abikkoさんのレビュー一覧
投稿者:abikko
紙の本高橋是清自伝 上巻
2010/09/16 22:21
偉人
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「世界デフレは三度来る」を読んでその中で登場した高橋是清翁に興味を持ち、本書を手に取りました。自伝というものは亡き祖父が自費出版したもの程度しか読んだことはなかったですが、こちらは読んでみるとビックリするぐらい面白い。
時代の変化の激しさ、活動範囲、交友範囲、エピソードすべて桁違いなうえ、是清翁自身のキャラクターにひきつけられます。脚色があるのかもしれませんが、是清翁の魅力・能力に周囲の方が放っておけず、是清翁を頼ってくるのがわかる気がします(結果転職の数も半端ではありません)。
歴史の授業の中ででも中高校生がこうした自伝を読む・知る機会があれば、明治の先人の活躍を身近に感じ、自分の国やその歴史を誇りに思うようになるのではないでしょうか。
紙の本猫を抱いて象と泳ぐ
2010/09/24 01:29
読んで良かった。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
静かで透きとおった物語。
チェスを題材にして、しかもチェス盤の下でしかチェスを指せない主人公を介して、不自由さを肯定する生き方、そしてその美しさを描いているように思いました。
小さく見えるチェス盤に宇宙があるように、制約だらけに見える生活にも無限の道がある。主人公はチェスでも人生でも「最強ではなく最善の道を」目指した。そこに心動かされ、この本を読んで良かったと思うのです。
2010/09/22 21:57
約600頁一気に読めます。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
手にとって「厚っつ。そしてエピソード1ってスターウォーズ?」と思ったのもつかの間。
一度読み出すととまらなくなり、午前3時まで読み続け、翌日は通勤電車の中で読みふけってしまいました。
話としては、「内容説明」にあるように、人がみな動物顔のルーディーボールという星に住む3人の若者の冒険譚です。最初は、盗賊をしていた3人がある出来事をきっかけに旅にでるのですが、徐々に話が大きくなってくると共にスピード感が出てきます。
何が面白いのか考えるに、ファンタジーとリアルさの配合の塩梅のような気がします。それはちょうど人が動物顔というところにも現れていて、顔が動物だから一部その動物の属性を併せ持っていること(猫顔だと夜目が効くとか跳躍力が他の人よりある等)、登場人物が人だけど他の星の人であることが素直に受け入れられるという感じがします。そしてその特徴が登場人物の身分や仕事などお話に変化を生み出しています。また、貴族社会、軍隊の階級、治外法権の村などの記述もリアルさを加えているように思います。
エピソード2を待たないといけないことは悲しいですが、これは分厚いことがうれしくなる本です。
紙の本「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か? 将来どちらのほうが儲かるかで考える損得学
2010/09/22 00:39
損得学のすゝめ
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
書店で本を物色していてキャッチーなコピーに惹かれ購入しました。タイトルにもあるように、得意先からの「値引き要求」や売れなくなった商品の「在庫処分」などの問題について、会社として「将来の儲けが最大になる道」を探る方法を提示しています。もちろん会計の知識は役に立つのですが、過去のお金の流れに影響され選択を間違えやすいということで、よりシンプルな「損得計算」がすすめられています。実際のビジネスではこのような判断は常になされているのでしょうが、本書のようなシンプルな形でプレゼンすることで説得力が増すように思いました。
また、本書は帯に「ビジネス小説」とあるように、経営企画の若手が自分に回ってきた問題を上司に損得学を教えられながら解決していくストーリーになっています。主人公の成長の様や他の登場人物とのやり取りなどに心当たりがあったりして、損得抜きに楽しめました。
紙の本惑星のさみだれ 10 The Lucifer and Biscuit Hammer (コミック)
2011/01/19 00:15
空を見上げると
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
面白いマンガを探していて、評価が高いことを知り購入しました。試しのまず3巻、あっというまに読みきってしまう。続巻を急ぎ購入、一気に10巻読了しました。通勤電車の中で読んでいて、涙がこみ上げ、鼻水が出てくるのを感じていても、頁をめくる手は止まらないし、熱い気持ち(又は清々しい気持ち)なので見られて恥ずかしいなんてささいなこと。むしろ、「皆さんもこのマンガ読んでみて」って訴えたいぐらい。
