電子書籍
とにかくやってみましょう
2018/02/11 10:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事斡旋会社から斡旋される仕事が個性的なこと。監視やバス車内のアナウンス広告を考える仕事、煎餅個包装紙裏のひとことコラムを書く仕事等々。主人公は脳内で色々ツッコミながらも「やってみるか」と職場へ赴く。ちゃんと完結した仕事なんて「監視」の仕事くらいじゃないの。コラム書きも、ポスター貼りの裏の仕事も向いていないわけじゃないけれど、状況が許さず断念。特殊なだけに特殊な事情が絡んでくるあたり致し方なし感が出てて読者もあきらめがつく。主人公の職への情熱は普通だが、普通じゃない周りに巻き込まれて行く様が極上に愉快。
電子書籍
奇妙なお仕事小説
2017/01/30 07:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ありそうでなさそうな仕事をする主人公が、いろいろな人と関わりながらいろいろなことを感じていくが、この本を読んで、健康で職場環境がよく、自分がある程度得意とする分野や仕事で社会に貢献できることは、様々な要素が正常である貴重なことだとおもった。
紙の本
三崎亜記なら「やられた!」と言うかも(言わないか)
2016/12/20 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
シビアな話なのかと思っていたら、そうではなくて、ちょっとファンタジー系の不思議な話だった。読んでいるうちにこれは何かに似ているぞと思ったら、三崎亜記の小説だった。バスのアナウンスの仕事の話なんて、三崎亜記が読んだら、「やられた!」って思うんじゃないだろうか(思わないか)。微妙な感じの挿絵もいい味出してたね。
紙の本
タイトルがインパクト
2016/03/13 01:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事に燃え尽きた30代の女性が、様々な派遣の仕事を通して、仕事というものを見つめ考える連作短篇小説。こんな監視の仕事なんてあるの?って思ったり、バスのアナウンスのお仕事やおせんべいのお仕事など、読んでいて奥深いと唸らされたり。本当に興味深い仕事達が出てくるが、これはあくまで「ファンタジー」と頭の隅に強調して読まないと、暫し現実世界と混乱を覚えるおそれあり?何度見ても唸らされるタイトルがまたすごいと思う。
投稿元:
レビューを見る
津村記久子=お仕事小説得意な作家さん、というイメージ。
そんな津村さんの最新刊はお仕事ファンタジー小説!
面白くないわけがないじゃないですか。
初めのみはりの仕事からつかみバッチリ。作家の自宅にとりつけた隠しカメラの映像を一日分ずっと見つづけて不審なところがないか見張り続ける仕事なのだが、寝てるとき以外は早送りしてはならない。仕事に慣れたら2日分を一気に監視することが可能。目的は当事者も気づいていないマル秘なブツが隠されていることがわかっているのでそれを発見すること。気がおかしくなる仕事を実にコミカルに描いている。
それと好きだったのはおかき袋の仕事。
津村さんご本人がこんな仕事あったらなーと思いながら書いたそうです。どんな仕事でも、楽そうに見えてもたやすくはないのだなと。
投稿元:
レビューを見る
おもしろかった!ちょっと変わったマニアックな仕事の話なんだけど実際にきっとある仕事の話だから想像できた。一見地味な世界にもちょっとした事件やドラマがある様子が細かくユーモアをもって描かれていて読んでいてリアリティーとおかしさとで笑ったしじわじわと感動もした。主人公がいい子で好き。これからもどんなとこでも働けそう。津村さんのお仕事小説をもっと読みたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
津村さんらしいお話。
ストーリーは大学卒業後に14年勤めた会社をやめたOLのお話。
燃え尽き症候群になり
会社をやめて、ハローワークに通う主人公。
そこで、紹介される仕事は変わった仕事ばかり。
え?そんか仕事あるの?っと思わずいいたくなる。
いろいろな仕事をして、
ある決断を下す…主人公はいろいろな仕事をしながら働く意味や自分の働く上での原点に気づいたんだろうなーっと思いました。
面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
ものすごくおもしろかったし、ものすごくよかった。津村さん、ほんとうにはずれがない! 大好きだ。
好きな仕事だったのにいろいろ疲れ果てて辞めたらしい主人公が、紹介してもらうちょっと変わった仕事を次々と体験する話。紹介される仕事がちょっと変わっていてファンタジーめいているのだけれど、嘘っぽくなくて、いやいや現実にありそうだ!と思えるところ、いやいややってみたいかも!と思えるところがすばらしい。(わたしがとても心惹かれたのは、おせんべいの袋の裏のひとことうんちくみたいなのを書く仕事。わたしは甘党なんだけどおせんべいが食べたくなった。わたしは甘党だからわたしがやるならクッキーの袋とかがいい(どうでもいい))。
