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商品説明
休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子供の頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。【「TRC MARC」の商品解説】
休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子どもの頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。かりゆし58の名曲「アンマ―」に着想を得た、書き下ろし感動長編。【商品解説】
著者紹介
有川浩
- 略歴
- 〈有川浩〉高知県生まれ。「塩の街」で電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉を受賞しデビュー。ほかの著書に「図書館戦争」シリーズ、「阪急電車」など。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年9月号より
書標(ほんのしるべ)さん
皆さんにとって、「母親」とはどういう存在だろうか。この物語の主人公「リョウ」には2人の母親が存在する。そしてその2人の母親は、「リョウ」を生んだ実の母親を「お母さん」、実の母親との死別後父親と再婚した義理の母親を「おかあさん」として表現されている。
物語は「おかあさん」に親孝行をするため、「リョウ」が故郷である沖縄に2泊3日の帰省をする場面から始まる。そんな「リョウ」は、沖縄に行く前自分がどんな生活をしていたのか、どんな仕事をしていたのか、まったく思い出すことができない。そんな曖昧な記憶のまま「おかあさん」と沖縄で過ごす現在。「お母さん」を亡くして間もなく父親に再婚を告げられ、その相手である「おかあさん」と彼女の故郷でありこれから自身が生活をする沖縄を受け入れられなかった過去。その2つの時間が物語の中で混在し、不思議な時系列と雰囲気を生み出している。
終盤、それまでずっと片仮名で書かれていた「リョウ」の本名が明らかになると同時に、物語は一気に加速していく。「お母さん」の死後まもなく再婚した父、放浪癖があり自分の気持ちなどわかってくれないと思っていた父、そんな父にも間違いなく愛されていたのだと「リョウ」は気づく。急に母親になり少なからず戸惑ったであろう「おかあさん」もまた、父や「お母さん」に負けないくらい自分を愛してくれたのだと気づく。そして、今沖縄にいるこの瞬間が奇跡であることにも。沖縄での3日目が、終わる。「リョウ」の世界が、ふっと溶けていく。
この物語を読み終えた人たちに、もう一度問いたい。
皆さんにとって、「母親」とはどういう存在だろうか。
紙の本
新作を買わざるを得ない魔力
2016/09/09 03:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格デビューとなった「空の中」以来、新作が出ると真っ先に読んでしまうのだが、本作については、何故沖縄? との思いからしばらく積んどく状態だった。
しかし、この人の小説はとにかく読みやすい上に分かり易い。それでいて最後には泣かせる。分かっていても本作のように予想をあっさり覆す展開で泣かせて見せる。もともと泣くつもりで読む作家ではないのだが、最近の作品はコノ手が多いのが無性に悔しい。「現時点での最高作」かどうかは疑問の余地があまりあるが、最高に楽しめたのは認める。沖縄を舞台としたのも、“奇跡”のためというより、「3大がっかり」をとっかかりに、「沖縄なんか」「北海道なんか」と言わしめながら、しっかり故郷への愛を描き、なおかつ高知をアピールするしたたかさ。
この作家、新作ごとに、進化というより、うまい言葉が見つからないが“増殖する作家”といった気がする。個々の作品の面白さとは別に、どこまで領域を広げていくか楽しみでもある。
紙の本
泣けます
2018/07/14 00:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のリョウは休暇で沖縄に帰って来て、親孝行のために「おかあさん」と島内観光して3日間を過ごすお話しですが、この「おかあさん」は実は継母で、実の母親「お母さん」は北海道で教師をしていましたが、彼が小学生の時に癌で亡くなってしまっていました。カメラマンの父親はその喪失に耐えられなかったらしく、撮影旅行に出ることが一層増え、死後1年かそこらで沖縄でガイドをしてもらった女性「晴子さん」に恋していまい、再婚することになり、早々に北海道の家を売って、息子を連れて沖縄に移住していまいます。
作品ではこの無神経ダメ父との思い出が丹念に語られます。お母さんの今際の際の言葉「お父さんを許してあげてね。お父さんは、ただ、子供なだけなのよ」というプロローグで始まるだけあって、この作品は「アンマー(母)」にだけ捧げられる息子の感謝の気持ちだけではなく、この再婚後たった4年であまりにも早くこの世を去ってしまったダメ父にも和解と理解の気持ちが捧げられています。
また、かりゆし58の前川真吾氏が「「女性」と「母性」、この小説に出てくる母親たちの愛情には、二つ分の深さがある、二乗分の美しさがある。」とコメントされたらしいですが、その通り、二人の母、「お母さん」と「おかあさん」の女性としての父に対する愛情も切なく描写されています。その辺はやはり女性の視点なのかなと思いますが。
そしてこの「3日間」が、沖縄が起こしたある種の奇跡であるという趣向も味わい深いです。過去の回想というだけでなく、妙に過去の出来事とその当時の自分の姿を質感を持って感じられることや、自分の「現在」の記憶があやふやであることなどただの休暇の日々でないという違和感が漂っています。それがどういう現象だったのかという説明はありませんし、野暮でしょう。ただ最後にリョウこと坂本竜馬がなぜ沖縄に来ていたのかという現在の本当の理由と状況は説明されています。
