ジャーナリズムの傑作
2018/05/31 18:11
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:四月うさぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
トマト缶を愛用していただけに、この本の内容は衝撃でした。私がよく購入していたホールトマト缶は「イタリア産」と書かれていましたが、実際のところはどうだったのでしょうか。
腐敗して「ブラック・インク」と化したトマトに化学的処理を施して「食品」とし、製品化して売り出すのは、もはや犯罪に近い行為だと思うのですが、それで暴利を得ている人たちと、知らずに被害を受けている消費者がいるという事実に憤りすら覚えます。
特定の国や企業を悪く言いたくはありませんが、利益を伸ばすことだけに目を向けるのではなく、もっと自社製品の製造に誇りを持って真面目に取り組んで欲しいと思います。彼らが今までのやり方を反省し、自社製品を買ってくれる消費者に誠意をもった対応をしてくれることを望んでいます。
トマト缶の知られざる真実です!
2018/06/09 14:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、徹底的な取材・調査をもとに書かれたトマト缶についての生産から流通までの謎についての書です。今やトマト缶は世界で100億ドルにものぼる生産を誇っていますが、実はその生産から流通までの過程で信じられないことが起こっています。中国産トマトがいつの間にか「イタリア産」になっていたり、廃棄処分のトマトが使われていたり。。。この書を読むと、もうトマト缶を食べられなくなるかもしれません!それくらい衝撃は大きいのです!
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
トマト加工産業に関わるブラックな実態に迫った本です。
輸入食品店で100円未満で売ってるトマト缶は大丈夫だろうかと考えてしまいます。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界中で食べられているトマト缶。自宅でもよく楽でおいしいので食べていますが。トマト缶の真実がこの本に。
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イタリア産と書かれつつ、原材料が違うというのは知っていたけど、背景が見えておもしろかった。
食品衛生、経済、マフィア、労働…どれだけ問題が詰まっているのか…
相場すらもうわからないくらい、安いのが当然になっているものもあるけど、労働力を搾取しているかもしれない。
選ぶものに出来るだけ責任を持って生きたい。
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中国・新彊ウイグルの生産地で収穫されたトマトが世界中に輸出されている。特にアフリカやヨーロッパで消費されるトマト。中国の軍や、イタリアのマフィアが関わりながら。
資本主義の行き着くところ、人間の欲望の行き着くところのディストピア。3倍濃縮のトマトを水で薄めて、大量の添加物を加えて、2倍濃縮のトマト缶として売り出す。南イタリアのイメージを添えて。実際には、トマト缶の中身の60%は添加されたトマト以外の物質で、トマトは中国で生産、加工されているにも関わらず。
酸化して真っ黒になった濃縮トマト、異様な匂いのする濃縮トマトが、添加物によって赤い濃縮トマトに蘇って、そして流通していく。資本主義にとってはそれは勝者の振る舞いなんだろう。
著者は、中国、イタリア、フランス、アメリカ、アフリカの生産地、加工工場に足を運ぶ。資本家に取材し、労働者に話を聞く。資本家が決して見せようとしない、添加物を混ぜ合わせる現場を盗み見する。そして、実態を明らかにしていく。
著者は現実を明らかにするだけである。それがおかしいだとか、こうすべきだとか、それは言わない。その後は、読者に委ねられている。
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どの国にも身近にあるトマト缶の恐ろしい真実が綴られています。
著者がトマト缶に関する古今東西の事実を取材し、詳細に丁寧に纏められた文学作品のような出来の一冊。
あまりの衝撃と面白さと恐ろしさで、あっという間に読了しました。
日本で流通しているトマト缶は問題ないと信じたい…。
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☆濃縮トマトの生産は、アメリカ、中国、イタリアが上位3位。中国産濃縮トマトを水で薄めて缶詰として輸出。濃縮トマトの中には、酸化して腐ったトマトの「ブラックインク」もある。濃縮トマト31%に対し添加物69%。
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中国とかイタリアマフィアとか,トマト缶にまつわる闇は深いし,怖い.だけど,トマトだけじゃ無いだろうし,レトルト食品缶詰類など食の安全は深刻だ.
