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献灯使

献灯使 みんなのレビュー

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みんなのレビュー41件

みんなの評価3.5

評価内訳

41 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

どうなる、未来。。

2015/11/19 21:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

自力で体が動かせなくなってしまった現代の子供たちを、超健康老人が矍鑠と面倒をみていく。鎖国して久しい日本、インターネットも外来語も絶えてしまった。現代から過去へ、過去から現代、未来へ、ひ孫「無名」と老人義郎を軸に物語は展開していく。便利になりゆく、今現代、ゆくゆく産まれてくる子供たちは、ほんとうに無名のように動けなくなってしまうんじゃないかと本気で思った。江戸時代あたりが一番、生きやすかったんだろうな。人間が本来の立ち位置忘れず、自然を畏れて共存していて。予言書的なこの本。どうなるかな、未来。

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紙の本

作者が紡ぎ出す豊かな言葉の世界

2015/08/18 21:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

多和田葉子は自由自在な言語力を持った作家だと読むたびに思う。思いもかけない形で膨らんでいく言葉と、言葉の含有するイメージ。ある音に漢字を当てはめて突拍子もない言葉をつくったり、ある概念を表す新しい言葉をつくったり。そういうことをひょいとやってしまえて、しかもそのセンスがおもしろい。この作品でも、ストーリー云々よりそういったことを楽しんだ。
物語の設定は、食べ物もなかなか確保できない荒廃しきった東京で、老人は元気なまま歳を重ね、対照的に子どもは歩くのもままならないほど虚弱で病気がちという、架空の近未来社会。現実ではないけれど、現実社会への数々の風刺が含まれている。主人公は百歳をゆうに超えている義郎と義郎が世話をしている曾孫の無名で、他の家族も時々は出てくるが、基本的にこのふたりで暮らしている。日本は鎖国していて、電化製品は使われなくなっている。ナンセンスといえばナンセンスな要素がたくさんつまった話なのだが、読んでいるうちにそれがそうとも思えなくなってくる。奇妙なリアリティは、作者が紡ぎ出す力強い文章に拠っている。その意味でも、この本で注目すべきはやはり作者の文章力、言語力なのだ。

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2016/01/24 17:40

投稿元:ブクログ

「口ばかり開けていると日が暮れて、いくら大きく目を開いても何も見えない夜が来ますよ。闇の中で花が見えますか」
(P.169)

2015/02/07 17:00

投稿元:ブクログ

苦手です。
以前にも著者の作品にトライしたことがあったのだけれど、どうしても読み進むことができず途中放棄。
今回も、テーマの深さと皆さんの評価で再チャレンジしてみたのですが…表題作は中編なのでなかなか先に進まず、あと何ページ残っているかばかり気になって全く世界に入れない。
元々ファンタジーとかSFは苦手なんだけど、ここまで苦痛を感じるとは…。

ごめんなさい、私の能力不足でしょう、評価の高い著者なのですが、もう二度と読みません。読める気がしない。
こんなに苦手な作家は他にいないかも。

2016/03/20 19:47

投稿元:ブクログ

タイトルが秀逸で素晴らしい。灯を献ずる使いの者。鎖国や放射能汚染で東京に住めないという近未来ディストピア小説なのに題に希望を感じさせる。言葉の変容から主人公たちがいる世界と時代状況を浮き彫りにするその手腕が多和田さんらしさ。巧い。最後まで読ませる。

2015/02/19 07:38

投稿元:ブクログ

『そのように用もないのに走ることを昔の人は「ジョギング」と呼んでいたが、外来語が消えていく中でいつからか「駆け落ち」と呼ばれるようになってきた』ー『献灯使』

まず、衝撃を覚える。そしてその衝撃の元は何だったのかと、考え直す。そしてそれが、想像の範囲の外側に立ってみる、ということを教えられたのだと噛みしめる。客観的な視点から物事を捉えよ、と繰り返し教わってきたようにも思うけれど、存外それは易しいことではない。主張したいことがあればある程、自分の立つ位置から脇へ寄ってみることは難しい。そんなジレンマが実は言葉への盲目的な従属に由来するものであることを、多和田葉子はさらりと、そして辛辣な皮肉を込めて書き示す。言葉への盲目的な従属は、言葉への盲目的な信頼を生み、言葉が全てを保証してくれるかのような誤解を生む。しかし言葉は所詮記号に過ぎない。その事をいとも簡単に指し示す。反語的に言葉を使って。

例えば「想像の範囲の外側に立ってみる」という文。それは案外安全な言葉の連なりのようにも聞こえる。けれど「想像」を「想定」に代えるだけで、何か元の文にはない主張が生まれる。2011年を経験した者には。言葉に意味が貼り付いているのではなく、言葉には人の思考を向かわせる矢印のようなものが備わっているだけなのだということは、頭では理解しているつもりでもいつの間にかまた言葉に流され、上っ面だけで解ったような気分になっている。その事を多和田葉子程に考えさせられる作家はないかも知れない。

この本に収められた文章は、どれもこれも悲観的な未来像に満ちている。それは執拗に過去の出来事を思い起こさせ、それを忘れたかのように過ごしている現在を揶揄する。しかしその批判的な言葉も、言葉の示す矢印を見過ごしてしまう人々には、何も呼び起こさないし、何もを連想させない。想像の範囲などと言ってみたところで、それもまた言葉によって定義可能なものではないことも明らかだ。ならば、自分たちは何を信じるのか。

