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『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』の著者が語る人生観と読書術

世界最強のコンサルティング・ファームと称されるマッキンゼー・アンド・カンパニーでの経験や学びをもとに、数々のベストセラーを書かれている大嶋 祥誉(おおしま さちよ)さん。経営戦略・組織改革・リーダー育成プログラム開発などのコンサルティングとベンチャー起業支援に従事され、センジュヒューマンデザインワークスを設立。人材開発コンサルタントとして多方面で活躍されています。

このたび、『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』の執筆背景を伺うことを機に、ビジネスパーソンとして、あるいは女性としての生き方や価値観を伺いました。数々の本を執筆するきっかけは、どのようなものだったのか。読書家の一面を持つ大嶋さんはどのように本を選んでいるのか。日常のなかで「感性」や「直感」、「ワクワクする気持ちに従うこと」を大事にされている理由とは何か。読書術に仕事術、キャリア論と、人生への示唆に満ちたお話でした。

『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』の著者が語る人生観と読書術

ロジカルシンキングは、直感や感性を立証するツール

―― 大嶋さんの本選びの軸を教えてください。

大嶋祥誉(以下、大嶋)  スピーディーに多読する本と、じっくり読む本とを分けています。多読するためのスキル系の本は何冊も書店でまとめ買いすることが多いです。例えば、ロジカルシンキングの本を執筆するときは、書店でロジカルシンキングのコーナーに置かれている本を片っ端から開いてみます。

買うかどうかの判断基準は、「直感に訴えかけてくるもの」があるかどうか。一方で、哲学やアートなど、じっくり読みたい本は、一度買ったものを何度も読んで味わいます。

私は直感や感性を大事にしていて、ロジカルシンキングは、直感で自分が「いいな」と思ったものをほかの人にも理解してもらえるようにわかりやすく説明、立証するためのツールだと捉えています。人に納得や共感を促し、人を動かすには、自分の主張を支える根拠がいりますよね。

―― コンサルタント出身ということで、直感よりも論理を重視していらっしゃるのかと思っていたので、それは意外ですね! 大嶋さんの感性が、自然と、あるいは意識的に磨かれていった経験や習慣は何でしょうか。

大嶋  瞑想で、五感を研ぎ澄ませるようになったことが大きいですね。20代の頃に瞑想を習い始めたのですが、そのきっかけはマッキンゼー時代のパートナー(役員)が、瞑想で非常にすっきりされているのを見たことです。感性のセンサーが鋭敏になると、同じ物事を見ていても、自然とキャッチできるものが増えて、アイデアにつながります。今は情報があふれかえっている時代ですが、毎日、自分ひとりで静かに過ごす時間をとることで、自分にとって大事なものが見極めやすくなり、正しい判断につながるのだと思います。

今の世の中って選択肢が多すぎますよね。『愛するということ』や『生きるということ』を著したエーリッヒ・フロムが言うように、やりたいことが明確でない人は、自由すぎるとかえってストレスを抱えてしまいがちなのです。

こんなキラークエスチョンがあります。「あなたが人生で最もフォーカスすべきだと考えていることは何ですか?」多くの人は戸惑ってフリーズしてしまいますが、充実した人生を歩んでいる人は、迷いもなく明確に答えます。

「人生で」と聞かれると難しいですが、期間を1年、1日などと区切ってもかまいません。こうした本質を探る問いを自分に投げかけることで、「本当にやりたいことは何なのか」が明確になり、最小の力で最大のパフォーマンスをあげられるようになります。

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その行動は、不安や焦りから? それともワクワクする気持ちから?

―― フォーカスしたいものを見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?

大嶋  行動のきっかけが、世間の常識やまわりからの評価を気にして生じた不安や焦りからではなく、自分が純粋に楽しいと感じる気持ちからくるものかどうかを見定めることですね。不安や恐怖に突き動かされてやったことは、往々にしてマイナスの結果につながりやすい。一方、ワクワクする気持ちにしたがって行動したことは、経験上、結果的に喜びをもたらしてくれると感じています。

例えば、『マッキンゼー流 入社1年目 問題解決の教科書』を出版する際には、編集者との最初の企画会議のときから非常にワクワクするものがありました。それが10万部突破という良い結果につながったのだと思っています。

