紙の本
有機機械に翻弄されているコロナ禍を描く
2022/11/05 11:11
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ続いているコロナ禍を2年半ほど振り返ることができる医療を扱った物語。太陽に例えられるコロナウイルス、人間の体内に這入り込み、細胞を破棄しつつ増殖することだけをプログラミングされた有機機械である。そして変異を繰り返し、感染性をましたり、病毒性を益したり、免疫逃避をまとい、今後の変化が続くのかもしれないウイルスに翻弄され続ける医療現場が、絶望と希望を重層的に繰り返すように描かれる。いつか日常を取り戻した世界が描かれることを願うばかりだが。
紙の本
現在進行形でもある。
2023/03/19 16:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
医療現場から新型コロナウイルスとの戦いの日々をフィクションで描き出す。自身が医師でもある知念実希人の鬼気迫る一作。
医師、看護師たちの現場での苦悩と存在意義が切々と訴えられている。
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前代未聞の驚異の新型コロナウイルスとの壮絶な戦いを小説にした見事な作品。やはり現役医師としての知念さんしか書けない。読んでいてこの作品は後世に残る偉大な作品だと思います。コロナ病棟での医師と看護師の苦しみと悲しみがひしひしと感じました。思わずがんばれと応援してしまいました。早く終息を願いつつ老若男女全ての人に読んでほしい感動作です。
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コロナウィルスが突如蔓延してからの医療現場が、医師である知念さんだからこそ、とてもリアルでした。
医師の梓の家族と会えずホテル暮らしだったり、医師の旦那さんから妊婦の奥さんに感染してからの出産、看護師の瑠璃子の鬱病発症など、本当に読んでいて切なかったです。
医療従事者の方は、今もそうですが、命を掛けて患者のケアをしてくれているんだと改めて感謝しかないです。
ワクチン接種の大切さなどもヒシヒシと伝わり、マスクなしでの生活が戻る事を祈っています。
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【現役医師が描く、新型コロナとの戦い】2020年、世界は一変した。未知のウイルスと最前線で戦う医療従事者たちが直面する、混乱、絶望、そして希望を描く感動の物語。
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ウイルスとは、生き物ではなく、
プログラミングされた機械仕掛けの物体。
この2年間、あんなに不安になって必死に追っていた情報なのに、医師の目からみたコロナウイルスの特異さやおそろしさは、まるで知らない事実であるかのようでした。
情報を漁っては一喜一憂していたあの頃、医師の方々がどれだけの予見と覚悟をもって対応してくださっていたのかがわかりました。
知念さんがこの作品を書いたのも、コロナ禍で起きた騒動やデマ、失策、人々の感情の移り変わりをきちんと記録として残し、またワクチン接種や予防策を怠らないよう多くの人に伝えたいという並々ならぬ熱意によるものだと強く感じました。
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新型コロナウイルスに立ち向かう医療現場のリアルな状況が描かれている。
最初、新型コロナウイルスが中国で確認、と報道されたとき、世の中があんなにもあっという間に変わってしまうなんて、想像もしていなかった。
うつ状態になりながらも、それでも現場で働き続けた医師、看護師が全国に何人もいるんだろう。本当に感謝でしかない。ありがとうございます。
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「機械仕掛けの太陽」とは、コロナウイルスのことだったのかと、まずそのタイトルの付け方に関心してしまった。
小説というより、ノンフィクションの作品を読んでいる感じ。
医療従事者の目線から描かれている治療の最前線は、やはり壮絶。
コロナが発生した3年前位の部分は、すでに昔のことのように思えて、不思議な感覚になった。
もっと時が過ぎて読み直したら、また違った読み方が出来そうだと思った。
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戦場のような場所で戦ってくれている医療従事者の方には、本当に感謝です。
忘れかけていたコロナ禍の始まった3年前を思い出した。自分がひねくれているだけだと思うけど、少し思考の押し付けが強いと感じる部分があった。
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この作品は医療に携わる側の人々から新型コロナウイルスとの戦いの事実を忠実に描いた限りなく事実に近いフィクションだと思います。
私もニュースでよく見聞きしたコロナについて、知っている(体験した)嫌なことばかりで、なかなか来ない収束に、もうコロナはたくさん、嫌だと思い、途中何度も読むのを投げ出したくなりました。
でもコロナのことを(今はそんな人は少ないとは思いますが)ただの風邪だとか、ワクチンは打たない方がよいとか思っているような人には是非読んで、実態を理解してもらいたい内容です。
2019年の秋から2022年6月までの3人の医療従事者が主人公の物語です。
一人目は4歳の子どもを育てているシングルマザーで医師の椎名梓36歳。
二人目は、恋人と同棲中の看護師の硲(はざま)瑠璃子28歳。
三人目は開業医の長峰邦昭72歳。
梓と瑠璃子は同じ病院で働いていて、長峰も診察しきれなかった患者を梓の病院で診てもらったことがあります。
梓の勤める病院で院内クラスターが起きたとき、女性レポーターの「気の緩みがあったと思いませんか?」という心無い質問に答える瑠璃子が圧巻でした。
「外食も旅行も、同居家族以外と会うことも禁じられ、それを愚直に守ってきた。顔に痕が付いて消えないくらいずっとマスクをつけていたし、手のひらがざらざらになるまで、アルコール消毒をくり返した。面会ができなくて怒鳴る家族に事情を説明しながら頭を下げ続けた。防護服を着てコロナが蔓延する病棟で肺炎で苦しんでいる患者を必死に看護し続け、そして…看取りつづけた。そんな二年間で疲弊しきったのをあなたたちは『気の緩み』って言うわけ?!医療従事者はこの二年間感染リスクが極めて高い状況でずっと患者さんたちのために頑張ってきた。なのに、差別を受けたり、感染したら、今日みたいに犯罪者みたいな扱いで、メディアに取り上げられる。それっておかしくないですか?私たちのこの二年間、何のために文字通り命がけで頑張ってきたんですか?」
病院内でのその時のやり取りは真実の人と人との絆を感じましたが、緊急事態でないと人間の真実のよさを感じられないというのはおかしなことではないかと思います。
医療従事者の皆さんには多大なる感謝を捧げたいと思いました。
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10/24(月)2:55読了。
仕事なんです、わかってるんです、でも止められなかった。
☆5つじゃ足りません。
withコロナ、もはやこれが日常と化した感もありますが、人類を襲った新型コロナ。
改めて医療従事者の方々に心からの「ありがとうございます」を伝えたい。
本作の中での主人公は呼吸器内科を専門とする椎名梓、20代の女性看護師・硲瑠璃子、70代の開業医・長峰邦昭の3人。
人類が経験したことのない未知のウィルスとの戦い、その最前線である医療現場で何が起こっているのか、私も含め多くの人々が知るべき姿が描かれています。
医師法第一条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。
医療行為を行えるのは医師のみ=国民の健康な生活を確保するものとする。
つまり、医師は国民の健康な生活を確保する義務をおうということ。
だから最前線で最も感染リスクの高い現場で医療行為をしているのか?