偉大な母の愛情やダメ父の分かりづらい愛情も結構ぐっときますが、一番ぐっと来たのは女性としての晴子さんが亡くなった夫に思いを馳せて「いつかニライカナイで会いましょう」と言うところと、あの世で取り合いにならないようにと前妻のお墓参りに行って彼の「魂を分ける」取り決めをしてきたというところでしょうか。女性としても人間としても懐が深い感じがしますね。あと、棺の中のダンナにひっそりとキスをするところも切なくていいシーンでした。
紙の本
泣ける
2017/03/07 14:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:saya - この投稿者のレビュー一覧を見る
有川さんの作品大好きなのですが、こちらは題名からそれほど惹かれず読み始めました。でもすごく良かったです。登場人物それぞれがいい味を出していて、お父さんはちょっと困った人ではありましたが、晴子さんが大好きでした。明るくて思いやりがあってそれでいておちゃめで可愛らしい人でした。じーんと来るところがたくさんあり良かったです。
紙の本
泣いて笑って
2017/02/10 19:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chappy - この投稿者のレビュー一覧を見る
出た本は全て持っている有川浩
即購入したものの、何だか今までの作品と毛色が違う気がして暫く放置
時間を持て余して手に取ったけど、さすが有川浩
最初を読み始めたら止まらない
読みやすい文章でタイトルから完全に母と子の話と思い、
サラサラと読んでいたら…完全に油断してました
その中にある父と子の話
涙が止まらず拭いながら最後まで読んでいくと、やはりタイトル通りの母と子の話
有川浩のスゴい所は、素直な表現で裏表のない登場人物を描きつつ予想出来ないストーリーを描くところ
そして最後にはやっぱり違和感なく、収まるべき所に収めてくれる
だから読後感は爽快だし、また読みたいと思える
あまり興味なかった沖縄に初めて行ってみたいと思った
NHKドラマ5回とかで観てみたい
2017.02.10
紙の本
文庫になるまで待てなかった
2017/02/08 05:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台を沖縄にしたことで、沖縄の持つ地域的な雰囲気と物語の展開が相乗的に絡み合って織り成す、幽玄的な作品に仕上がってます。
有川浩、新境地の開拓か?!
うん、派手さは抑え気味やけど、確かに、いい作品や!読まな、この味は分からんで~!
沖縄行ったことのある人には特にお勧めです。
紙の本
図書館本(有川浩さんは文庫になったら買う)
2017/10/24 20:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はいね - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みはじめから「旅猫リポート」のような不穏な感じで、これは外で
読んではいけない本だろうとは思っていたけど今日は目がパンパンに腫れました。
子供のようなお父さんが私には凄く嫌だけど「良い女」にはこ~ゆう男が付くのかもとストンと来た。
有川さんは本当に家族や故郷が好きで大事に思っているんだなぁ。
紙の本
かりゆし58は知らないけれど。
2017/02/19 10:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去と現在が曖昧に交錯する三日間が、なぜ実の母親と生活した北海道ではなく、父の再婚相手とすごした沖縄だったのだろう。
個人的には北海道ですごした時間の中のリョウは本当の子どもで、実母の死によって大人にならざるをえなかったというのが大きいのかなと感じた。
同じ人を亡くしながら大人になりきれなかった父親は、あのエピソードが関係しているのだろう。
はりまや橋のエピソードは高知に対する有川さんのツッコミ愛だなと思った。
紙の本
面白かった
2020/02/26 23:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mizuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
…けれど…!
お父さんのダメっぷりがすご過ぎて…。
こういう方いるんだろうな。家族は大変だな…と、『明日の子供たち』を読んだ時と同じ様な事を思いましたが、このお父さん、私は受け入れられず…。
面白いく読めたのですが、その度合いで、有川さんの作品の中では低めの評価。(苦笑)
でも、奥さん二人がとても素晴らしく、出来た方!
息子さん、素敵なお母さんが二人もいて、良かったですね!
でも、あのお父さんに、こんな素敵な方が二人も結婚して下さるなんて…。放っておけない…なのか〜?(苦笑)
紙の本
ガイドブック
2016/08/28 02:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道で育ちながら、母が他界。父は一年後、沖縄の女性にのめり込んで移住。少年の微妙な心模様を、成人してからの振り返りの形で描く。有川氏らしくファンタジックであり、ほろりとさせる部分もあるが、沖縄の観光地巡りに終始し、ガイドブックの感を免れない。継母が沖縄の観光ガイドという設定を考慮しても、少々行き過ぎ。軽いタッチでで書かれているが、もう一工夫あれば楽しく読めたのではないか。過去と現在がうまく描き切れていない気もする。
紙の本
優しい家族の物語
2016/09/01 12:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スピカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯の「有川浩の最高傑作」の言葉の通り、本当に素敵な、何度も読み返したくなるお話でした。家族のお互いを思いやる愛情に思わず涙が溢れました。