大雑把にいうと、強力な魔法使いに狙われた地球を守るため、地球の守護者である姫と選ばれた騎士団が戦う話です。
騎士の一人だけでは、敵方の泥人形に対抗することが難しいのが面白さをつくっているように思います。
騎士団のメンバーがそろったときは、「全10巻なのに皆に活躍の場があるんかいな」と余計なお世話の心配をしたものでしたが、きっちり全員が(敵キャラクターも)いいところを見せてくれます。
作品のなかでは、繰り返し、大人は子供に未来を見せる責任と役割を担っていて、それを果たす。子供は大人を見て未来を切り開いていく。大人自身も子供とともに成長する。というメッセージが語られているように思いました。下手な文章だと伝わらないですね。ぜひ読んでみてください。大人も子供も男性も女性もかっこいいです。
この作品を読んで、僕は空がより青く見えるようになり、子供にとってかっこいいお父さんになろうという気持ちになりました。
紙の本銃とチョコレート
2010/12/04 01:09
ドゥバイヨルの魅力
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
主人公の1学年上にドゥバイヨルという悪童が登場するのだが、こいつの行動がめちゃくちゃで、それが魅力的。最初は主人公を殴るぐらいで、良くある端役かと思っていたが、あれよあれよという間にその冷酷さと頭脳で表舞台に飛び出して、主人公より目立ってくる。特にその非情さはことごとく予想を裏切ってくれる活躍ぶり。子どもにもうけるキャラクターかどうかはわかりませんが、彼の存在でこの本、とても楽しく読めました。
電子書籍リテイク・シックスティーン
2017/09/02 01:47
青春ってこんなんだろうなー(遠い目)
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
当方40歳オーバー。この本は子供の読書感想文用の本だったのですが、ちょっと最初のページを読んでみようと思って読み始めると、止まらなくなりました。
未来から(意識だけがもどってきて?)高校生活をやり直している友人とその友人に影響される主人公の高校生活が描かれているのですが、学校のイベントが「あーこんなことも(自分の身には起こらなかったけど)青春していたらあったんだろうなー」と思わせる内容です。
自分の人生はどうなんだろうとちょっと考えさせつつも、読了感さわやかで、ちょっと若返った気分。
2011/02/26 01:57
楽しくてためになる
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
大量のイラスト(約700頁)で英語の前置詞・副詞の使い方を説明しています。
たとえば、along、alongside、besideの使い方を、川や道の近くにある町や家の状況で示す。before、in front ofの違いを建物とその前にある門の関係で示すなどしており、非常によくわかります。記憶にも残る気がします。
また、イラストは、かわいい感じで、それぞれ1枚単品又は4コママンガ風になっています。全体を通したストーリーがあるわけではないのですが、よく出てくるキャラクターにはそれなりの設定があり、面白いです。
たまに、イラストだけではどういう違いがあるのか良くわからないものがあるので、そういうものには若干でもコメントがあればありがたかったのですが。
また、分厚いので、もう少しストーリー性があると通読する楽しさが増すように思いました。
紙の本部下を定時に帰す「仕事術」 「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵
2010/09/14 23:09
ワーク・ライフ・マネジメントとは
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今までビジネス書というものにまったく興味がなかったのですが、自分の仕事の仕方・臨み方に足りないものを感じ、ビジネス書を読み始めました。著者は、雑誌にも連載をされており、真摯な語り口に共感を覚えていたので、中でも手っ取り早く役立ちそうなこの本を買い求めました。
ビックリするとか目から鱗というような内容はなかったですが、王道というか納得し、実践しようと思う内容でした。心に残った内容をいくつか挙げさせてらうと、
○仕事ができるかできないかは、「能力の差」よりも「仕事のやり方」
○「難しいテーマ」はとりあえずはじめてみるのが正解
○成長角度の高い人が、成長角度の低い人に追い抜かれることは絶対にない
○タイムマネジメント能力は「仕事力」そのもの
