電子書籍
三世代、女の人生
2017/08/08 09:18
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
咲子、千春、やや子三世代のそれぞれのお話。それぞれ独立はしているんだけれど底辺で繋がっている。決して幸福な親子関係ではないけれど、親を恨むでもなく三人三様、それを受け入れ生きているのが似ている点なのか。咲子も千春も何を夢に生きていたんだろう。その時々で精一杯だったのかな。咲かない咲子はそれでも最期、信頼できる相手に看取られた分少し幸せだったかな。北海道の漁村という荒寥とした寂しい土地だからこそ、この女性たちの行き方に共感できる点も生まれてくる。土地の勝利な気がする。東京が舞台だったら埋もれてしまうだろう。
紙の本
女の一生
2016/12/02 09:27
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道を舞台に三代にわたる女たちの生きざまを描く。と書くと、何やら演歌みたいな安っぽさを感じさせるが、さすがに桜木氏の筆は鋭く、どころか直木賞受賞後、書くたびに冴えてきている。3人の女を主人公にした9編の中では「冬向日葵」が突出。これだけでも☆5に値する。「星々たち」という表題を洒落るつもりはないが…タイトルの意味も後半の3作で分かるのが良い。
電子書籍
一気読みだけではもったいない。
2017/08/27 17:57
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投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気読みしたが、その後解説を読んでから再度じっくり読むとまた、新たな発見があって、物語の複雑な地模様が浮かび上がる気がしました。一人の女性の一生でもあり、その関係した女性たちの物語でもあり、夢の物語とも受け取れる。さすが桜木さんだとあらためて感心しました。
紙の本
重たかった…
2017/03/04 11:48
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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長いヨーロッパ線でのお手軽な読み物にと思って携帯していったのだが,重かった…。まぁ人生は重いものですね。気になったことが1つ。千春の設定が矛盾していないか。高校生の千春は進学校で成績優秀なはずなのだが,なぜストリッパーに?それからも愚鈍な女に描かれている。それでも文学賞を取る。今一つ納得できない。そこにこだわらなければよくできた短編集。楽しめた。
紙の本
生き方について
2019/05/31 19:47
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
母娘三代に渡る話なんですが、やや重めで暗いかな。彼女等に加え彼女等にかかわった人達が、それぞれの人生を幸せか不幸だったかは置いといて、力強く、逞しく、時には狡猾に生き抜く人の強さを見た気がします。このままで終わったらモヤモヤしたんでしょうが、ラストがすごく良く、全体を通して、ああそういうことなのねと物語のタイトルにも納得しました。生き抜くしんどさを楽しさに変えて人生を歩みたいです
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咲子、千春、やや子、三代の女性の物語。主に千春が中心に時代が描かれていく。情が薄いことを自覚する彼女たちは自分たちの心の安寧を一体何に求めるのだろう。最終話、やや子が昭彦に告げる言葉に少しだけ明るい未来があった。最後の最後に心を揺さぶられたのは、自分もまた情の薄さを自覚しているからかもしれない。
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章ごとに視点が変わる短編連作で、誰かひとりの人物について描く…という小説は前にも読んだことがあるけれど、こういう感覚は初めてだ。
感動というか、凄い、と唸る感じ。
奔放な実母・咲子とも、2度目の結婚で自分が産んだ娘とも生き別れた塚本千春という女。
ひとつの関係に囚われず北の大地をさすらう千春の、数奇な性と生、そして彼女と関わる人々の、光と闇の物語。
桜木紫乃さんと言えば、幸薄い北海道の女を描かせたら天下一品、というイメージ。
南国ではなく北国だからこその厳しさや寒さ、乾いた空気が、物語全体をモノクロの風景に変えているように感じる。
1冊通して塚本千春という女を描いている。そのはずなのに、最後まで千春が本当はどんな女なのか分からないままの不穏さ。
どんな経過を辿ったのかは描かれているけれど、千春が何を思いどんな風に考えてその道を辿ったのか、そして後悔や悲しみ等はあったのか、というのがまったく分からないところが、独特ですごく良かった。
ひとりの人をただの人として見つめるとき、実際こんなものなのかもしれない、と思ったりした。
言葉で語ったとしても感情の全ては分からないのだから、語られないところにその人の真実を見つけるのは不可能に等しい。「こう思う」「こうだったのではないか」というのは、ただの想像に過ぎない。
