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急成長を続けるGameWith。その「エンジニア経営者」を支える書籍とは?

2013年に株式会社GameWith(以下、GameWith)を立ち上げた今泉 卓也氏を知っているだろうか。2013年9月、ゲーム攻略情報メディア『GameWith』をスタートするや否や、たった3ヶ月で月間1000万PVを達成。そして、およそ1年半で月間6億PVものサービスへと成長させた人物である。

その間、今泉氏は経営者でありながら、エンジニアでもありつづけた。前職ではCTOを務めていた今泉氏。いったい『GameWith』は、彼のどのような考えのもと、大規模なメディアへと成長したのだろうか。今回は、今泉氏の考え方に影響を与えた書籍とともに、GameWithの今までとこれからをお伺いした。

メンバーの能力を活かして、チームの力を最大化していく

―― GameWithの創業されたとき、どのようなことを意識されましたか。

今泉 卓也 (以下、今泉) 創業期は、どうすればメンバーが活躍できるのか、を常に考えていました。なぜなら、マネジメントに注力したかったからです。ですから、まずはメンバーの考え方や気持ちを知るため、創業メンバーのデザイナーとエンジニア、僕の3人でマンションの一室を借りて、共同生活していました。

そのとき声をかけたメンバーは、オンライン上でコミュニケーションを取っていた、ほとんど会ったことのない人たちばかりです。当時は、「一緒に仕事がしたい」と感じた人には、積極的に声をかけていました。本来の僕は、自分から口説きにいくタイプではありません。しかしそのときは、サービスを始動させるためにやるしかない、と腹をくくりました。

―― なぜ、マネジメントに注力しようと考えたのですか。

今泉 前職は、ソーシャルゲームを扱う会社で取締役CTOを担当しています。そのとき、マネジメントの重要性を実感したからです。僕は、もともとエンジニアでもあります。ですから当時は、あらゆるゲームを自分でつくっていました。そのため、メンバーを育てる余裕がなかったのです。その結果、コミュニケーションを取れなかったメンバーが、次々と退職しました。

しかも、リリースした全てのゲームが当たるわけではありません。そのため、次々とゲームをリリースしていく必要があります。しかし当時の2012年頃は、アプリゲームが流行していたため、エンジニアに求められる技術の質が変わってきました。その結果、少人数で制作できる範囲を超えてしまったのです。さらに、資金が潤沢にあるわけではなかったので、会社を一旦解散することに決めました。前職の会社を解散した大きな原因は、マネジメントの失敗だと考えています。

―― 会社を解散したあと、GameWithとして会社を立ち上げたきっかけを教えてください。

今泉 当時はゲーム攻略情報にまつわるサービスがなかったため、この分野であれば他社と差別化できるのではないだろうか、と考えました。しかし創業期のメンバーは少なく、僕がプラットフォームをつくり進めていく状況でした。その中で、どのようなモチベーションで働いているのか、何をしたらうれしいのかなど、メンバーの気持ちを意識することが求められました。

―― 創業当時、どのような本を読んでいましたか。

今泉 僕のマネジメントの視点を形成するきっかけとなった本は、『育てる技術』(日経BP社)です。この本は、チームの成果を上げるために、メンバーを褒めたり、叱ったりする方法がロジカルに書かれています。

この本を読むことで、マネジメントで悩んでいたことが合理的に整理されました。何より感じたのは、メンバーに最大の能力を発揮させることです。人によって才能は異なります。ですから、個々の出せる最高得点も変わってきます。そのため、各メンバーのベストパフォーマンスを引き出すには何をすべきか、を考えるようになりました。

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今泉 また、個人として能力を最大化するだけではなく、周りに良い影響を与えるメンバーを育てる必要がある、と気づきました。周りの点数も上げていかないと、チーム全体としてマイナスになってしまうからです。

社員にも、そのように全体をロジカルに眺める視点を求めています。そこで弊社では、早い段階からアルバイト採用をはじめました。そうすれば、社員はアルバイトをマネジメントすることで、マネージャー経験を積むことができます。アルバイトの中には、たとえば要領が良くても真面目ではない人がいます。そのような人を指導したい社員がいたら、『育てる技術』を読むように伝えています。

誰にとっても理解しやすい指示を出す

―― 今泉さんは、今でもエンジニアとして活動されているのですか。

今泉 創業した当初から、最前線でコードを書いていました。しかし今は、メンバーにコードを書く作業をほぼ任せています。その代わりに、エンジニアの部長を兼務しているため、あらゆるプロダクトの大枠を考えます。さらに、毎週のように開発ミーティングを行い、メンバーの進捗を管理したり、行き詰まっている箇所の相談を受けたりしています。

