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またまたですが、大好き☆安部公房な私です。
どれい狩り(ウェー)の秘話など、興味深い話が満載です。
特に「空飛ぶ人」はオススメ!
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安部公房版「夢十夜」といった感じだろうか。題材が夢だけに、小説なのかエッセイなのか、曖昧なものが多く、話の中に登場してくる主人公が作者自身なのかそれとも架空の登場人物なのか、判然としないこともある。安部公房という著名な作家が、夢の中で無名性に埋没している。彼も彼の多くの作品の主人公同様、夢の中で名前の要らない人物になる。
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安部公房氏の夢や小説、作家業についての思いが短編の中で紹介されている。
ただ他の代表作をイメージして読むと肩をすかされた感があると思う。
そのため評価は低めで。僕は好きだけど。
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物語の内容よりも「書き手がどのような背景を持つ人物か」という関心が強まるばかり。安部公房はそのうちの一人。作品はそれほど読んだことがないけれど…というよりは難解で途中で挫折してしまうことがしばしば。読書がただ文字を目で追うだけの行為に陥るパターンが多い。ならば、その源泉となる「奇抜な発想」が生まれる過程を覗けたらと思い「笑う月」を手に取った。自分が箇条書きながらも夢日記を付けているという、安部氏との共通点を(無理矢理)見出したことも大いにある。現実的ながらも非現実的であり、別世界へ連れて行かれる。日常の延長線上にあるような自分の夢とは違って、彼の場合は作品同様設定が奇抜極まりない。面白い。小説であり、エッセイであり、夢日記であり。17の不思議な世界。他人の思考回路に興味がある人は一読の価値あり。個人的に「鞄」「ワラゲン考」「空飛ぶ男」が好きだ。
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安部公房の短編集。というか、創作メモ集という名の夢日記。この方の作品はどれも夢の中で起こるシュールレアリスムのような世界ですが、彼自身が作品のテーマを夢から生み出しているのですね!安部公房のファンで、作品の発想の裏側を知りたい方には面白いかも。何冊か彼の作品を読んだ人向け。
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インク壺の毒蛇たち
こぼれて地図になる
地図を指がさぐると
指が夢をみる
蓄音機という牢屋に閉じ込められた
夢をみる
(「蓄音機」より)
安部公房の短編集。
生け捕りにされた鮮やかな夢が17編。
安部公房を初めて手に取る方にはおすすめ。
やっぱり、この人の選ぶ言葉がとても好きです。
的確な比喩の力、その湿度、美しい言葉の選び方や、置き方。
夢を丸ごと書き写したような作品だ、と
どの作品も毎回くらくらするような読後感を抱くのですが
安部公房という人は本当に自分の夢を枕元で書き留めて
それを元に作品を紡いでいった方だと最近知って、大納得。
個人的には
【蓄音機】【シャボン玉の皮】が好き。
夢と、砂と、女性の脚。
彼の作品には、この3つがやっぱり欠かせない。
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執拗なまでの、ものの見方とか、
それが、想像を喚起するものというよりは、
「適格」に表現されているために、
曖昧に見ていた物事が、形を帯びてすとんと落ちてくる。
彼の作品を読むと、そんな感覚を経験する。
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「公然の秘密」は高校の国語の教科書に出てきた。
朗読で無関係人A、みたいな感じで3人で読んだら「リアルだ」と言われた。
あんまりうれしくない
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今回は安部公房の『笑う月』に収録されている。自己犠牲という短編のレビューです。
【自己犠牲】
荒波にもまれ漂流した3人の物語。
食料以外完備したボートの中で過ごすことになった。
5日目にして医者、コック長、二等航海士の3人は同じ見解に至った。自分自身を食料にしよう、と。
3人の言い分はこうであった。
医者『医者には、他人の生命を守り、維持しなければならない義務がある。私を食べてくれ』
