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紙の本
くもの糸
2022/01/26 13:41
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投稿者:けなちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻で,読みの甘かった経営者たちが落伍していく姿を,読者の私は,一種自業自得だと冷静な眼で読んでいたが,中巻になってその落伍者候補が準主人公の鉄平に移る。
張り巡らされた万俵大介のクモの巣の糸に,鉄平や鉄平の旧知の仲で多大に支援してしていた三雲頭取がまんまとひっかかり,もがけばもがくほど強く絡まり,身動きが取れなくなる。
清らかなため理想を突っ走るようなどこか坊ちゃん坊ちゃんが抜けていない鉄平,物事を俯瞰して見ることはできているものの,日銀出身で市中の熾烈な争いに揉まれ慣れていない三雲頭取。
2人とも甘いなとは思いつつも,中巻を読み進むにつれ,つい思い入れしてしまう。
そして上巻で奈落の底に突き落とされていった経営者たちの苦しみを私も我がことのように感じるようになる。
本当に見事なストーリー運びだと思う。
電子書籍
なんだか
2021/04/16 22:06
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社と会社の思惑と駆け引きが怖くなります……。しかし、さまざまな登場人物が現れる…中で、その中でも、高須相子が、なんとも言えず、……存在感が、すごいです。
下巻が楽しみですね
紙の本
山崎小説
2019/06/09 06:19
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
銀行や財閥の闇の権力を描いた秀逸な作品の中巻。虚飾に満ちた家族関係の泥沼さがよく描かれている。人間の醜さとはこういうものか。
紙の本
出生の秘密
2017/01/25 22:12
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともと第三銀行を呑みこむことを狙っていた大介であったが、対立政治家の資金源であることがわかり、諦める大介。よりにもよって先に第三銀行と平和銀行という中位行どうしの合併を予定していて、先を越されそうとわかると、永田蔵相と結託して、その合併を潰そうと画策する大介。政治家、官僚の派閥争いが絡んだ各自の思惑にしたがった展開は面白い。特に言葉尻などそれぞれがうまく対処しているところが見ものである。その後の銀行局内での机上の合併構想とそれをなんとか利用しようとする大介。そういった狡猾さもよい。中巻後半の大同銀行の日銀派と生え抜き派の抗争もまた同様に面白い。神楽坂で集まって慰めあいながら、日銀組は鉄鋼などの基幹産業に融資したがり、石鹸のような庶民的な産業には目もくれないなど融資先選定の件から、副頭取の人事まであらゆる不満で渦巻いているようである。
一方で、鉄平の出生の秘密も中巻で明らかになる。敬介がお風呂で寧子をとの疑惑であり、それを寧子も大介も疑っているが、確実ではないところがよくできた筋であると感じる。そして鉄平が大介でなく敬介の子供であるなら、実子にあたらない鉄平に冷たくあたる大介の気持ちもわからなくはない。
また万樹子の流産騒動と、銀平の万俵家に対する諦念的な屈折した感情。二子の望まないお見合いとそれを強引に推し進める大介の愛人相子など、さらに万俵家はおかしな方向に進んでいくことになる。
しかし、そもそもこの時代に、このような出生に関するドロドロがあるのだろうか。出生の秘密についてというと、秦の始皇帝が思い浮かぶ。始皇帝(名は政)は、父が荘襄王ではなく、その家臣である呂不韋ではないかとの話があり、有名である。中国のみならず日本であっても古い時代においては、跡目争いも熾烈であろうし、このような富貴な家の骨肉争いもなかなか想像に難くない。一方、本書で描かれている時代においては、多少現実離れしているように感じるのは私が現代的すぎるからなのだろうか。