この本を成長のきっかけのひとつにしたいと思います。
2010/12/04 01:19
見えない友達?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
厚い本だし、小学校低学年の子どもにはちょっと難しいかなと思いましたが、与えてみたところ、かわいいイラストと面白いおばけに惹かれたのか自力で読みきっていました。
日常生活の端々の出来事の裏には実はおばけが・・・という感じでスタートし、最後の方はドキドキさせる事件が起こります。読書が好きなお子さんにはピッタリの良い本だと思います。
2010/10/27 00:55
わかりやすい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ファイナンスの基礎についてうまく説明した本はないかと探していて見つけました。
プロジェクトの評価の方法などをステップを追って記載されていますし、表や図も多用されており、わかりやすいです。分量的にも手ごろ(200頁強)で、レイアウトも見やすいです。
証券アナリスト試験を考えている方などにも頭の整理ができてよい本だと思います。
2010/10/13 01:31
CFDの仕組みを知りたい方に
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
CFDという言葉をよく目にするようになり、どのような仕組み・制度の取引か興味があったので本書を購入しました。
本書によるとCFDとは、「買い手とCFD業者との間で交わされたCFDの購入価格とその売却価格の差額を交換するという契約」です。発祥の地のイギリスの例を随所に出しながら、「CFDの原理」「CFDの仕組み」「CFD口座開設」「CFD取引戦略」を紹介しています。当方は、FXが有名なので、CFDが通貨の取引に起源をもつものかと思っていたのですが、本書によると最初のCFDは株式から始まった(4頁)といった歴史も記載されていて参考になりました。また、CFDの利点を訴えている本ではあるものの、口座開設の注意点やトレーディングプランの重要性を説明したりしていて、信用のおける本だと感じました。
イギリスの訳書であるためか、本書を読んだだけでは、CFDが株式を対象にした場合には株式の信用取引との区別がつかなかったのですが、CFDのエッセンスについては十分理解できました。
なお、最後に、本書は「こうすれば儲かる」といった内容は記載されていません。1頁にあるように、「取引、仲介、規制、あるいはITの視点からCFDに興味がある人のために書かれている。」とのことです。そうした方にはピッタリの本だと思います。
2010/09/17 00:22
組織運営についての知恵を与えてくれます
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
組織論についてのエッセーをまとめた本。会社員である当方の経験に照らして心当たりのある事例やさもありなんというような事例を出しながら、組織が気をつけるべきことの発生原因・対処法などについて非常に具体的に書かれている。
例えば、問題点が組織にあるのか人にあるのかのチェック(76頁)、「縁の下の力持ち」への報い方(94頁)、トップの決断不足の兆候(131頁)、キツネ(メッセンジャー)の権力の予防法(154頁)、成熟事業部が暇になる背景と弊害(190頁)、組織腐敗のチェックポイント(205頁)などである。
当方は、管理部門に配属なったことはないが、もしされるとなると、こうした知恵が必要だろうと思う。
紙の本ワンランク上の問題解決の技術 視点を変えるファンクショナル・アプローチのすすめ 実践編
2010/09/14 23:40
ファンクショナル・アプローチ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ずいぶん前に著者を紹介するテレビ番組をたまたま見て興味を持っていたのですが、今般書店で著書を見かけたことから、購入しました。
一読しかしていないので、十分に理解できているわけではないですが、ファンクショナル・アプローチとは、問題の対象を分解し、その対象を機能本位に考えることで問題解決のための改善点を見つけようとする手法のようです。
心に残った内容をいくつか挙げさせてもらいます。
○問題解決=改善点×解決手段
○解決手段ばかりを考えるのではなく、改善点に大きなヒントがある
○目の前の努力に一生懸命になる前に、ただひとこと、「それは何のため?」と問い続ければ、「必要な努力」と「無駄な努力」を見分けることができる。
○本質を見て、本質から考えて、本質から変えようとすること
この本で気づかされた点を身につけ、ワンランク上の問題解決をしていくためには、日々の仕事や生活で実践をしていく必要があると思いました。