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紙の本
おらんくの池 (文春文庫)
著者 山本 一力 (著)
“おらんく”とは土佐弁で「おれの家」のこと。愛する故郷・高知から上京して四十年。二十一世紀の江戸に暮らす、山本家は今日も大騒ぎ。「週刊文春」連載の爆笑日常エッセイ第一弾。...
おらんくの池 (文春文庫)
おらんくの池
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商品説明
“おらんく”とは土佐弁で「おれの家」のこと。愛する故郷・高知から上京して四十年。二十一世紀の江戸に暮らす、山本家は今日も大騒ぎ。「週刊文春」連載の爆笑日常エッセイ第一弾。効果的なセールストーク、道中疲れを治す秘伝、贈り物の極意—生きていく上で役立つ“一力流格言”は、きっとあなたの心に届くはず。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
こういう人生経験と魅力ある人々に囲まれてこその、山本作品たちなんだなと。
2009/09/28 11:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
私がずばり「粋な時代物を書かせたら当代一!」と言って憚らない山本一力氏の、エッセイ集であります。「おらんく」というのは「俺の家」という意味の土佐弁だそうで。池というのは土佐湾の事。「おらんくの池にゃ、潮吹くさかなが泳ぎよる。」負けん気の強さでは日本一!と自称する高知の人々が、土佐湾を自分の家の池に見立て「自分の家の池では鯨が泳いで潮を吹いているぞ!」と見栄を張るのだそうだ。高知出身の作者が、郷土を愛し郷土の言葉を愛している事が良く分かるタイトル。
またもちろん山本ファンなら、氏の作品は江戸を舞台にした物がほとんどである事を知っている。であるだけに、そのギャップが逆に楽しみだったりする。ちゃきちゃきの江戸っ子だったらなんだか当たり前な感。高知出身で、東京に出てきて新聞配達をしながら高校に通ったという山本さん。そして職も二転三転し、時代物の物書きへと辿り着いていく。その波乱万丈の日々と、今日までに出会った魅力溢れる人々との触れ合い。それを描いているのが当作品「おらんくの池」。高知出身の山本さんが東京に出てきて、江戸の世の中を描かせたらピカ1と評されるまでになるには、一体どんな経験をし、どんな人々に出会ってきたのか。
まず何しろその経験値の高さに驚かされる。新聞配達員を務めた時の経験は著書「ワシントンハイツの疾風」で読ませて頂いていたが、他にも大手旅行代理店の添乗員や広告代理店関係の営業などなど、いろんな職業を経験されている。「ワシントンハイツの疾風」では、新聞配達員として働く日々で得られた、かけがえのない体験が物語形式で描かれていた。配達先のワシントンハイツで英語を習得し、その語学力で大手旅行代理店へ就職し成功していく。そしてまた幾人もの女性との出会いと別れで得られた、人間としての成長。そんな事をテーマにした、山本氏の自伝的物語。本作品ではその後の旅行代理店や広告代理店での経験や、今の日々に何を思うのかなどが山本氏の素の言葉で綴られている。まま現れる土佐弁も、氏の心底を現しているようで非常に好感触。
320ページほどの本に、何と80近くものエッセイが並んでいる。そのどれもが興味深く考えさせられ、またご家族とのやりとりには腹を抱えて笑わされてしまう。一日にひとつふたつ、じっくりと心に刻むように読むと、良いかもしれない。氏の物語が何故あんなにも深く胸に染み込んでくるのか、何だか少しその理由が分かるような、エッセイ集でした。