのが好きなの?と思ってしまったり(単にドゥルーズわからないから乗れないんだろか!?)。まぁ内容も私好みではないしネ。
こっちから読んでたら途中で止まっちゃってたかもしれない。
だから星は4つにしておくけど、「ペルソナ」が良かったので別の作品も読んでみたい。
ところでその、ドゥルーズを持ち出していた解説の与那覇恵子サンとは一体どなた?と思ってググってみましたら、どうやら沖縄文学を専門とする方らしいです。
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登場人物が外国人だと、名前を覚えきれずにおもしろさが半減しがち。(ペルソナ)
犬婿入り。なんじゃこら。な感じで、でもこの文章のテンポは好きで、ふふふと笑いながら、くるくる~っとここの世界に入り込み、へ?終わり?っと抜け出てきました。
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「ペルソナ」と芥川賞を受賞した「犬婿入り」の 2 篇。
まず気になったのはその文体。「ペルソナ」では「~のだった」という文末表現がくどいほどに繰り返され、「へんだ」と感じるほどなのだが、不思議とその不自然なリズムが心地よく、すらすら読めてしまう。一方の「犬婿入り」の文体も変わっている。なにしろ、1 文が異様に (と読者が感じざるを得ないほど) 長く、ときには 1 ページ以上もあるのだ。解説に著者のことばとして、「自分の母国語で書くときも、いわゆる上手い日本語、綺麗な日本語というのを崩して行きたい。つまり、二つの言語を器用にこなしている人になりたいんじゃないんです。また、一つを捨てて、もう一つに入ったんでもなくて、二つを持ち続けながら壊していくような、そういうようなことを一応、恥ずかしながらめざしているんです」という引用があるが、なるほど、そういう意味で実験的にこのような文体を使ったというなら理解できる (まだこの著者の作品はこれしか読んでいないので確信はないけれど)。
私は「ペルソナ」、「犬婿入り」のどちらも気に入ったが (より共感できる・わかりやすいのはドイツに留学している日本人女性の日本人であることに対する疎外感、日本人であることと自分自身であることの矛盾を描いた前者)、「生理的にダメだ、受け付けない」と思う人はいるかもしれない。でもそれは逆に考えると、「気持ち悪い」「がまんならない」と思わせるだけの何かが、この作品の中に存在するということでもある。
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東アジア人は儒教教育されているから感情を表現する能力がないんだって人もいる。
ナチスはユダヤ人だけでなくて同性愛者やジプシーも殺したんだから精神病患者も殺したって不思議はないさ。
現代文学をやっていたのではドイツ人に勝つ見込みはないが中世文学をやれば負けないかもしれない。中世文学をしっかり勉強すれば、将来必ず認められるようになり、まだまだ人材の足りない分野だから。中世文学をやっていますといえば、ドイツに行ってもドイツ人に尊敬される。逆に現代文学をやっていると言えば一人前の研究者としてつきあってもらえない。
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「不思議な日本語の小説体験」
『犬婿入り』は日本の各地に残る説話・犬婿説話を現代の郊外住宅に置きかえ、近代な都市と日本の民俗を結びつけた作品だ。
犬婿説話とは人間の女と雄犬が結ばれる話が多く、娘の尻を舐める、または、娘の身体からでる排泄物を処理すると雄犬に嫁にやるというものだ。そんな説話が機能的・合理的な郊外という場所でどう展開されていくか、郊外というものへ新しい視点が見いだせる小説。
他者との埋めがたい生々しい亀裂を描きながらも、その中で生きることを真摯な眼差しで見つめた短編小説、『ペルソナ』も収録。
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『犬婿入り』はちょっと厳しかった。『ペルソナ』はこの気が狂いそうな感じは少し怖い。でも危うい空気が最後まで続いて、読めました。