コック長『とんでもない。医者には、注射をするとか、死亡診断書を書くとか、他の仕事もあるでしょう。しかし、料理人は、純粋に、他人に食料を提供するという目的のためだけに存在しているのである。私を食べてくれ。』
二等航海士『なるほど、料理人は、食料の加工が必要でしょう。だが、加工品の提供には、料理の材料を請求する権利と義務があり、医者には、その料理人が義務を遂行するために必要な、健康管理の義務がある、そうなると、差し引きして残った僕が、料理の材料になるしかない。』
三人は、こぞって自分を食べてくれと、自己を犠牲にしようとするのである。
この後誰が生き残るのか・・・。
というお話。
興味を持った人はぜひ本書を読んでみてください。10数ページの短編ですが、おもしろかったです。
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創意の種そのものですね! どうしても思いつかないアイディアに閉口してしまいました。 だから現代に帰属しなければならないと勝手に認定しました。 でもちょっと惜しいのは、私自らの問題かもしれませんね。 なんかしっかり読んでも解しがたいところがありふれて、それは作者のと自身のロジックに合わないのでしょう。 わたしはつくづく考えました。 やはり芸術なのは直感で鑑賞することです。 どんなに巧妙なものや浅ましいものも、張り合いで満ちて唄える方が大勢いますよね(笑)
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youtubeで「飛ぶ男」の映像作品を目にし、なかなか面白かったので手にとりました。
安部公房が見た夢を綴っている作品です。
うーん、やっぱり常人じゃない!というのが率直な感想です。
朝起きて、その日見た夢を逃すまいとテープに吹き込んでいたそう。
これ、やってみたいかも・・・(笑)
私が好きなのは「藤野君のこと」「ワラゲン考」「阿波環状線の夢」です。
「藤野君のこと」で登場する<アムダ>の話が面白かったです。
勘違いの種が元になって出来た<ウエー>が気になったので早速「どれい狩り」を読んでいます。感想は後日書きます。
「ワラゲン考」は数少ない安部公房の若かりし頃の話です。
「阿波環状線の夢」は寓話的で、アムダの話に近いかなって思います。
安部公房の思考の秘密が垣間見えました。
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安部公房の夢を短く綴った本。
17編もの話が載ってて、教科書にも載るような作品も多いみたい。
けどちょっと読んでてだるいかも。
P.21 「笑う月」
意識の網にかかってくれないからと言って、夢を簡単に雑魚あつかいしてはいけない。思考の飛躍は、しばしば意識の周辺で行われるものだ。自分の経験から言っても、仕事にはずみが出て精神が活性化している時ほど、よく夢を見る。回数が増えるだけでなく、内容が複雑になり、細部が具体的になる。同時に、夢が豊富になっている時は、それだけ発想も飛翔力を得ているようだ。いくらエンジンを全開にしていても、地図に出ているコースを走っている間は、まだ駄目なのである。いつかコースを外れ、盲目にちかい周辺飛行を経過してからでないと、納得のいく目的地(作品)には辿り着けないのだ。
P.32 「発想の種子」
○クモが餌をたぐりよせる動作。その手順は、不可解なほどまわりくどい。不合理と受け取るべきか、それとも、「別の合理性」と考えるべきか。
○都市――墓場のカーニバル。厚化粧した廃墟。
P.136 「鞄」
べつに不安は感じなかった。ちゃんと鞄が私を導いてくれている。私は、ためらうことなく、何処までもただ歩き続けていればよかった。選ぶ道がなければ、迷うこともない。私は嫌になるほど自由だった。
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何度読んでも面白い。無人島に一冊だけ小説を持ち込んでいいと言われたら迷わずこの本を持っていきます。それぐらい好き。公房は長編よりも短編のが、自分は好きだ。
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もう何度読み返したか分からない
著者の魅力は、リアリティ溢れる描写だけど
非現実をしっかり「もの」に組み立てていく文章術は、真似したいです
できないけど。
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高校の時の教科書に載っていた鞄というお話が特に好きです。こんな鞄をもって生きている人がいるんじゃないかと妄想したりします。不思議!