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商品説明
龍神が棲むという湖のほとりには、今日も一面、霧が立ちこめる。創業100年を迎えた九界湖ホテルは、笑いと愛のニルバーナ! 天変地異を呼ぶ笑劇恋愛小説。全3編を収録。『新潮』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
ようこそ、九界湖ホテルへ。ここは笑いと愛のニルバーナ! 龍神の眠る湖畔に炸裂する超絶言語! 天変地異をも呼び起こす恋愛芸道小説!【本の内容】
収録作品一覧
湖畔 | 5−38 | |
---|---|---|
雨女 | 39−127 | |
湖畔の愛 | 128−252 |
著者紹介
町田 康
- 略歴
- 〈町田康〉1962年大阪府生まれ。「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞と野間文芸新人賞、「きれぎれ」で芥川賞、「権現の踊り子」で川端康成文学賞を受賞。
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紙の本
湖面のような真心でおもてなしをするホテルマンたちの奮闘記
2021/12/31 05:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
緑豊かな高台を降りると見えてくるのは伝説の龍が眠るという湖、その畔にひっそりと佇んでいるのが九界湖ホテル。創業100年の歴史と風格の漂うエントランスを抜けると、「あっちゃん」こと圧岡いずみが咲き誇るようなスマイルでお出迎えしてくれます。もしも本書が映画化されるようなことがあれば、国民的アイドルグループを卒業して女優として活躍中のあの方にオファーをしてください。支配人の新町高生はホテルマンとしてのホスピタリティーはもちろん、ユーモアも忘れていません。先代のオーナーからの贔屓で客室で寝泊まりしているのは、流れるように生きてきた初老の男性・須加治一郎。「スカ爺」などと謎の渾名を付けられていますが、ちょっとした雑用係のようなこともしてくれますよ。宿泊客でもなく従業員でもない、強いて言うならば「客分」といった特別扱いでしょうか。揃いも揃ってクセのあるキャラクターばかりですが、このホテルに泊まりに来る人たちも負けてはいないようで。
いく先々で自然災害を巻き起こす雨女、ロビーでどつき漫才の練習をする芸人の卵、抜群のルックスとプロポーションなのにやたらと惚れっぽい女子大生。本来であれば宿泊はご遠慮頂きたいような相手に対しても、親切丁寧をモットーに対応する新町の姿勢は勉強になりました。一方ではオーナーの放漫経営や杜撰な投資計画のせいで、九界湖ホテルは財政的に少しずつ傾き始めていき… あっちゃんやスカ爺の奮闘も力及ばず、ついには資金繰りに行き詰まり余所の会社に合併吸収。新しく新町の代わりに支配人としてやって来たのは綾部という中年男ですが、何とも陰気な顔つきで接客業には向いてませんよね。顧客満足度よりも売り上げ至上主義、加えて女癖が悪く職場での立場を利用してあっちゃんにしつこく絡んでくるし。平従業員に降格された新町はもともと気楽な独り身で、転職するも残留するも自由でしょう。前々からお見合い話が舞い込んでいたあっちゃんの方は、少々事情が込み入っているんです。ブラックな勤務体制や綾部のセクハラに負けず自分の好きな仕事を続けるべきか、地元に帰って安定した将来を選ぶべきか。相変わらずマイペースなスカ爺にも思わぬ災難が降りかかり、それぞれが重大な決断を迫られることに。
絶世の美女・気島淺の愛を得るために、男たちが九界湖ホテルの宴会場で一芸を披露し始める頃に物語は佳境へ突入します。まさに笑いのニルバーナと化した会場で、彼女のハートを見事に射止めた意外な人物にはビックリ。 安っぽい造花が飾られるようになったホテルが再び色づくためには、あっちゃんがあの笑顔を取り戻すしかありません。冷遇されても腐ることなく自分の職務を真っ当する新町に、再び支配人へとカムバックするチャンスは?なかなか気軽に旅行も行けないこのご時世、せめてこの本を手に取って不思議な湖と愉快なスタッフがお待ちするホテルにチェックインしてみませんか。
紙の本
リズムがいいので一気に読めた
2018/10/28 21:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
「湖畔」「雨女」「湖畔の愛」九界湖ホテルを舞台にした3つの話が描かれている。「湖畔」は短くてそんなに良くなかったが、あとの2つは良かった。リズムがいいので一気に読めた。相変わらず奇想天外な話だが、いつもの町田ワールドである。ただ、登場人物の名前の読み方がよく分からないのは困る。
紙の本
老舗ホテル
2018/07/01 10:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
風光明媚な湖畔にある老舗ホテルの従業員たちお客さんたちのちょっと可笑しなお話しです。
大雨で孤立化する環境、集う人々も浮世離れしてる、ファンタジー要素ちょっぴり。