いや、確かに義務感もあるのかもしれませんが、根底には純粋に大切な人を守りたいという想いがある。
家族、恋人、友人、知人のみならず、全ての患者を救いたいという想い。
「あなたが感染したとしても私たちは全力で治療をする」この言葉が全てを物語っていますよね。
現役の医師である知念先生だからこそ描けた作品。
本作にはミステリーの要素はこれっぽっちもありません。
私の横浜転勤(2022.1)と時を同じくして騒がれ始めた新型コロナとの2年と10ヶ月の戦いの歴史。
ダイヤモンドプリンセス号、志村けんさんの訃報、緊急事態宣言や蔓延防止、ワクチン接種...
マスクに三密回避、アルコール消毒が当たり前となった日本においても未だウイルスとの戦いは続いています。
最前線で患者の命を救う為に戦う医療従事者の苦悩は想像だにしなかった程に厳しいという現実を本書を通じて知る事ができ、第七波が落ち着き、コロナ疲れもあり少し気の緩みも出ている今、改めて感染予防の徹底を図ることの大切さを再認識させられました。
もう一度、医療従事者の皆様、ありがとうございます。
そして、本書を書いてくれた知念先生にもありがとうございます。
説明
現役医師として新型コロナを目の当たりにしてきた人気作家が満を持して描く、コロナ禍の医療現場のリアル。
2020年初頭、マスクをして生活することを誰も想像できなかった――
これは未知のウイルスとの戦いに巻き込まれ、〝戦場〟に身を投じた3人の物語。
大学病院の勤務医で、呼吸器内科を専門とする椎名梓。彼女はシングルマザーとして、幼児を育てながら、高齢の母と同居していた。コロナ病棟の担当者として、最前線に立つことになる。
同じ病院の救急部に勤務する20代の女性看護師・硲瑠璃子は、結婚目前の彼氏と同棲中。独身であるがゆえに、コロナ病棟での勤務を命じられる。
そして、70代の開業医・長峰邦昭。町医者として��地元に密着した医療を提供し、息子にはそろそろ引退を考えるように勧められている。しかし、コロナ禍で思い掛けず、高齢で持病もある自身の感染を恐れながらも、現場に立つことを決意する。
あのとき医療の現場では何が起こっていたのか? 3人はそれぞれの立場に苦悩しながら、どのようにコロナ禍を生き抜くのか。
全人類が経験したあの未曾有の災厄の果てに見いだされる希望とは。自らも現役医師として現場に立ち続けたからこそ描き出せた感動の人間ドラマ。
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この本を書いた知念さんが医療従事者なので、一般人では想像もつかない程の壮絶であったろう病院の現状が、痛いぐらい伝わってくる話でした。
読むのが辛いと思う人も中にはいると思いますが、世界を襲った未曾有のウイルスと戦い、科学の力で対応していった人間の物語を、私は興味深く読みました。
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医療従事者からの目線で書かれたコロナの記録小説だ。忘れかけてる事もあって、ただひたすらに医療従事者に頭が下がる思いで読んだ。感染対策を継続し感染しないようにしなければと改めて思った。
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コロナのリアルがかかれた、体験記のようだった。
2023年1月現在も終息はしていないが、コロナに対して当初はかかった人が悪だったものがいつどこで誰がかかってもおかしくないものに変化し、社会生活の規制もだいぶなくなってきた。
この本で改めてコロナ初期のことを思い出した。
また本当に医療従事者には頭があがらないし、最前線で働く医者看護師は特に労働環境が悪く、対策も分からないウイルスに試行錯誤して戦う様子には感謝しかなかった。身も心もすりへってまで戦っていただいた方々に敬意をもつとともに何かもっと感謝を表せる方法はないかと考えさせられた。医療従事者目線と比べると自分は甘かったと思うこともあるが、コロナ化で明らかになったのは人間の価値観や捉え方の違いだなと感じるようになった。
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前情報なしで読んだけど、現実のコロナ禍のことが事細かに書いてあって、しかもリアルな人名もたくさん出てきて驚きだった。
今後コロナ禍のこと忘れないためにも大切な一冊だと思う。
実際の医療現場がどれほど右往左往していたかはわからないし、小説だからちょっと大げさなところもあるのかな、とは思うけど、今もまだコロナの流行ってる状況で読んだから身が引き締まる思いだった。