恋愛はないし、深い友情で結ばれるとか、つながりとかもないんだけど、職場やひととき顔を合わせるだけで一見表面的な出会いでも、なにかちょっと温かい交流があったり、理解があったり、というのが素敵。こういうのが津村さんの特徴にも思える。主人公が、臆病と思えるくらい人々をすごく観察している、っていうのもなんか共感できて。
ごく普通に書かれているのに、なんだかものすごくおかしくて吹き出しそうになることもあって。津村さんのユーモアの深さみたいなのを感じる。
投稿元:
レビューを見る
職業という大きなくくりで
区別できないおしごと話
職業ではなく、
ひとつのおしごとに携わる様が描かれていて
おもしろかった。
いろんなところに
おしごとは発生していて
向き合っている人たちがいるんだなあ。
投稿元:
レビューを見る
タイトルからもう最高だって思って読み始めた。
14年勤めた会社をやめた主人公、5つの物語に5つの仕事。リアルさと、ファンタジーっぽさのバランスが絶妙で、仕事に対する思いは身につまされるところもあった。主人公のぐるぐる考えすぎちゃうところや、えいやっとエンジン掛けてやるところは好感持てて良かったな。
津村さんの作品本当好きだー。
投稿元:
レビューを見る
このかたの書くお話が好き。
地に足をつけたいのに、数センチ浮いてしまってるような
(↑こう書くと●ラえもんみたいやなw)
希薄で、もどかしい現実感。
この本はそれが満載。
「あり得なさそうな仕事」感 と
「主人公が現実と関わる距離」感 の強度の割合が
お話が進むごとに逆転してって
きっとこの本のあとには…と思ってしまう。
なんだかんだ言っても
この主人公、コミュ力高いしな。
投稿元:
レビューを見る
(2016/1/8読了)
主人公は30代後半、独身の女性。長く勤めた仕事を辞めたその後の転職先での出来事を綴った、連作。
それぞの話には、主人公を含め、心の病が大なり小なり関わっている。それでも暗い話ではなく、啓発的話でもないけど、読み終えて、安らぎや温かさを感じた。
理想論や出来過ぎ感があるのは小説なのでしょうがないと思いつつ、5つの仕事については作り物ではなく、実際にありそう。
職安の人が、みんな正門さんのような人ならいいのにね。まあ、ちゃんと対応してくれるのは、紹介を受ける主人公の人となりがしっかりしているからだろうけど。
津村作品、初めの頃と作風が変わって来たようだけど、どちらも好きだな。
(内容)
「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、という。そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があって―1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説。
(目次)
第1話 みはりのしごと
第2話 バスのアナウンスのしごと
第3話 おかきの袋のしごと
第4話 路地を訪ねるしごと
第5話 大きな森の小屋での簡単なしごと
投稿元:
レビューを見る
穏やかでユーモアたくさんのなかに
翳が見え隠れするような話。
「どの人にも、信じた仕事から逃げ出したくなって、
道からずり落ちてしまうことがあるのかもしれない」
でも、ちゃんと希望もあった。
投稿元:
レビューを見る
14年間務めた仕事を燃え尽き症候群で辞めた
三十代半ばの女性が、職業紹介所で紹介された
5つの仕事を体験するお話。
仕事の成功は依頼された人の意向を汲み取り
依頼人のイメージと自分の中の完成イメージとを
どれだけ擦り寄らせることができるのかに
かかっていると思っていた私。
人の感じ方は千差万別で、
ちょっとしたニュアンスの違いや経験値の違いで
自分勝手な解釈を必ずしてしまうものなので。
この主人公、一風変わった仕事を
オリジナルのアイデアや、時には周りの人を巻き込んで
迷いながらも着実に自分のものにしていきます。
最初は主人公の心の声がツボにはまり、
笑っていられたんですけど…。
3・4・5話は何だか苦しくなりました。
主人公は優秀で、雇用する側からの評価は
常に高いものなのです。
それなのになぜ苦しくなってしまうのか。
相手方に突進しすぎるのは良くないのかも知れません。
余白が、遊びの部分が全くないと
自分のいろんなものが追い詰められていってしまうのかも。
とはいえ、誠実な態度で仕事に臨むことにより得られた
主人公と職場の様々な人との関係。
その関係が進ませてくれる先に、
主人公の本当の居場所が待っている気がする終わり方が
ステキって思いました。
津村記久子さん、初読みです。
深いですね。労働を丁寧に観察されているなぁと
もっともっと読みたくなりました。
この題名の通りと、常日頃思っていて
手に取って大正解でした。
5つの仕事を何か紹介されるのであれば
私は迷わず「バスのアナウンスのしごと」を
選ぶと思います☆
職業紹介所の「正門さん」って何者なんでしょう?
この物語、続編はできませんかね??
投稿元:
レビューを見る
てっきりエッセイ集かインタビュー集なのかと思っていたので、小説だった事にまずビックリ笑
結局巡り巡って、自分の天職に出会うのが、なんとも。私も一度全く違う仕事に就こうか悩んだ事もあったけど、結局この主人公の様になりそうだと思ってしまった。