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商品説明
【大藪春彦賞(第23回)】【日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門(第74回)】成り上がり政治家の関係者が次々と殺された。背景は汚職か怨恨か。刑事の矜持を胸に、中卒と帝大卒のバディが戦後大阪の闇に挑む! 実在した「大阪市警視庁」を舞台に描く、戦後史×警察サスペンス。【「TRC MARC」の商品解説】
【昭和29年、大阪を襲う連続猟奇殺人】
デビュー作『へぼ侍』が松本清張賞、
日本歴史時代作家協会賞新人賞の二冠!
実在した「大阪市警視庁」を舞台に新鋭が放つ
戦後史×警察サスペンス
【あらすじ】
昭和29年、大阪城付近で政治家秘書が
頭に麻袋を巻かれた刺殺体となって見つかる。
大阪市警視庁が騒然とするなか、
若手の新城は初めての殺人事件捜査に意気込むが、
上層部の思惑により国警から派遣された警察官僚の守屋と組むはめに。
帝大卒のエリートなのに聞き込みもできない守屋に、
中卒叩き上げの新城は厄介者を押し付けられたといら立ちを募らせる――。【商品解説】
著者紹介
坂上泉
- 略歴
- 〈坂上泉〉1990年兵庫県生まれ。東京大学文学部日本史学研究室で近代史を専攻。「へぼ侍」で第26回松本清張賞、第9回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞。
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紙の本
戦後の大阪を舞台にしたミステリー
2020/10/19 20:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コンドル街道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和29年大阪。頭に麻袋を被せられた政治家秘書の他殺体が発見された。それを皮切りに同様の状態の他殺体が次々と発見される。果たして犯人の正体と動機は?
読み進めていくうちに帯の文句が納得いくものになる。
ちなみに昭和29年といえばゴジラの公開年だが、劇中はゴジラの公開前である。
紙の本
見えざるもの
2021/09/29 16:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔、大阪市にも警視庁があったそうだ。その史実を基に、戦争の爪痕が残る日本社会を舞台にしたミステリー。警察小説とも言えるのだろうか。
事件の背景にあるのもまた、戦争の傷痕である。物語を進めるのは、姿の見えない主人公の俺。重たいテーマだが、読む者をぐいぐい引き込むのは、見えない俺の語りの一方で、謎解きをする新米刑事とエリート刑事のタッグが生き生きと描かれているからだろう。
骨太な作品で、気楽には読み進められないが、本の厚みの割に、早く読み終われた。
紙の本
終戦後の変わる時代と引きずられた時代
2021/02/03 10:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後9年経った大阪の警察は大阪市警視庁、その他の自治体警察と国警に分かれていた。そして国会ではまさに警察組織を変える警察法改正が話し合われていた。
そんな時に大阪城付近で政治家秘書の刺殺体が発見される。捜査にあたったのは大阪市警視庁の若手新城と国警の帝大出の守屋。
コアな警察の時代を舞台に書き上げた作家にも驚かされるが、この時代の情報を入手する大変さを、じっくり粘り強く書き続けられていて読み応えがある。
冒頭小作人の三男坊が食えなく満州に夢を見て渡り成功していく話で始まる。この三男坊が鍵を握っているのは想像できるが、最後まで名前もあかされない。
捜査は難航するが遂に政治家の北野正剛に辿り着く。
戦後の混迷期で生きるで精一杯な市井の人びと、権利と金に邁進する者。そして警察官として何が正しいのかと自ら答えを見つけようともがき続ける人たち。
読み応えもあり、読後感も気持ち良い。