北海道のなかで土地は転々と変わるものの、千春と関わった人たちは皆、北の大地でつましく暮らしている。
安定した職に就く人、金に困っている人、夜の世界に生きる人、夫婦で静かに暮らしている人…実際そこらに生きているような人々の、悲しみや小さな幸せや日々の暮らし。
小さく光りながらやがて消滅してゆく命たち。
ドラマチックではないけれど、それぞれに生きた分のドラマがある。
全ての人が共通して語る千春の像は、細い身体にそぐわぬ大きな胸、美人ではないが妙に惹き付けられるような雰囲気、無表情で無口、何を考えているか分からない…。
客観的に見れば明らかに不幸な生い立ちと理不尽な人生。それなのにただの不幸な女とは片付けられない不穏な魅力。
千春もまた、小さく光っていつかは消える“星々”のひとつなのだ。
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おもしろかった。好きだわ。
全然違う世界なのだが「ポーの一族」みたいだと思った。
9編の中にはいろいろな人々が登場するが、その人たちと関わってくるのが千春という女性。
昭和から平成へ、いろんな時代の人々の前に千春は現れる。
あちこちに現れるエドガーとアランのようではないか。
そして「グレンスミスの日記」のように、それを本に著す人物も現れる。
その著書を千春に縁の深いある女性が手にした時の様子には、エディスに出会った時のアランのような気分にさせられた。
我々はみんな不老不死ではないだけで、エドやアランのように旅をしている。
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9つの短編から成り咲子、その子千春、その子やや子と3代に渡る話。
話自体は面白く、継続性があり最後まで楽しめましたが、それぞれの行き方に共感できませんでした。
女性の視線で読めばまた違った感想があるのかも。
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記録
3世代に渡る女の話。
『新しい恋はいつだって初恋だ。』
あたしもそう思う。
だから人を好きになる。
母の最期は幸せだけど痛い。
娘は事故に遭ってガラスと放浪する。
孫は彼の温かさをもっと感じて欲しい。
螺旋とかなんとか
そんな事はよく分からないけど
母や娘である前に1人の女だから
色んな人生があって仕方ないのかな。
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塚本千春という、男女の愛も家族の絆も求めず求められない女性が歩んだ数奇な人生を、彼女と関わる人々の視点から描く連作小説。
人物設定が秀逸すぎる。何を考えているのか分からない千春の存在を、人生を投げたような人々が語ることで不思議な輝きを与えている。一方で、冴えない生活を送る人々も千春が側にいる時は輝きを見せる。一瞬の相乗作用の後の虚無感が何とも言えない。
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咲子、千春、やや子三世代のそれぞれのお話。それぞれ独立はしているんだけれど底辺で繋がっている。決して幸福な親子関係ではないけれど、親を恨むでもなく三人三様、それを受け入れ生きているのが似ている点なのか。咲子も千春も何を夢に生きていたんだろう。その時々で精一杯だったのかな。咲かない咲子はそれでも最期、信頼できる相手に看取られた分少し幸せだったかな。北海道の漁村という荒寥とした寂しい土地だからこそ、この女性たちの行き方に共感できる点も生まれてくる。土地の勝利な気がする。東京が舞台だったら埋もれてしまうだろう。
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桜木紫乃作品の中では あまり好きな作品ではないかな。こういう母娘とか姉妹とかの話は好きだし 他にあるこういうジャンルの話はいいと思ったんだけど これはあまり。
咲子はわかる。やや子もまだわかる。でも千春がねぇ。なんていうか 感情がないっていうか 何考えてるのかわかんないのが 怖すぎて 全く感情移入はもちろんキライとも思えず ひたすら怖かった。これってある意味ホラーの怖さ。
新境地?
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母、娘、孫の女三代を軸にした短編集。親子の絆なしに、北国で過剰な期待をせずに淡々と生きる。いびつだけれど輝く星。こういったのは桜木さんならではだなあ。
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北の女。三世代の人生を綴った短編連作もの。
ひとりワルツ
スナック『るる』の咲子とヤクザのヤマさん。
渚のひと
咲子の高校生の娘千春、育子の息子圭一の子を身ごもる。
隠れ家
ストリップ『ろまん座』麗香と千春。
月見坂
木村晴彦と塚本千春、結婚。
トリコロール
田上和雄と千春、義母桐子。やや子出産、子を置いて消える。
逃げてきました
巴五郎と千春。『女体』塚本千春。
冬向日葵
能登忠治と塚本咲子。そして千春。
案山子
河野保徳と千春。千春の半生『星々たち』
やや子
千春の娘やや子と金平昭慶。最後に案山子の伏線拾う。