それでも改めて思うのは、言葉の持つ可能性は大きい、ということ。それに気付いた為政者は言葉を刈ろうとする。刀狩りの例に習って。しかし言葉の指し示すものは言葉に付随しているものではない以上、刈ろうとするものを根絶やしすることは不可能でもある。常に、自らの頭で考えようとする脳味噌にとっては。その努力を忘れまい。

2015/08/22 13:32

投稿元:ブクログ

原発政策への批判の小説。
健康被害、メタモルフォーゼ。現実離れしていると一蹴できない。それは筆者が日本の現実に危機感を持って描いたと思われるから。

だだ、気持ちが強すぎるのか風刺のようにも見えてしまう。

2015/03/27 14:01

投稿元:ブクログ

鎖国した近未来の日本が舞台。何故鎖国ってそりゃあ東日本大震災および原発事故の関係で日本を忌避する働きがあったり、各国の諸問題を他国に広めないようにとかさまざまな要因があって徐々に閉じて行ったらしい世界。放射能により老人は死を奪われいつまでも元気に、逆に若者は立って歩くこと、普通にものを咀嚼することも一苦労。いつまでも元気な老人が働いて、子供孫ひ孫を看取る。ディストピア小説だからか多少説明的な部分が多く、私はもう少し多和田さんの感覚にびんびん割り込んでくるような言葉を期待していたからやや残念。
しかし「献灯使」以外の短編4編も何れも同じ設定ながらに短編ゆえのびしばしっとした感じがあり、特に「韋駄天どこまでも」と「不死の島」が良かった。
「韋駄天~」は習い事のあと友人と喫茶店で大地震に見舞われ、そのまま避難生活に入る話。「不死の島」は空港にて、日本の取り扱われかた的な。

2014/12/13 16:41

投稿元:ブクログ

 ごく当たり前の日常に見えたものが、実は、いくつものプリズムや虫眼鏡を超えた後のようにゆがみ崩れていた。
 しかしながら、そもそも、日常なんていうものは、どんなに非日常な状態となっても続いていくのかもしれない。
 足下が揺らいでも、それでいい。生きているんだから、と思える。

2015/04/17 00:25

投稿元:ブクログ

「献灯使」はものすごく皮肉の効いた作品で読みながらスカっとした。まず民営化された日本政府が鎖国しているという設定が面白い。けっこう本気で鎖国を唱える論者などもいるけれど、いくらグローバル化を食い止めたいからといってそれは無理でしょ、と二項対立を茶化して遊んでいる感じの小説。高齢化、性別、原子力汚染、検閲、そしてもちろん言語、現在の日本政府がおこなっているバカげたことどもを肥大化させると、なるほどこうなるんだな、というのがいちいち納得できる。

2014/11/22 21:15

投稿元:ブクログ

再読
表題作、万華鏡のもようが中心点に消えていくのに似た終わり方。
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表題作12ページ、ひさびさに多和田さんのカギカッコ句点締め見た気がして嬉しい。そして唐突にあらわれる救いのない結末。

原発とか放射能とか切実な影響を思っていないけど星4つなのは、表題作がひたすら良いから。弱りきった体の「無名」の生きているさま? 「極楽!」って叫ぶとかさ。

多和田さんはなんでかなにを書いても多和田さんの文章だ。

2015/01/11 10:13

投稿元:ブクログ

大災厄に見舞われた後の日本で
老人は100歳を越えても死ねなくなり
子供たちは虚弱体質で自分で歩くことができない。
「自分たちがしっかりしていなかったから子孫がこうなってしまったのだと思う」
老人たちのことばが悲しい。
閉塞感ばかりではなく
子供たちの柔軟な考え方に救われる。
「献灯使」は海の向こうへ旅立てるのか。
先が気になる。表題作「献灯使」の他、4編を収録。
その中の1編「彼岸」が良かった。

全体的に、近未来の映像を頭の中で描きにくく
読み始めは、少し苦労した。
ストーリーが進むに連れ
独特の世界観に惹きこまれていった。

2015/01/15 12:10

投稿元:ブクログ

嫌いな本だ。物語に入っていけない。実は本を手に取る直前に著者の雑誌のインタビューを見かけたのだが、日本の震災後にドイツに逃れたらしく、そこで日本の福島や原発の問題を批評する立場をみて、国外に行ったひとにこういうふう外から言われたうえにこういうかたちの作品にしてしまうというのには失望してしまう。原子力発電所という危険であるものをかかえるそれによる影響への警告であるというふうに評価するひともいるかもしれないが、震災後の日本が放射能にまみれて「けがれ」ていることを前提にされるのであれば、日本に住んでいる者の立場はありません。当事者でないひとが「けがれ」という言葉を発するのは差別としか感じられない。
それ以前に、もはやディストピア小説というスタイルは文学のなかではありふれたものであり、この作品の世界観の構築が成功しているとは言いがたい。
今までの多和田葉子の作品はとても好きだったが、これから読むのをためらうことになるかもしれない。

2015/02/07 19:53

投稿元:ブクログ

最初の話は「不死の島」を外側から見たバージョンということになるのか。
死ねない老人と弱弱しい若者、どちらかといえば死なないほうになりたい。

2015/11/05 22:11

投稿元:ブクログ

大災厄に見舞われた後、鎖国状態の日本。死を奪われた世代の老人・義郎には、体が弱い曾孫・無名をめぐる心配事が尽きない。やがて無名は「献灯使」として海外へ旅立つ運命に…

93年の芥川賞作家の作品を初めて読んだ。新造語が多く、設定の奇抜さにも慣れず、読み辛かった。どうやら私の性には合わないらしい。
(D)

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