―― エンジニアとして影響を受けた本はありますか。

今泉 いくつもありますが、『リーダブルコード』(オライリージャパン)ですかね。この本を読んで、コードの書き方が変わりました。綺麗なコードとは、一緒に仕事をする人のことを思いやって書かれたコードだと気づいたからです。

それまでは、「コードを綺麗に書く」と言われたとき、自分にしか書けないようなコードや、数式の美しさを重視したコードを書こうとしていました。しかしそのようなコードは、コードを書き慣れていない初心者のエンジニアにとって理解しづらいものです。ですから今は、誰が読んでも理解しやすいコードが理想だと考えています。

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開発したプロダクトで世の中を変えていく

―― これから、GameWithをどのように盛り上げていきたいですか。

今泉 現在のサイトは、「ゲーム攻略」と「ゲームを探す」の2軸で運営しています。そして今後考えているのは、「ゲームコミュニティをつくること」と「技術コースを強化すること」です。

まずはゲームコミュニティとして、「ゲームのSNS」を想定しています。なぜなら、ゲームにも利用しているユーザーの歴史があるからです。巷で流行っているFacebookやTwitterなどのSNSは、ライフタイムイベントが残ります。しかし、どのようなゲームをしたのか、というゲームの歴史は残せません。

そこで僕が考えているのは、プラットフォームを横断したゲームコミュニティです。やはり1人だけでプレイするよりも、誰かと一緒にプレイした方が盛り上がります。

しかも、そのようなコミュニティはレコメンド機能として活用可能です。コミュニティ内では、自分と同じゲームをプレイしてきた人が、今はどのようなゲームにハマっているのかを知ることができます。Amazonなどは、好みに応じて、自動的にお薦めの商品が表示されますよね。しかし、より特定の個人にフォーカスすることで、機械が自動的には出せない「偶然の発見」を期待できるのです。

たとえば、自分と同じシューティングゲームにハマっていた人が、今は予想外のアクションゲームにハマっているかもしれません。このことは、よりユーザーにフォーカスしたコミュニティ内だからこそ、知ることができます。

―― なるほど。

今泉 また、技術コースの強化として、競技性の高い「eスポーツ」の促進を考えています。海外では、eスポーツをプロの職業として認めています。それと同じように、日本でもプロゲーマーの仕事が確立されれば、ゲーム産業はもっと盛り上がるはずです。

そこで僕らは、ゲーマーのプラットフォームを形成することで、プロゲーマーを支援できるのではないだろうか、と考えました。たとえば、ゲーマーが試合できる場所を提供し、リーグ戦を設定するなどして観客を集めます。場をつくることさえできれば、ゲーム観戦したい人たちは集まりやすくなります。

―― GameWithが目指すビジョンの中で、求めるエンジニア像を教えてください。

今泉 新しいプロダクトで、ユーザーの生活をより良くしたい人を求めています。弊社はプロダクトの新機能について、エンジニアやライターなどのあらゆる職種が、自由に意見できる環境です。その中で、積極的にサービスの企画や改善を提案できる人が、弊社にはマッチしています。

そもそも、エンジニアリングができることは、魔法が使えるようなものです。たとえば、弊社のエンジニアになると、『GameWith』のユーザーの世界観を変える影響があります。そのため、弊社で働いているエンジニアたちは、開発したプロダクトを多くのユーザーに触ってもらえることに魅力を感じています。

弊社のエンジニアとして働くことで、開発したプロダクトを通じて世の中を変えていることを、いずれ実感できるはずです。

プロフィール

 

今泉 卓也

㈱GameWith 代表取締役 / エンジニア

学生時代から参画していた前職で、取締役CTOを担当。その後、「ゲームをより楽しめる世界を創る」ことをビジョンに掲げ、2013年に株式会社GameWithを創業する。

ゲーム攻略情報メディア『GameWith』を立ち上げ、たった3ヶ月で月間1000万PVを達成。1年半後には月間6億PVものメディアに育て上げ、その間、経営者とエンジニアを両立し続けている。

国内最大級のゲームアプリサイト
https://gamewith.jp/

ライタープロフィール

 

hontoビジネス書分析チーム

本と電子書籍のハイブリッド書店「honto」による、注目の書籍を見つけるための分析チーム。

ビジネスパーソン向けの注目書籍を見つける本チームは、ビジネス書にとどまらず、社会課題、自然科学、人文科学、教養、スポーツ・芸術などの分野から、注目の書籍をご紹介します。

丸善・ジュンク堂も同グループであるため、この2書店の売れ筋(ランキング)から注目の書籍を見つけることも。小説などフィクションよりもノンフィクションを好むメンバーが揃っています。

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