紙の本
すごいところまで行ってしまっている
2011/06/24 20:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
これだけ重厚な物語を、これ程までにすいすいと読ませてくれるというのはもう、奇跡としか言いようがない。構成のうまさ、文章のうまさ、言の葉の美しさ、いきいきとした登場人物たちなどなど。それらが奇跡のように相まって、このような作品が生まれ出るのだろう。読む側はがっしりと心を捕まれ、いや身動きさえ出来なくなって息つくことさえ忘れさせられてしまう。さすが当代切っての文筆家、浅田次郎。すばらしいの一言。なんというか「すごいところまで行ってしまっている作品」だと思う。
浅田氏の作品はこれまで全て追ってきた。どれを読んでも心奪われる傑作ばかりだけれど、中でも「蒼穹の昴」を読み終えた時の感覚は忘れられない。浅田次郎という作家は、異国のこんな壮大なストーリーも書けるのかと。しかしその蒼穹の昴から繋がる本作品、それとは比べようもなく、すごい。何しろ横幅と縦幅が圧倒的に大きい。中国の歴史と世界感、これが圧倒的に読むものを魅了し掴んで離さない。しかし本作品は決して、中国の歴史が好きだ興味があるといった者の為だけの本、ではない。云わば本好きが本の素晴らしさを再確認し、その悦びと快感に身もだえ打ち震える為にあるといって、過言では無いと思う。
西太后という圧倒的な官軍と、次の世を狙う賊軍白虎張という、非常に分かりやすい設定がまず物語りに入りやすい。そして徹底した研究から為されるのであろう構成とストーリーは、読んでいて何の違和感もなく納得の連続で進んでいける。そして何より、キャラクターが魅力的だ。賊たちの粋と独特の理屈にわくわくとさせられ、西太后の神がかり的な雰囲気と相反した茶目っ気にはくすりとさせられる。さらに終盤に日本人将校吉永が登場し、物語はさらに面白さを加速させて次巻へと続いていくのだ。
溜めに溜めて読み始めて良かった。次巻以降、一文字一文字、舐めるように読んでいこう。
電子書籍
蒼穹の昴 珍妃の井戸 に続く第3弾
2018/03/13 06:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポッター - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までと比べ日本との繋がりの場面も増えてきており、戦いの 場面の描写が多かった。
主要な人物の過去、背景が紹介され、これからの展開に期待
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馬賊カッコよすぎ! 前作から一転、派手なアクションシーンが多くて、破天荒な主人公たちにワクワク。
もちろん歴史ものとしての骨太さも増して、次々と出てくる登場人物の動きから目が離せません。
とりあえず投げ撃ちをやってみたい……!
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「蒼穹の昴」続編。
その前に「珍妃の井戸」がありますがね。
張作霖がものすげー男前。
思わず惚れた。
蒼穹の昴の時みたいに、登場人物の名前が載ったしおりを付けて欲しかった(笑)
名前の読み方を忘れるんだよ…。
春児と西太后が出てくるのが楽しみです。
あと春雷と春児の再開が楽しみ。
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浅田さんの歴史もの。内容がまじめそうなのと冊数が多いのとで、
最初手をつけようか迷ったのだけれど、読み始めると止まりません。
張作霖たち馬賊の活躍、西太后の死…
(そこから先はまだ読んでない)
ところどころのエピソードがややくさいかんじはするのだけれど、
物語全体の壮大さにあってるからそれはそれで良いです。
文庫版3・4巻の発売が待ち遠しい。
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「蒼穹の昴」の続編。全4巻読了。
主人公は馬賊の統領、張作霖。なかなか珍しい主人公だと思うが、王宮よりも東北近辺が中心になっている。そして龍玉を持つ者が長城を超えるという話。
光緒帝、西太后の遺志、文秀、宋教仁、士大夫たちの祖国への思いには脱帽する。意外にも袁世凱もそのように描かれている。
趙爾巽が列車で奉天を去る場面、春児と春雷、玲玲たち兄弟の再会、トマス・バートンの最後など涙してしまう場面が多々あって困った。
仕方がないことなんてない。何とかする、そうやって生きていく人物たちを描いた読みごたえのある作品。
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「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」に続く「中原の虹」文庫本になるのを待ちわびていました。
今回は馬賊の張作霖という、実にこれが魅力的な人で・・
お顔拝見したら読んでいて思い描いていたイメージとはちょっと違ってたけど、実はこの方この本読むまで存じ上げませんでした。
この彼に買われた浪人がなんと春児の兄春雷だった。
「蒼穹の昴」ですっかり心奪われた春児も出てきて思わず嬉しくなった。
あの占い老婆白太太も出てくるのよね。
「汝、満州の王者たれ」と張作霖は予言を受け、「行け!勇者のみたまに愛された者よ。」と春雷も、「汝こそは、困民の英雄ぞ。4億の民の夢ぞ」と秀芳は予言を受ける。
今回は馬賊中心だけに、なんとも壮大で胸躍る一話だった。
止められない止まらない・・の本です。
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文庫でまず2巻が出たので、早速読みました~
読み始めたら止まらない…
西大后の強さ、悲しみ、読み進むにつれて、悪のイメージがどんどん崩れていく…
そして、中国の計り知れない奥深さを感じる…
続けて読んでいくと、張作霖の物語。
≪わが勲(いさおし)は、民の平安≫
この気持ちを最後まで持ち続けて、貧しい満州人から、
中原の覇者となっていく…
悲惨な局面・描写も多々あるのですが、
列強の国々や日本に狙われた中国、満州を立て直すには、
夢を語るだけでは、どうにもならないのだと、実感する。
かっこいい~張~
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馬賊を中心として、話が進んでいます。
『蒼穹の昴』の続編にあたるシリーズですが、浅田次郎得意の「任侠」的な雰囲気が強くて、あちこちに「熱い」気持ちが散りばめられていて、油断なりません。イッキ読みです。
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待ちに待った文庫化! 重厚な内容にどっぷりつかりつつ、「蒼穹の昴」とのリンクを楽しみつつ、満喫中です。しかし4冊読み切るにはかなりかかりそうだ……;
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浅田次郎は物語の展開が巧みで、読者をどんどんストーリーに惹きこんでいく。
張作霖という有名な人物が主人公であり、蒼穹の昴の続編でもあり、興味を持って、買ってみた。
期待は裏切られなかった。中国は満州を舞台にスケールの大きな話となっている。
亡くなった父が若い頃満州に行っていたことを思い出した
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蒼穹の昴、珍妃の井戸、そしてこの中原の虹で三部作になります。
中国史の要所ごとのポイントを掴みながらも、随所にホロリとくる描写に心打たれます。
春雷と銀花の無口で不器用な二人が大好きです。
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「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」と読めば・・・やっぱり読みたくなります。これからゆっくり読書の秋を楽しみます。(^^
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満州事変につながる列車爆破によって暗殺された軍閥の張作霖の人となりが忠実に書かれている 。愛国心の塊・満州馬賊の長との生き様を李春雷・吉永少尉の眼を通して述べられている。浅田次郎ワールドのオープニングである。2010/11/17
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蒼穹の昴の続き。
前以上に、歴史上の人物がたっぷりかつ、清創成期の話が混じりつつなので登場人物がいっぱいいっぱい。