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さて問題です
濃縮トマトの生産と輸出の国はど~こだ?
イタリア?フランス?トルコ?
正解は中国でした~!
「でもスーパーのトマト缶ってイタリアが多くない?」
実はそれって…
さてさて、トマト缶の恐ろしい真実を知って本当にその缶を買えますか?
世界各国のスーパーに並ぶトマト缶
農産物の加工品と思ったら大間違い!
ラベルのトマトとは似ても似つかないトマトを使用
中国産の濃縮トマトをイタリア産として販売する会社
イタリアのトマトの収穫などで奴隷のように働かされる人々
今やトマトは麻薬以上に利ザヤを稼げるアイティムに!?
アグリマフィアたちが狙うトマト市場
カポラーレとゲットーの存在
さらに世界中が食いものにしようと狙うアフリカの市場
中国の一帯一路を担うトマト工場
腐ったトマト缶の輸出
カポララートという労働者搾取システムに支えられた「自由主義」
これを読んだらトマト缶は食べまい!と思うに違いない
もちろんトマトケチャップやパスタソースなどの加工品も然り
トマト缶には腐敗政治と添加物と現在の奴隷制度が詰まっている。
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食料品はついついまとめ買いをしてしまっています。
トマト缶は以前は200円くらいしたと思うのですが最近は100円で売っているし、まとめ買いすれば1缶70円ぐらいにもなっています。
こんなに安くていいの?という疑問もあったのですが、安いのはありがたいのでやっぱり買っていました。
そんなところにこの本を見かけたので読んでみました。
フランスのジャーナリストによる、トマト缶生産過程と流通のルポタージュですが、その問題点として資本主義の問題点、労働者搾取問題などの根本に話が及んでいます。
まずは原材料であるトマトの収穫。
トマト加工品と言うと、八百屋で売られる赤く丸く瑞々しい姿を思い浮かべるが、実際に使用されるのは加工に適した特徴を持つ遺伝子工学研究の末に人工的に生み出された「加工用トマト」。細長く堅く、水分を飛ばす作業を減らすために水分が少なく重くて実が詰まっている。収穫後にトラック輸送したり加工機械に入れても潰れない様に皮は分厚く堅く丈夫に作られている。
世界に流通している加工用トマトの輸出国は、中国、イタリア、アメリカで大半を占めている。
中国では新疆ウイグル地区にある巨大なトマト畑でトマトの収穫が行われる。
ウイグル地区は、石油、石炭、天然ガス、石炭、ウラン、金といった天然資源を持つため、歴史的に中国やロシアの支配下に置かれたり、ほんの短期間独立したりしながら、現在では「新疆ウイグル自治区」として中国に併合されている。
ウイグル自治区では、中国の兵団が管理するトマト畑で収穫し、加工工場で缶に詰め、その工場を動かすための天然資源も採掘できる。そしてこの広大な土地では軍事訓練も行う。
ウイグル自治区でドラム缶に詰められた三倍濃縮トマトは世界中に輸出される。
売り出す時には加工地を書けばよいので、フランスやイタリアで中国産三倍濃縮トマトを水で薄めて二倍濃縮トマトに再加工して売ったとしても「フランス産」「イタリア産」として販売できるというシステム。
トマト加工会社として、アメリカの食品加工会社ハインツカンパニーの歴史が語られる。
南北戦争や二つの大戦により、缶詰食料の売り上げは伸び続けた。アメリカ大企業の歴史は国家の発展の歴史でもある。
ハインツカンパニーは一度もストライキが起きていない、家長制度により運営されたなど、アメリカ優良企業だが、その反面過重労働が行われて来たり、歴史を経て原材料は自社のトマト畑ではなく中国から購入した安いトマトを使用するようになった。
イタリアでは、トマトはイタリアの発展を示すプロパガンダにも使われた。
食品販売にはイタリアの四大マフィアが資金洗浄のために関わって行った。
手配師たちが、国内求職者や移民たちに違法で仕事を斡旋し手数料を取る。
賞味期限が切れたり衛生基準を満たしていないドラム缶詰め濃縮トマトはアフリカに輸出される。そのようなトマトを輸出しやすい国は、衛生基準が緩く、税関審査が厳しくなく、管理体制に不備があり、公務員が買収されやすい国々だ。
メーカーは流通業者に安く提供できるために添加物を���案する。トマト缶詰にはランクが付けられるがそれは添加物の割合。添加物が多くなるほど安くなる。
