紙の本
万城目作品としては意外な内容
2015/08/24 20:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
娯楽性に欠けるという意味で、万城目にしては意外な作品だった。ホルモーから続く一連の関西を舞台にした作品、皆笑いたくなるようなユーモアや、びっくりするようなファンタジックな世界が展開されていた。けれど、この作品にはそれがない。中国古典の脇役を主役に、というコンセプトからは、わくわくするような話が書けそうに思う(特に万城目なら)。でも、そうはせずにしごくまじめに、明るくも楽しくもないタッチで書いている。しっかりした設定に感心はするけれど、好きなタイプではなかった。
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西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲、司馬遷に見向きもされないその娘など、中国古典文学の脇役たちに焦点を当てた連作集。
作者読みだったので、沙悟浄を主人公に据えた万城目ワールドかと思ったいたので、2作目で沙悟浄が出なくなって一抹の寂しさも…。
沙悟浄を主人公にしたバリバリの万城目ワールドも読んでみたいと思った。
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短編5作。
「悟浄出立」「趙雲西航」「虞姫寂静」「法家孤憤」「父司馬遷」
どれもいつか学んだり、聞いたことのある物語を別視点から見る。
自分を知ることは難しい。他人や世界を知ることで、そこにいる自分を見つけられるのか。そのことの「気づき」に気づかされる一冊。
淡々とした語りの中に漂う心情の動き、隠し切れずに溢れ出す感情に心が揺り動かされる。
とてつもなく、すごい作品。
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風太郎で戦国ものをものにした作者が次は中華ものに手を出したのかということで期待したが、短編集とは思わなかったので少々、残念。ただし、トヨトミプリンセスから風太郎という展開の様に、本作は次作の伏線かもしれない。中華ものといってもあくまでの作者の造形する中国人であって、本来激しく、あけすけな大陸的な中国人ではなく、少々、日本的な情緒をもった中国人の造形となっているので、次作、中華ものをということであれば、今までと同じ様なキャラ造形を期待したい。
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歴史はわかりません・・・。
唯一楽しんだのは「悟浄・・・」だけです。
頭の中は 西田敏行の八戒メンバーと最遊記メンバーで話が進んでいました。
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全部西遊記の話かと思ったら、西遊記は1作目の「悟浄出立
」のみであとは三国志な感じだった。三国志もずいぶん前に読んだっきりなので記憶もおぼろげ・・・。だけどこの作品は楽しめた。万城目さんとは思えない作風だけどすんなりと入りこめてよかった。もっと中国の古典を知っていたらもっと楽しめるのだろうなと思う作品だった
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万城目学さんのファンタジーさが皆無であったのは残念でした。でも、中国の故事の「西遊記」や「三国志」などの主役には一切焦点を当てず、脇役を主役として位置付けて、その人間ドラマを展開しているのは、やはり万城目ワールから離れていないのかもしれません。
いろいろな物語がある中で、主人公を置き換えてみてみるのも新しい人間ドラマがあって面白いと思います。
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今まで読んできた万城目さんの本とは、少々趣が違った。
期待していたものとは違ったため少々不満。
でも、読みやすさは相変わらず!
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西遊記から始まって、三国志や秦の始皇帝まで、中国の有名なお話しの脇役からの視点に焦点を当てた短編集。どれもこれも、それなりに味わい深い。どういう意図でこんなん書いたのかな。
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中国古典を主人公の目線ではなく、あえて脇役の目線で書き直した短編集。
→http://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-11977941529.html
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脇役にも、脇役の視点が中心に進む物語があって、当たり前なんですが、視点が違うとちょっと見えてくるものも違うのかなと思いました。古代中国が中心なので、知識が乏しく、ちょっと難しいものも。沙悟浄と虞美人と父司馬遷が良かったかな。
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万城目さんの今までの物語とは違うタッチで書かれてて、新鮮でした。
いつもの万城目ワールド的な物語も良いですが、こんな短編小説もありです。
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脇役にスポットをあてた…ということですが、そもそもの史実もしくは原作を知らないと十分に楽しめないかもしれません。
三国志と司馬遷が好きな私にはとても嬉しい作品でした!
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万城目学がこんなに真面目に…。
”らしい”視点を残しつつも、知らずに読んだら万城目作品だとは気付かないだろう。
短編5編それぞれに、人間の苦悩、葛藤、悲哀などなど決して軽くない物語が綴られている。
5編目「父司馬遷」が最も読み易く、心に残った。
たまにはこういう万城目作品もいい。
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短編連作集。『三国志』趙雲の哀しみ。『史記』虞美人の自我の芽生え。で『西遊記』の沙悟浄は結局どうなったんだけ?