「書く」という行為は創造の原点

―― 大嶋さんはマッキンゼーでの経験をもとにした本を数々執筆されていますが、そのきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

大嶋  マッキンゼーでの仕事や研修で学んだことが、実は仕事だけではなく、その後の人生で非常に役立っているのです。そのことに気づいてから、これは多くの方に活用していただきたいという思いを抱きました。

マッキンゼーでは自律的に動くことが当たり前でしたし、自分がどんな価値を提供できるのかを常に意識させられる日々でした。しかし他の職場では、こうした目線を高く上げた働き方はあまり浸透しておらず、周囲から「その学びを本にしてほしい」というお声をいただいたのです。その声をきっかけに初の著書『マッキンゼー流 入社1年目 問題解決の教科書』を執筆することになりました。

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―― 2015年に出版された『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』のなかで、ノート=「問題解決を図るための第2の頭脳」とされています。その後、2016年には『書くだけであなたの最高の力を引き出す方法』という翻訳書の監修もされています。様々な仕事術があるなかで、なぜノート術、書く力に注目されたのでしょうか。

大嶋  何かをノートに書くのは、どんな仕事においても基本中の基本ですよね。いくらデジタルが普及しても、手を動かして「書く」というアナログな行為は、思考を深めるプロセスそのものであり、創造の原点だといえます。美術でもデザインでも必ずデッサンのように「書く(描く)」というプロセスを経るのは、そのほうが、アイデアが湧きやすいから。デジタルはあくまで最終アウトプットに向けて清書するツールなんです。 

私は仕事用に使うノート以外にも、心のモヤモヤを書きこむモヤモヤノートや、自分の目標や夢をつづったビジョンノートを持ち歩いています。ビジョンノートには好きな色のノートに自分の目指す姿を表している写真を貼るなど、ビジュアルに訴えかけることで、そこに書いたことが実現しやすくなるのです。

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―― 『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』で書かれていたメンターのお話が印象的でした。メンターに出会うために、若い人はどんなことを意識すればいいとお考えですか。

大嶋  「この人、素晴らしい」と思う先輩がいたら、ランチに誘うことです。ランチなら、飲み会とちがって1時間程度と時間も区切られていますし、相手も気軽に応じやすい。率直に「先輩の○○なところがすごいと思ったので、詳しく教えてほしい」といえば、相手も嬉しいですからね。ランチをきっかけに仲良くなっていくことは多かったです。これは若いときの特権ですから使わない手はありません。

―― 女性の生き方のロールモデルとしても大嶋さんのことを尊敬しているのですが、自分らしいキャリアをどのように見つけていったらいいか迷っている方、特に女性に向けてのメッセージをいただけますか。

大嶋  どんなキャリアにおいても、女性特有の良さを活かすことを大事にするといいなと思います。あくまで一般的な傾向ではありますが、女性のほうが「人をはぐくむ力」や「共感する力」に長けていることが多いように感じます。

あとは、男女問わず「自分が本当に好きなのは何か」という根源を探ることをおすすめします。もし漠然と悩んでいるのなら、まずは目の前の仕事に真剣に打ち込むことが大事。100%のクオリティーで物事をやり遂げる経験によって、新たに見えてくるものがあるはずです。

―― 最後に、大嶋さんの夢を教えてください。

大嶋  今後も本の執筆を通じて、読者を元気づけたい、インスパイアしたいと思っています。ただ個別のスキルを伝えるというよりは、本を通じて、読者のライフデザイン(人生のデザイン)をサポートしたいという思いが強いです。それが自分を「ライフコンセプトデザイナー」と位置付けている理由でもあります。今後は小説という形で発信する可能性も探ってみたいですね。

―― ノートによって思考を深めつつ、自分の直感のセンサーを磨くこと、そして探究心や「ワクワクする気持ち」に従うことの大切さを改めて実感しました。ありがとうございました。

本の要約サイトflier × honto提供
❋本記事は、本の要約サイトflierの取材記事を再編集しております

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プロフィール

 

大嶋 祥誉

センジュヒューマンデザインワークス代表取締役

エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウィリアム・エム・マーサー、ワトソン・ワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。

2002年より独立し、エグゼクティブ・コーチング、組織変革コンサルティング、チームビルディングやリーダー開発に従事する

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