電子書籍
ハッピーエンド痛快時代小説
2017/03/26 20:28
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公おこう、いじっぱりで可愛げのない部分もあるけれど、でも甘えてばっかりで自立しない女性よりずっとかっこいい。旦那の浮気、浮気相手の妊娠からの婚家で味わう謂れもない責め苦。もう色々面倒だからとっとと離縁し乳母を頼って口入れ屋家業に就く。口入れ屋を訪れる様々な人々。おこうは時に優しく、時に厳しく接して行く。そんなとき訪れた恋。かりそめの仲といいながらも好いた人の子を妊娠。そこからの展開、勝利への凱旋に等しい。元夫の浮気女へ下された天罰も痛快!そして最後の一行。ああ、全て報われた。超絶ハッピーエンドな1冊。
紙の本
豊かな語彙と深い造詣が小説の雰囲気を高めている
2015/08/23 12:19
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
決して明るいばかりの話ではないのがいかにも杉本章子テイスト。途中までは暗いエピソードが多かったり主人公の周りに厭な人物がいたりして、やや気が滅入る。それでも、江戸時代の語彙や表現の豊富さはさすが。深い造詣と知識を感じさせるそれらから、自然とにじみ出てくる江戸時代の雰囲気は巷の時代小説にはなかなかないもので、非常に味わい深い。杉本章子の作品はこういったところを満喫したい。
そうこうしているうちに、話に明るさが出てきて、特に最後の話は幸せな気持ちを味わえる。主人公の相手の男が包容力があってとても性格がよく、その母親もさばさばした性格で気持ちよい。最後の話の明るさで、暗めだった前半部分が充分取り返せた。
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【江戸のおんな模様を見事に描き切った傑作集】夫の浮気で離縁したおこうが、向かったのは元乳母の切り盛りする口入れ屋の三春屋。やがて女主人として人と人との縁を結んでいくが。
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おこうの人柄が、読んでいて心地よい。
物語の顛末も、おさまりがよく、読後感がさわやか。
江戸の暮らしのようすもよく描かれている。
またこの作者の本を読んでみたくなる。
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時代物のラストはこうでなくちゃね。 いっきに読んでしまったが、良かった~裏切られなくて。 「起き姫」のタイトルも秀逸です。
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家族や夫婦の問題はいつの時代も変わらない。
現代は江戸時代よりは女性が束縛されない世の中たけど、失ったものも大きいと思う。
お嬢様育ちのおこうが辛い経験をして、色々な人と関わりながら自立した女性なる過程は読んでいて心地よい。
肩肘張って生きようとするおこうを、諌めるでも、諭すでもなく見守る友二郎と、大人の女性に成長したおこうの有りようが素敵だと思う。最後はみな収まるところに落ち着いて、読後感も爽やか。
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時代も状況ももちろん違うものの同じバツイチ。
おこうさんの行く末に我が身の幸せを夢見てみたりして(笑)
* * * * *
ほのぼのあり 憤慨(私がw)あり 伏線回収あり ロマンスあり スッキリあり で
おおいに楽しめました。
* * * * *
おこうさんが仕事をきちんとやり遂げようとする姿勢は好きだな。
あと、彼ね!
「いいね!」ボタンがあったら連打したくなるくらいの素敵さだよね!
頑張ってる女子(おなご)への最高のご褒美やわ~。
* * * * *
読後はタイトルにもしみじみ。
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おこうは、金物問屋に嫁いだが夫の浮気が原因で縁を切り
口入れ屋(奉公人の周旋・仲介を稼業とする人。また、その家)の主となる。
口入れ屋を訪れる者たちの人生
江戸の商家に生きる女たちの覚悟
気持ちの強さなど、おもしろく読み終えた。
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江戸時代の町人の女性は強かった!出戻ったおこうは,口入れ屋として生きていく中で,新しい出会いと経験を重ねて,人々を幸せにしまた自分も幸せになっていく.たくましい生き様が小気味いい.
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口入れ屋の三春屋を継ぐことになったおこうは、口入稼業のいろはを教わりながら先代のおとわを看取った。人と人との縁を結ぶ稼業にも慣れてきたが・・・
逞しく自分の道を拓いていく女を主人公とした江戸人情物。
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連作短編。旦那に浮気され離縁し、実家に戻ったものの実の家族に嫌気がさし、仕方なく元乳母がやっている口入れ屋を継ぐことになったおこう。1話目ではこれから口入れ屋でやっていけるのか心配だったおこうですが、2話目になると頼り甲斐のある口入れ屋さんになっていて驚きました。自立した大人の女性って感じ。良い人は良いように、悪いことをした人は悪いようになるという勧善懲悪な話なのですっきりします。
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2011年6月から2014年9月まで、がんと闘いながら「オール讀物」に掲載された7章をまとめた杉本章子最後の単行本。
夫の幼なじみが夫の子を連れて乗り込んで来たため婚家を去ったおこうは、実家にも居られず、乳母が開いていた三春屋という口入れ屋(職業紹介業)に居つき、乳母を看取って三春屋を継いだ。
これだけでも波乱万丈なのだが、口入れ屋という人と人を繋ぐ稼業のため、おこうはいろいろな人間模様に遭遇する。弱虫のくせに意地っ張りというおこうの心理描写が、杉本章子の真骨頂でもあり、何度も鼻の奥がつんとなってしまう。
2015年12月に世を去ったこの人の美しい文章の作品がもう読めないと思うとなんとも寂しい。
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嫁ぎ先で嫌な思いをし、里に帰っても味方はおらず・・・。昔の奉公人を頼り、「口入れ屋」になった主人公。
殺人事件もあったけれど、ほんわかする作品でした。
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子供ができない事で、大店から離縁され、現代の職業斡旋所、口入れ屋を営む話。
婚家でも実家でも、恵まれない境遇だったけど、一人で生きていくために口入れ屋を始め、とても良い縁に恵まれ、読んでいて嬉しくなる話でした。
中でも、大店の隠居婆さんずが、元気でとっても良い!
続編を是非読みたいと思ったら、作者の杉本章子さんは去年(2015年)の12月に亡くなられたと知って、大変残念でした。
余命宣告を受けた中で書かれた作品である事を知って、更に驚きました。
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素晴らしい作家さんと出会えた!と読後感に浸っていたらここのレビューで昨年2015年12月にお亡くなりになっていたと知り茫然としています。
しかもこの作品が最後の単行本とのこと。
おこうのしぶとく、転んでも起きあがる生き方が
好きです。心に残る作品になりました。