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紙の本
コロッケの丸かじり (文春文庫)
著者 東海林 さだお (著)
お惣菜界の負け組・コロッケに堂堂と振る舞える場所を与えてやりたい。1年に1度しか出番がないお雑煮の、不運な身の上を考えてあげたい。カレーに比べると要点がないハヤシ君を参考...
コロッケの丸かじり (文春文庫)
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商品説明
お惣菜界の負け組・コロッケに堂堂と振る舞える場所を与えてやりたい。1年に1度しか出番がないお雑煮の、不運な身の上を考えてあげたい。カレーに比べると要点がないハヤシ君を参考人に呼び、本人の主張を聴取しなければならない—ショージ君の優しさがじんわり胃袋に沁みてくる、大好評シリーズ。【「BOOK」データベースの商品解説】
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ヨダレのでるおいしい解説
2010/12/02 08:16
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの文庫本が200万部に達して、出版元である文藝春秋が三ヶ月連続で「丸かじり」の文庫本を刊行するという吉報が届いた。別に私だけに届いた訳ではなく、全国民に等しく届いたはず。
その第二弾が、この『コロッケの丸かじり』。文庫本の特長でもある和田誠さんの装丁は今回も健在で、和田誠さんの装丁に魅かれて、「丸かじり」シリーズは文庫本で読むという読者も多いはず。
そして、文庫本のもう一つの特徴は、多士済々の解説人(私は刺身のツマと称したりしていますが)。この解説を読みたくて、「丸かじり」シリーズは文庫本で読むという読者も、これまた多いと推測する。
でもって、今回の『コロッケの丸かじり』の解説であるが、漫画家のしりあがり寿さんが担当されている。
まずは、東海林さだおさんの漫画の魅力(そうだ、東海林さだおさんは漫画界の巨匠だということを忘れかけていました)について、ひとくさり。
「くずれそうでくずれないなんとも飄々とした線!」とさすが漫画家らしい解説をと感心しかけたが、それはわずか数行で、あとはしりあがりさんの食べ物の話オンパレード。まったく東海林さんの話なんか出てこない。
最後にしりあがりさんの言うことにゃ、「わっ気がつけばもう紙数がない! わーホントに勝手に自分の食い物の話ばかりを書いてしまった」だと。なんじゃこりゃ。
解説読みたさに文庫本を手にしたのに、御代を返せ、時間を戻せといいたくもなる御仁もあろうが、これこそ東海林さだおさんの「丸かじり」を如実に示す証左ではなかろうか。
「丸かじり」シリーズを四角四面に解説して何の面白みがあろう。東海林さんはそんな堅苦しい解説なんか望んではおるまいに。香りただようおいしい料理を分析しても、腹のたしにもならないように、東海林さんの「丸かじり」を批評しても頭の栄養にはならないでしょう。
しりあがりさんの解説のように、心に翼を、頭に自由を、口元からヨダレを、の精神が必要なのだ。それこそ、「丸かじり」の醍醐味といえる。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。