アフリカはかつてトマトを生産していたが、今では生産地としてイタリアやフランスの国名が書かれた中国産が出回っている。
食料の多くは労働者が搾取されて生産されている。食品が高く売れたとしても、儲かるのは中間販売者であり農業生産者ではない。オーガニックでも原産地がはっきりしていてもそれは同じだ。
世界各国多くのメーカーが出しているトマト缶の違いはパッケージデザインだけで中身の大半は中国の濃縮トマトを元にした加工品だとしたら、現在の流通とは「多様」「競合」「選択の自由」を提供しているようで、実際には一部の人間の利益のみ追及されているのではないか。
…というように、”トマト”というなんだか明るい印象の野菜の売買を通して浮かび上がる現在社会の問題点の深さ。
この本ではトマト缶に焦点を当てていますが、トマトに限らず自分が食べる食料、自分が使う用品すべてに共通する問題です。
トマト缶が安い~と軽く買っただけなのに、深くて絡まった網目をさらに絡まらせる役目を担ってしまったような気分。。
「商品を選択する自由もない」「オーガニックだろうが搾取は行われる」となったら何をどうしたらよいのか分からなくなってしまうのだが、安い~、に飛びつきただでさえ絡まった網目をさらに混乱させることはしないように気を付けていきたい…
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たまには小説を離れドキュメンタリーなどを読んでみた。
普段目にする、手にする、食にするトマトペースト。大手スーパーに堂々と並ぶこれまた大手メーカーのトマト加工品の裏舞台を暴く、その取材の尽力には脱帽する。
他国の技術は貪欲に吸収し、そして自国の技術は一切公開しない中国大陸の恐ろしい真実。
この濃縮トマトの缶詰は氷山の一角で養殖ウナギやミルクパウダー、有害物質の検知でなんども問題になる食の安全を崩壊させる中国だが、決して中国そのものが悪いのではない。コスト重視、販売拡充、利益追従、安く売れればなんでもいい、そして安けりゃ安いほどいいという需要と供給が完全一致した市場が人権無視、安全無視の商品を生み出してる社会そのものが諸悪の根源。
この本は最後に原料31%、添加物69%の中国加工業者を暴いたが、なにも中国に限ったことじゃない。日本でも産地偽造、賞味期限改ざん、破棄物再利用を当たり前にやっている業者などゴマンといる。そして安く買いたたく商社、安物買いの消費者がいる。
この本を警鐘としたところで響かないのが現状だ。
今、コロナウイルスで社会は騒然としているが、コロナウイルスなんて地球規模で考えれば大地に吹く一陣の嵐のようなもので目先に必死の人類の対応に辟易する。
身に振る火の粉には必死なのに他は見て見ぬふり。喉元過ぎればなんとやら、だ。
人の業は深く重い。人類ほど同類にやさしくなれない種族はないだろうね。
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今巷で売られている、或いは買っていると言った方がいいか、トマト缶は全てがこのルポにあるような代物なのだろうか?貧困国で売られているものだけかもと、ずっと疑念を抱きながら読み終えた。
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魚を他の場所から仕入れて少し生簀で飼ってそこの産地にするのと同じ原理なんだろうが、トマト缶もご多分に漏れないそうだ。
中国で育てて3倍濃縮にしたのをイタリアが輸入し、薄めて2倍にして塩を加えてイタリア産として輸出している。
トマト缶にもランクがあって、トマトの品質ではなく詰め物が多いとランクが下がり、最低ランクだと30%程度しかトマトが無いらしい。
イタリアの狭い国土でトマトをなんでそんなに輸出できるか疑問だったが、そういうカラクリなのね。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425957.html
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オリーブオイルも、イタリアンマフィアのフロント企業のマネーロンダリングの道具となっていることを知っていたので、さもありなんと思った。
しかし、オリーブよりタチが悪いのは、ウイグルも絡んでいること…
もう2度とトマトの水煮缶を食べることはないかな…